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akichinote
【掌編小説】バカなままでいてくれよ
飛び出し注意という文言とともに走り出そうとするペラペラの少年。
こいつは確かとび太くんとかいう名前だったか。
お前ほどこの看板似合うやつもいねぇよと言ったら「なんだよそれ」と笑ってたな。⋯⋯まぁ、無鉄砲を擬人化したようなお前だから、これが視界に入ったとて、その注意は脳まで届かなかっただろうけど。
───ただ覚えておけ。
無鉄砲がゆえに、お前はそんな小さな箱におさまることになってしまったんだ。
「馬鹿野郎がよ」
覚えておけ。そして次は気をつけろ。
「⋯⋯でも」
あいつの好きな銘柄の煙草に火をつけ、肺いっぱいに吸い込み、
「俺はその無鉄砲さが好きだったよ」
白い煙を吐き出しながら紡いだ俺の言葉は、煙と一緒に溶けていった。
