【なお社長のお茶飲みトーク Vol.9】「好き」が体力を超える日。
パンが好きな敦子さんと、オープンしたばかりの注目のベーカリーで
今回のゲストは、福岡の夕方の顔としておなじみ、タレントの今村敦子さん。 場所は、高砂にある温かな空間「珈琲とパン ふたつ」。
焼きたてのパンの香りと、丁寧に淹れられた珈琲に包まれながら、30年間走り続ける人の「強さの正体」を受け取ってきました。
25歳は"売れ残り"。そんな時代に辞表を出した。
「当時は、25歳になったらクリスマスケーキと同じで『売れ残り』なんて言われていた時代です」
そう笑いながら話す敦子さん。
結婚=退職が当たり前の空気の中で、広告代理店のOLとして働いていた彼女の中には「一生、自分の足で立ち、表現し続けたい」という想いが静かに燃えていました。
看護師だったお祖母様、80歳まで喫茶店を経営していたお母様。
そんな女性たちの背中を見て育った敦子さんが、"おとなしく退職"を選ぶはずがなかったのかもしれません。
20代は"自分探しの暗黒時代"だったそうです。
給料のほとんどを自己投資へ。
お花、カメラ、ボイストレーニング…。
向いていないものも、たくさんあった。でも彼女は笑って言いました。
「向いていないと分かったことが収穫だから」
そして25歳、転機が訪れます。
OLとして阿蘇でのロケ撮影中、幼いころ黒柳徹子さんのモノマネを全力で披露していた自分を突然思い出して、殻を破り全力でカメラと向き合ったそうです。
「これだ!」
その直感に従った行動は、規格外でした。
ロケの翌日、次の仕事も決まっていないまま、辞表を提出。
そして、なんと有給消化の初日に応募したテレビCMオーディションに合格。そこからタレントとしての人生が始まりました。
このエピソードを聞きながら、ずっとそう思っていたことが確信に変わりました。 チャンスは、準備してきた人にだけ微笑む。
遠回りに見えた5年間は、未来への助走だったのです。
「苦労だと思ったことは、30年間、一度もない」
現在の敦子さんのスケジュールを聞いて、私は思わず苦笑してしまいました。
テレビ週5日、ラジオ、企業研修、講演、インフルエンサー活動。
深夜2時起き、平均睡眠時間4〜5時間。
出演前のメイク中のわずか数分で爆睡・フル充電して、また走り出す。
それほど過密な毎日なのに、「30年間、仕事を苦労だと思ったことは一度もない」と言い切るのです。
「やらされる仕事じゃないから。自分で選んだ道だから、大変なことほど『これで私、また伸びる!』って燃えるんです」
同じ「きつい」でも、自分で選んだきつさは、ぜんぜん違う。
"好き"の力は、体力を超えるのです。
敦子塾がやっていることは、「話し方」じゃない。
2021年に立ち上げた「敦子塾」は、10期を超えてなお広がり続けています。
「話し方教室だと思ってくる人も多いんだけど、ちょっと違うんです」
声の出し方や伝え方を入り口にしながら、最終的にたどり着くのは「自分を知る」という場所。
「『好きなものを5つ挙げてください』と言われて、すぐ答えられない大人がとても多くて。自分に矢印を向けたことがない、自分の気持ちを言語化したことがない人が、こんなにたくさんいるんだって」
でも、言葉になった瞬間、人はキラキラし始める。
65歳の受講生が「初めて自分のことが分かった」と涙ぐんだというエピソードを聞いて、私の胸もじんわりと熱くなりました。
人を変えるのではなく、その人の中にあるものを引き出す。
敦子さんが長く愛される理由は、きっとそこにあります。
「みんな、最後は『大丈夫』って言われたい」
最近は「ルノルマンカード」の資格も取得し、カードリーディングも始めた敦子さん。 占いと聞くと神秘的に聞こえますが、実際はとても現実的だそうです。
カードはきっかけに過ぎず、質問によってその人の潜在意識を言語化するのはコーチングに近いとのこと。
「みんな、最後は『大丈夫だよ』って背中を押されたいんだと思います」
私たちが本当に求めているのは、正解よりも"背中を押してくれる言葉"なのかもしれません。
将来は旅を組み合わせたリトリート企画も構想中。フィールドを全国へ広げたいという夢を語る敦子さんの瞳は、まるで少女のようにキラキラしていました。
自分が幸せになり、幸せな人を増やす。それが、彼女の目指す未来です。
“好き”で走っている人は、やっぱり強い。
お話を終えて改めて感じたのは、やっぱりこれです。
努力しているのに、努力に見えない。
過密スケジュールなのに、楽しそう。
挑戦が怖くないのは、きっと"ワクワク"が勝っているから。
珈琲が冷める頃には、私の中にも小さな火が灯っていました。
もっと広げたい。もっと届けたい。
そんな前向きな気持ちをくれる人との対話は、やっぱり特別です。

【今回のお茶飲み友達】
今村 敦子(いまむら あつこ)さん
福岡を代表するメディアパーソナリティ。ラジオ番組『モーニングジャム』やテレビ番組『めんたいワイド』など、テレビ・ラジオで30年以上第一線を走り続ける"パワースポット"のような女性。話し方と人間力を育てる「敦子塾」を主宰し、最近はルノルマンカードも操る"言語化の達人"としての顔も持つ。メイク中に数分で爆睡・フル充電できるという特異体質の持ち主で、ストレスとは無縁ゆえ風邪も引かないとか。「喋りのプロ」でありながら実は「聴くプロ」で、彼女に「大丈夫!」と言われると、どんな悩みも雲散霧消してしまう。会うと、なぜか自分も前に進める気がしてくる人。
【今回のお茶飲みスポット】
珈琲とパン ふたつ
https://www.instagram.com/fu.ta.tsu?igsh=cmpjMnE5OGZ6bmJ4
住所:福岡市中央区白金1丁目8-10
営業時間:10:00~15:00(火~木曜日定休日)
店内:2階に45席のイートインスペースあり
高砂にある、珈琲とパンが主役の温かな隠れ家。一歩足を踏み入れると、焼きたてパンの香ばしい香りが心を満たしてくれます。一つひとつ丁寧に作られたパンと、こだわり抜いた一杯のコーヒーは、忙しい日常をふと忘れさせてくれる魔法のセット。

