駅近3分!人間国宝の手頃な良展|仙台駅東口キャンパス 東北福祉大学ギャラリー ミニモリ「芹沢銈介の夏模様 ー布染め心染めー」
【#359、約3,800文字、写真約10枚】
仙台駅東口キャンパス 東北福祉大学ギャラリー ミニモリ(以下、ミニモリ)へ初めて行き「芹沢銈介の夏模様 ー布染め心染めー」を鑑賞しました。その感想・レビューを書きます。
▶︎ 結論
意外とオススメのギャラリーでした。それは主に、1)仙台駅から徒歩約3分の好立地、2)河北新報社も携わるしっかりとした運営体制、3)想像以上のボリュームと質があったためです。ちょうどいい規模感であることに加え、値段も手頃(500円)なため、サクッと仙台付近でアートを楽しみたい場合は是非!
芹沢銈介に興味がある人は、東北福祉大学 国見キャンパスにある「芹沢銈介美術工芸館」への訪問はマストです!
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★☆☆☆
混み具合:★☆☆☆☆
展覧会名:芹沢銈介の夏模様 ー布染め心染めー
場所:仙台駅東口キャンパス 東北福祉大学ギャラリー ミニモリ
会期:2026年7月15日(水)~8月27日(木)
休館日:月曜日
開館時間:10:00~17:00
住所:宮城県仙台市宮城野区榴岡2丁目5−26
アクセス:仙台駅から徒歩約3分
入場料(一般):500円
事前予約:ー
所要時間:約1時間
撮影:すべて不可
巡回:ー
URL:こちら
▶︎ 訪問のきっかけ

仙台へ1人、1泊2日の旅行に出かけた2日目、1)仙台駅から新幹線に乗る前、数時間の余裕ができた、2)前日に芹沢銈介美術工芸館を訪問していたため、気になる展覧会を実施していたミニモリへ向かいました。
▶︎ アクセス

ミニモリへは、仙台駅から徒歩約3分。東北福祉大学の仙台駅東口キャンパス1階にあるギャラリーです。
▶︎ 仙台駅東口キャンパス 東北福祉大学ギャラリー ミニモリとは?

2016年7月、仙台駅東口キャンパス1、2階に開館されました。仙台市、河北新報社と締結した「地域人材育成及び社会貢献事業に関する包括的連携協定」に基づくもので、学生で組織される「ミニモリサポーターズ」がイベント運営の補助などを行い、そのなかで学生が地域と社会に接し学ぶ場所としています。(略)継続的に企画展やサブカルチャー的催事を行い、仙台市の文化・芸術振興と地域の活性化を担います。
「ミニモリ」って何?
名前の「ミニモリ」とは、以下が由来のようです。
ミニ=コンパクト
モリ=仙台市が「杜の都」と呼ばれる(参照)
なお、施設のネーミングの由来は重要なため、公式サイトに載せるべきだと思いました。

ミニモリは、年間4回の展覧会を実施しています。展覧会の主催・後援はほぼ毎回、河北新報社が行っています。なぜか、東北福祉大学とは関係が薄そうな「サブカルチャー的催事」も多く開催。私は偶然、芹沢銈介の展覧会を見られてラッキーでした。

観覧は有料
今回の展覧会の料金は500円。大学内の収蔵品を使い、大学内でのギャラリーで料金を取るのは珍しいです。インターメディアテク(東京大学)、アートテークギャラリー(多摩美術大学)、金沢美術工芸大学 ギャラリーなどは無料です。
▼ 過去に訪問した大学内の美術館
芹沢銈介と仙台の意外な関係
東北福祉大学のメインは、国見キャンパスです。そこには「芹沢銈介美術工芸館」があります。芹沢銈介の長男・芹沢長介(1919〜2006)は、日本の旧石器時代研究の第一人者。明治大学文学部で講師、東北大学文学部で教授を務めた後、その近所にある東北福祉大学で名誉教授となりました。
芹沢銈介は、長男が住む仙台に定期的に訪れていました。その際「仙台にも私の美術館をつくりたい!あ、長男の大学はどうかな?寄贈もするで!」と思い立ち、仙台市内の東北福祉大学内に、芹沢銈介オフィシャルの美術館が設立されたとのことです(1989年)。


▶︎ 「芹沢銈介の夏模様 ー布染め心染めー」感想

芹沢銈介とは?
芹沢銈介は、1895年静岡生まれ。20世紀を代表する染色家です。1956年、「型絵染」で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。作品をつくると同時に、民藝の蒐集にも熱意を注ぎました。静岡には、市立の芹沢銈介美術館があるほど、重要な人物です。
▼ 静岡市立芹沢銈介美術館の感想
展覧会の概要
風景、動植物、日常の道具、手仕事に関わる職人の姿など多岐にわたるモチーフの中から、「夏」をイメージさせる作品を展示します。芹沢銈介の代表作「笹文のれん」や「芭蕉文着物」、「漁具文着物」、また商業デザインとして制作した扇子やうちわのデザイン、作品の根幹となる型紙などを併せて80点紹介します。また、初代館長・芹沢長介のコレクションより、藍絵のそば猪口を30点展示。
観覧者はほぼ私のみでした。なお、写真撮影は一切不可。館内ではハンドアウトもなし。HPには作品の写真もなく、情報量はかなりあっさり。
この展覧会の後援は、東北最大の新聞社で、展覧会のノウハウも十分にある河北新報社です。それならば、ただ作品を並べるのではなく、鑑賞者が家でもしっかり復習できる仕組みをつくるべきだと思いました。
以下、4章に分けて展示されていた作品の感想を記します。
第1章:芹沢銈介と沖縄
芹沢銈介が、染色に興味をもつきっかけになった、黄・赤・青など鮮やかな色に使った沖縄の紅型。そこから発想された作品が展示されていました。次に私が沖縄に行く機会があれば、沖縄県立博物館などで実際に紅型を見たいと思いました。
第2章:鎌倉・津村での生活
芹沢銈介は、61歳(1956年)で人間国宝に指定されました。その後、東京の工房に来客が増え、制作に集中できなくなったそうです。そこで1958年、神奈川県の津村(現在の鎌倉市津)にあった茅葺き屋根の庵を借りて、週の3日から4日は、一人暮らしをする生活を約10年続けました。
津村には自然がいっぱい。作品制作の大きな刺激になったようです。会場には、津村をモティーフにした素朴でカラフルな作品が並んでいました。
私もリモートワークをする際などに、一人でいることは重要だと実感します。集中して作業したり、考えている最中に一番困るのは、それが途切れること。「ねぇ、おとうさーん!」と呼ばれて席を立ったら、集中力は1/5程度になることもしばしば。
芹沢銈介が手仕事に集中しながら絵を描いたり、カッターで裁断している最中に「ピンポーン」とインターホンが鳴ったり、秘書から「お客様から電話が…」と言われることに嫌気が差したのは、想像に難くありません。
第3章:暮らしを彩る品々 芹沢染紙研究所
2003年、芹沢銈介の遺族から約8,000枚の型紙が、東北福祉大学に寄贈されたそうです(そんなにもらっても保管に困りそう…)。
芹沢染紙研究所とは、研究機関ではなく、和紙に模様を染めた作品を制作する工房です。芹沢銈介は現役時代、団扇の型紙だけでも400種類以上つくったらしいです。
会場には、型紙と実際の作品が隣同士で展示されていました。当初、切り絵のような作品だと思っていました。しかしそれに近づいてみると、余白部分は細かい網目になっており「あ、これはシルクスクリーンと同じや」と、型紙であることに気づきました。
▼ シルクスクリーンの仕組みを知った展覧会
会場内には、実際の団扇に加えて、扇子もたくさん展示されていました。最近は、ハンディファンの普及により、それらを見ることはかなり減りました。団扇や扇子のオリエンタルな佇まいには、改めて「趣があるなぁ」と感じました。
第4章:芹沢銈介の藍染のれん
この展覧会では、芹沢銈介の藍染のれんが最も印象に残りました。私はやはり、芹沢銈介の文字絵シリーズが1番好きです。漢字特有の「とめ・はね・はらい」が生き生きと表現されており、今見ても十分におしゃれでした。
近年「のれん」を見ることもめっきり減りました。のれん=お店の顔。「当時は、のれんを大切にしていたんやろうなぁ」と思いました。のれんを見たら、そのお店のセンスも透けて見えます。
芹沢銈介の長男・長介が集めた、そば猪口30点も展示されていました。彼はそば猪口を約1,000個も集めたんだとか。良いものを見抜く審美眼があったと思いますが「また買ってきたんか…、何個集めたら気が済むねん、さすがにディレッタンティズムの域やろ」と、保管する人の気持ちが乗り移りました(苦笑。
最後の部屋で、ポーラ伝統文化振興財団が制作した、芹沢銈介を紹介する動画『伝統工芸の名匠』が流れていました。鑑賞していたものの、全然終わる気配がしなかったので、途中で離脱。映像が何分あるのか、テレビの近くに掲出してほしいです。
▶︎ まとめ

いかがだったでしょうか?東北福祉大学のサテライト的な校舎にあるギャラリーだったため、小規模なものを想像していました。しかし、内容は充実していたことに加え、有料であるべきしっかりしたクオリティでした。仙台駅から歩いて約3分の好立地でサクッと楽しめるので、アートに少しでも興味がある人にはオススメです!
▶︎ 次回予告

次回は、愛知県へ家族で行き、アート鑑賞や野球観戦をした記録を投稿する予定です。
▶︎ 今日の美術館飯

▶︎ あなたにオススメ3選
1)宮城県美術館の感想
2)芹沢銈介の師匠・柳宗悦に関する美術館
3)noteの全リンク集(359件)
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