老若男女を魅了する歴史の系譜。 その贅沢さを味わうのはどう?
西新宿・野村ビルには結構名店が揃っている。
地下2階に僕もよく行く「つけ蕎麦 安土」や
「麺屋翔みなと」なんかもある。
その中でもとりわけ行列ができている有名なスパゲティ屋がある。
「SPAGHETTI KAKEHASHI 」
この野村ビルと同時に創業した「HASHIYA」。
その「ハシヤ」は2024年に閉店してしまった。
しかし、従業員の方々が変わらぬ味を守り続けようとして
その跡地にそのままオープンしたのが「カケハシ」だ。
従業員の方々の「ハシヤ」に対する想いを感じる。
スパゲッティ界隈ではハシヤ系と呼ばれる人気のある系列が存在する。
ルーツのタイプが家系みたいだが、
それは和風スパゲッティの系譜である。
歴史を深掘りすると、そもそもは「壁の穴」というお店に遡る。
「壁の穴」の前身である「Hole in the Wall」が
1953年(昭和28年)に中央区で創業した。
その5年後に「Hole in the Wall」を閉めて、
現在の渋谷に「壁の穴」というお店を立ち上げたのだ。
当時の日本はまだまだイタリアンには馴染みがなかった。
そこで日本人に合うように味付けや食材などの試行錯誤を繰り返し、
今では当たり前になっている和風スパゲティを誕生させた。
例えば今や定番のたらこスパゲティも
この「壁の穴」が考案したメニューだ。
そのため和風パスタの元祖と呼ばれることも多い。
その後「壁の穴」で働いていた方が
1972年に独立して代々木八幡に初代の「ハシヤ」を構える。
さらにそれからは「ハシヤ」で修行した人々が
各地で「ハシヤ」メニューを踏襲しながら
暖簾分けしてお店を開いていくという流れで広がっていったのが、
ハシヤ系というわけなのだ。
「ハシヤ」の名がつくところもあるが、
ほとんどは別の名前になっているので
ハシヤ系だと気がつかないまま
食べていることも多いのではないかと思う。
「ハシヤ」自体は閉店してしまったが、
ハシヤ系のお店は今も紡がれた歴史を踏襲し続けている。
「カケハシ」はその中でもまさに純粋なハシヤ直系である。
そんな「カケハシ」のメニューは和風をベースにしつつ、
それだけにとどまらない。
和風を代表するしょうゆ味、しょうゆバター味、たらこなどのバター味、
そこにミートソースやカルボナーラ風、トマトソース、ホワイトソースなどの元々のイタリアン方向のものもちゃんと展開している。

店内のおすすめのメニューには星マークがついている。
・おしょうゆ味なら海の幸と山の幸の2大スパゲティ。
・おしょうゆバターならアスパラとベーコン。
・カルボナーラはなんとキムチ入りというもの。
・バターはタラコとウニとイカ(またはタラコとイカ)。
・トマトソースは海の幸かナスとベーコンで、
唐辛子トマトソースにも変更できる。
あとおすすめにはなっていないが、
ミートソースにナットウが入っているものがある。
僕は食べたことないけど、これが旨いらしいのだ。
店内はカウンターとテーブルがあり、結構席数はある。
回転がいいかといえば、テーブル席でゆっくり食べる男女も結構いる。
ランチ的にはお店も回転して欲しいと思っていると思うけど、
それを許容する器の大きさもある。
なんなら酒を呑んでる人までいる。
ランチにこのハシヤ系を仕事での会食や
デートに使うのもありなんじゃない?
一度食べてみる価値はあるし、一つ語れるお店ではあると思う。
それでは人気メニューのうちの一品。
タラコとウニとイカ シソトッピング カケハシ@西新宿

この器のタラコスパっていうのがハシヤ系のスタイル。
見たことある人は多いんじゃないだろうか。
ハシヤ系でなくてもこの木の器を採用している店は多い。
歴史が古いからみんな真似したんだよね。
僕が大学時代バイトしてた西麻布のイタリアンも
明太子スパはこの器だった。
味は濃厚の一言!
タラコとウニそのものもねっとりするが、
そこにバターを加えているから
なおのことかなりねっとりしている。
またイカはイカ刺しみたいな食感でとても旨い。
ねっとり系に時折現れるイカ!
旨いのだ!
特徴的なのはこのスパゲッティの麺そのもの。
1.8mmくらいの太麺がもっちもちなのだ。
この麺がとても旨い。
おそらくギリギリのアルデンテ。
僕はアルデンテ疑問派なのだけど、
ここのはしっかり茹でられていて芯は感じない。
もちもち感が最大になる茹で加減といえばいいのだろうか?
茹ですぎにも、茹で不足にもならない絶妙な加減。
すごく旨い。

僕の好みで言うとタラコとイカだけでよく、
ウニはいらない気がする。
なんとなく瓶詰めウニみたいな臭みっぽいのを感じてしまうから。
(これは個人的な感覚かも。好きな人はいっぱいいるので)
ねっとり感は確かにウニのおかげで倍増するのだけど、
タラコ感が潰されている気もする。
とはいえ、まあ、旨い!
このメニューが人気ある理由もわかる。
あと、しそは好みによるとは思うけど、僕はアリがおすすめ。
ねっとりもちもちすぎるので、
海苔と同様にちょっと香りのアクセントになって食べやすい気がする。
食べてみて思ったが、この店は好みが分かれる気がする。
バターたっぷりなので、濃厚なのが年齢的にきつい人もいる気がする。
僕自身も牛豚鶏の脂は平気なのだけど、
バターやチーズの乳製品の脂は重めに感じる方なので、そう思った。
また、味が濃いというかしょっぱめなので、それも好き嫌い分かれそう。
(※これはオーダーの時に加減を伝えると調整してくれるみたいです)
なので、すごい好きか、そうでもない(あんまり好きじゃない)かに大別されるんだろうなと思った。
比較的若い人の方が好きな感じだと思う。
あともう一つメニューを紹介。
もちろん別日ですよ。
一度にそんなに食えないからね!
ミートソースは僕の大好きなメニューなので、頼んでみることにした。
ナットウではなく、ノーマルで。
ミートソース

麺がバターで炒められている。
その上にミートソースがかけられているので、
これまためちゃくちゃ濃厚!
さらにミートソースには
椎茸やしめじなどのきのこがふんだんに入っていた。
それが旨みにもなっている。
僕は椎茸あまり好きじゃないのだけど、そんなに気にならなかった。
ちなみに胡椒とかタバスコは卓上にあるのだが、
追加パルメザンチーズは別途注文しなければならない。
もちろん元々ミートソースの中にはパルメザンチーズも結構入っているけど、テーブルにパルメザンがないのって、逆にパスタ屋では珍しくない?

ミートソースも濃厚で旨いのだけど
味はやっぱりしょっぱい。
その分、ジャンクさはアップしている。
そこでなるほどと思った。
これに納豆入ってたら味のバランスがさらに良くなるのかも。
今度は納豆入りを食べてみたいと思った。
テーブルもカウンターもそれなりに席数はあるが、
店内は常に満席状態。
老若男女問わずの客層。
で、女性も割と大盛りを頼んでいる方が多い。
どれも結構濃厚っぽいんだけど、みんなよく食べれるなぁと感心する。
問題は、ちょっと値段が高いこと。
それでも「壁の穴」から始まるハシヤ系の
歴史的味を愉しめると考えると悪くないのかな。
一度食べてみる価値があるパスタだとは思う。
しょうゆ系やキムチカルボなど
まだまだ魅力的なメニューがたくさんある。
僕にぴったりの一品を探し当てたい気がしてきた。
この豊富なメニューで僕のドンピシャを見つける楽しみがあるというのも
ここに通ってしまう理由の一つかも。
ちょっと高いのだけど、また通ってしまうんだろうな。
ごちそうさまでした。
