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内定した。でも正式採用はまだ。大学教員になるまでの最後の1ヶ月

2月ごろ、大学から電話がかかってきました。

「内定のお知らせです」

やった。
本当に大学教員になるらしい。

ところが、話を聞いていると少し様子がおかしい。

「幹部会で内定が出ました。ただ、正式な採用決定は3月上旬の教授会になります」

ん?

4月1日に着任するのに、正式に決まるのは3月?

会社員の転職しか経験していなかった私には、ここからすでに大学業界がよく分かりませんでした。

内定した。でも雇用条件はまだ分からない

この時点で分かっていたのは、

4月1日から大学で働く

ということくらいでした。

具体的な給与などの雇用条件は、まだ分かりません。

会社員の転職なら、

条件提示

内容を確認

入社を決める

という流れが普通だと思います。

でも今回は、

内定は出た。
正式採用はまだ。
条件もよく分からない。
でも4月1日には来てください。

そんな状態でした。

今なら、幹部会で内定が出た段階で、採用される可能性はかなり高かったことも分かります。

でも当時の私は、「幹部会」と「教授会」の違いすら知りません。

とりあえず、

たぶん採用されるんだろう。

そのくらいの理解でした。

正式採用前なのに、引っ越し準備は始める

今回は県外への引っ越しも必要でした。

正式採用が決まるのは3月上旬。でも着任は4月1日です。

正式決定を待ってから部屋を探していたら間に合いません。

そこで、まだ正式採用ではない2月のうちから物件探しを始めました。

「たぶん採用されるはず」と思いながら、先に引っ越し準備をする。

会社員の転職ではあまり経験したことのない、不思議な状態でした。

内定したら、今度は「90分」が怖くなった

そして、もう一つ急に現実味を帯びてきたものがあります。

授業です。

採用されるまでは、

「大学教員になれるのかな」

と考えていました。

ところが内定した瞬間から、

「本当に90分も授業できるの?」

に悩みが変わりました。

90分ですよ。

会社員時代にも、人前で説明したり研修をしたりする機会はありました。

それでも、大学の授業を毎週90分やるとなると話は別です。

「途中で話すことがなくなったらどうしよう」

「学生が全然反応してくれなかったら?」

「そもそも90分って、何枚くらいスライドを作ればいいんだろう?」

内定をもらって安心するどころか、今度は授業のことで頭がいっぱいになっていました。

採用されることと、実際に先生をやることは別なんですよね。

3月、ようやく正式採用

3月上旬、大学から再び電話がありました。

教授会で、正式に採用が決まったとのこと。

これでようやく、

「本当に4月から大学教員になる」

ことが確定しました。

とはいえ、そのころには引っ越し準備も授業の心配も、すでに始まっています。

正式採用が決まってから準備を始める、という順番ではなかったんですよね。

そして4月1日、本当に「先生」になった

4月1日。

この日から、肩書き上は大学教員です。

午前中には辞令交付と入学式。

同じタイミングで採用された先生も何人かいました。

先輩の先生たちを見ながら、

「こうすればいいのかな」

と、みようみまねで一日を過ごしました。

かなり緊張していたので、正直、細かいことはあまり覚えていません。

しかも実は、

大学教員になった初日から、ちょっとした失敗をしています。

肩書きは4月1日を境に「先生」になりました。

でも、自分自身が4月1日の朝に突然「先生らしく」なるわけではありません。

会社員だった自分が、そのまま大学という知らない世界に入っていった。

当時は、そんな感覚だった気がします。

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