大学教員って、研究に使えるお金をいくら持ってる?
大学教員になってから、初めて知ったことがあります。
大学教員には、自分で使える「個人研究費」がある。
私は大学教員になるまで、そんな仕組みがあることすら知りませんでした。
それを最初に実感したのは、研究のために本を買ったときでも、学会に参加したときでもありません。
研究室のプリンターでした。
「インクは研究費で買ってください」
着任してしばらくした頃、研究室に置いてあるプリンターのインクがなくなりました。
当然、大学の備品なので、事務局からインクをもらうものだと思っていました。
ところが聞いてみると、
「個人研究費で購入してください」
とのこと。
へええーー。これ、自分のお金で買うんだ。
正確には自分のお金ではなく、自分に割り当てられた研究費です。
大学教員には、それぞれ研究活動のための予算があり、その範囲で必要なものを購入します。
研究室のプリンターを使うためのインクも、その中から出す。
会社員時代にはなかった感覚でした。
初めて「自分専用の予算」を持った
会社員時代にも、もちろん経費を使うことはありました。
支店長をしていた頃には、支店の経費を使う立場でもありました。
ただ、それはあくまで「支店の予算」です。
自分個人に、
「これはあなたの研究活動に使う予算です」
と割り当てられた経験はありませんでした。
なので、大学教員になって個人研究費を持ったときは、ちょっとした高揚感がありました。
「何に使おうかな」
という感じです。
とはいえ、大学教員1年目。
いきなり自由自在に使えるほどの度胸はありません。
書籍を買うときも、学会関係の費用を払うときも、
「こういうものに使って大丈夫ですか?」
と、最初は事務局に確認してから使っています。
かなり安全運転です。
今のところ、主に専門書や専門雑誌、学会関係の費用など、どう考えても研究に必要そうなものにしか使っていません。
少しでも迷うものは、自腹で払っています。
お金は、後から現金でもらう
もう一つ驚いたのが、精算方法です。
私の場合、まず自分で立て替えます。
その後、紙の経費申請書を書いて、領収書などと一緒に経理へ提出します。
すると後日、精算したお金を現金で受け取ります。
会社員時代には振込や法人カードで処理することが多かったので、
「現金なんだ」
と、ここでも少し驚きました。
大学は意外と紙と現金の世界が残っています。
研究旅費は、会社員時代よりずっと少ない
研究費とは別に、学会などに参加するための研究旅費もあります。
こちらについては、最初に聞いたとき、
「思っていたより少ないな」
と感じました。
飛行機を使って遠方の学会に何度か参加すると、ほぼ使い切ってしまうくらいです。
これは、会社員時代との違いをかなり感じました。
私は金融機関で企画の仕事をしていた頃、カンファレンスへの参加や打ち合わせ、フィールド調査のような出張が比較的多くありました。
数か月に一度くらい飛行機に乗って出張することも、それほど珍しくありませんでした。
なので、
「大学教員になったら、学会や研究で全国を飛び回るのかな」
と何となく思っていたのですが、予算だけを見ると、むしろ会社員時代の方がずっと出張しやすかったです。
もちろん、大学や職位によって制度は違うでしょうし、外部の研究費を獲得している先生もいます。
ただ、少なくとも私の場合は、
行きたい学会に全部行ける、という感じではありません。
どこに参加するかは考える必要があります。
「研究する人」には、研究するためのお金が付く
大学教員になって面白いと思ったのは、単に研究費がもらえることではありません。
大学という組織では、
教員個人が研究活動をする主体として扱われている
ということです。
本を買う。
専門雑誌を読む。
学会に参加する。
研究室で使うものをそろえる。
そうした活動のために、自分専用の予算が用意されている。
会社員から大学教員になった私には、この仕組みそのものが新鮮でした。
とはいえ、今のところは、
「これ、本当に研究費で買って大丈夫ですよね?」
と事務局に確認しながら使っています。
個人研究費を使いこなせるようになるには、私の場合、もう少し時間がかかりそうです。
大学教員の働き方については、こちらの記事でも書いています。
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