評価が5と10に割れた日:「全員に受ける」は褒め言葉ではない
5と10に割れたアンケートを前に
8月、とあるセミナーを開催しました。
終了後、アンケートを回収して数字を眺めていたときのことです。10点満点で評価をつけていただいたのですが、10をつけてくださった方がいる一方で、5をつけた方もいました。
全体としては、概ね好評と言っていい結果でした。それでも、5という数字はやはり目に入ります。
正直に言えば、少しショックでした。準備には時間をかけましたし、伝えたいこともはっきりしていたつもりです。それでも届かない人がいた…
その場で自分に言い聞かせた理屈もあります。
全員に受ける話など存在しない。
ビジネスで戦略を立てるというのは、要するにターゲットを絞るということです。絞れば、絞った外側にいる人には響かない。
だから割れるのは当たり前だ、と。
この理屈は、間違ってはいないと思います。
ただ、正しい理屈で自分を慰めることと、その日に何が起きたのかを直視することは、まったく別の作業です。前者だけで終わらせると、次も同じことが起きます。
この記事は、その「直視」の記録です。セミナーの話として書いていますが、中身は自社の商品やサービスをどう設計するかという話に、そのままつながっています。
評価が割れないサービスは、実は危ない
まず、正しいほうの理屈から書きます。
評価が割れるのは、悪いことではありません。むしろ、割れないほうが危ない。
想像していただきたいのですが、参加者全員が7点をつけたセミナーがあったとします。低評価はひとつもない。
クレームもない。主催者としては、ひとまず安心できる数字です。
しかしそれは、その場にいた誰の中にも、強い引っかかりを残さなかったということでもあります。「悪くなかった」で終わり、月曜日には忘れられている。
誰の行動も変えていない。
これは、中小企業の商品やサービスでも同じことが言えます。
「うちの商品は、お客様の評判は悪くないんです」
この言葉を、私は何度も聞いてきました。診断士として、あるいはコンサルタントとして中小企業に入らせていただくと、必ずと言っていいほど出てくる表現です。
ただ、「悪くない」は、実は一番動かない状態です。
強く支持する人がいない商品は、最後は値段でしか比べられません。品質もサービスも、それなりに良い。
だから他社と並べられたとき、決め手が価格しか残らない。多くの中小企業が価格競争に巻き込まれる原因は、品質が低いからではなく、「悪くない」の位置に留まっているからです。
尖っているというのは、誰かにとって「これじゃないと困る」になっている状態を指します。そして、その状態をつくれば、必ず「自分には合わない」という人が出てきます。
熱狂と、拒否。この2つはセットでしか手に入りません。
片方だけを取ることはできない。
だから、評価が割れたという事実そのものは、恥じることではないはずです。
割れ方には2種類あります
ここまでは、よく言われる話かもしれません。
私がその日、家に帰ってから考え続けたのは、その先でした。「割れたから健全だ」で片づけていいのか、ということです。
というのも、割れ方には2つの種類があるからです。
ひとつは、健全な割れ。狙った層には強く刺さり、狙っていない層には刺さらなかった、という割れ方です。
設計どおりに尖らせた結果として起きる割れであり、これはむしろ成功に近い。低い点数は、絞り込みが機能している証拠になります。
もうひとつは、不健全な割れ。届けたい相手にきちんと届いたうえで低評価が出たのではなく、そもそも届ける相手を間違えていたために出た低評価です。
中身の問題ではなく、入口の問題。
この2つは、アンケートの点数を眺めているだけでは区別がつきません。平均点も、点数のばらつきも、同じような数字になり得るからです。
見分けるために必要なのは、たったひとつの問いです。
低い点をつけたのは、誰か。
狙った層の中に低評価が混じっているなら、それは中身の問題です。届けたい相手に届いていない。
ここは真剣に作り直す必要があります。
一方、低評価が狙っていない層に集中しているなら、それは入口の問題です。中身は悪くないのに、届く前のところで勝負がついている。
そして、私の場合がどちらだったのかというと…
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成果を出す人の、思考と行動
「いつも忙しいのに成果が出ない」「あの人はなぜ次々と結果を出すのか」「自分の仕事の質をもっと上げたい」...成果を出したいビジネスパーソン…
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