27年前の人面魚に、ようやく時代が追いついた
少し前に、ChatGPTと話していて、
「地頭って、結局なんなん?」
という話になった。(唐突)
ヤフーニュースの記事に地頭のことが書かれてて、最近の会話でよくこの単語が出てくるけどちゃんと理解できてないなと思って。
その流れで「メタ的に考える」の“メタ”って何?となり、
さらにそこから
「そういやメタバースってどうなった!?」
という話になった。
我ながら話が飛びすぎである。(「メタ的」からの「メタバース」ね)
メタバースってAIが発達した今なら、より楽にもっと面白いゲームや仮想空間がつくれるじゃん。
……と考えていたところで、急に思い出した。
今の技術を使ってシーマンに会いたい!!
ChatGPTの時代に、なぜあの人面魚がいないのか
たぶんこの時点で、
「シーマン?」
となっている人もいると思う。
ここからしばらく、40歳のおじさんが27年前にタイムスリップします。(笑)
『シーマン ~禁断のペット~』が発売されたのは、1999年7月29日。
今から27年前。
当時の僕は13歳、中学1年生だった。
……27年前!?
こわ。
時間(とき)の流れこわ。
当時の僕はバリバリのゲーマーで、SEGAのドリームキャスト(通称:ドリキャス!)で『ソニックアドベンチャー』や『シェンムー』、そして『シーマン』にめちゃくちゃハマっていた。
ドリキャスをどうやって手に入れたのかも覚えている。
地域振興券である。
小渕首相の時代に配られた、あれ。
母子家庭だった我が家で、オカンが地域振興券を使ってドリームキャストを買ってくれた。
今回この記事を書くために調べてみたら、当時15歳以下の子どもについては、1人につき2万円分の地域振興券が交付されていた。
そしてドリームキャストは1999年6月24日に、29,800円から19,900円へ値下げされていたらしい。
地域経済の振興先をSEGAに全振り。
ありがとう、オカン。
ありがとう、小渕政権。
そしてあのハードを、当時2万円で買えてた時代もすごい。
大丈夫?若い子、息してるー?(笑)
夏休みの自由研究は「シーマン成長日記」
シーマンをどうやって知ったのかは、正直もうあまり覚えてない。
たぶん当時読んでいたファミ通なんかで知ったんだと思う。(ファミ通も懐かしいな)
シーマンを題材にしたフィクション小説まであって、結構真剣に読んでいた記憶がある。
そして、どれくらいハマっていたかというと、
中学1年生の夏休みの自由研究が「シーマンの成長日記」だった。笑
毎日世話をして、温度を調整して、餌をあげて、話しかける。
それでも思うように成長してくれない。
原因不明で死ぬ。
また育てる。
しかも、兄が勝手にプレイして水槽の温度を変えたりする。
そして、全滅。
泣いて兄と喧嘩したこともあったな。
40歳になって振り返ると、
「あの頃って、本当に目の前で起きていることがすべてだったんだなぁ」
と、ちょっとしみじみする。
シーマンの成長が全部、一大事だった。
シーマンって、実はめちゃくちゃ先取りしてた?
今になって改めてシーマンについて調べてみて、驚いた。
1999年のゲームなのに、
マイクに向かって話しかけて、ゲームの中の生き物と会話する。
ということを、普通にやっていたのである。
しかもシーマンは、こちらに媚びない。
むしろ態度が悪い。
当時の音声認識はもちろん今ほど高性能ではなかった。
でもシーマンは、音声認識がうまくいかないことすらキャラクター性に変えていた。
普通なら、
「認識できませんでした。もう一度お話しください」
となりそうなところを、シーマンなら
「何言ってんの?」
「もっとちゃんと喋れよ」
という方向に持っていく。
音声認識の弱点を、
「シーマンの性格が悪い」
という仕様にしてしまったのである。
これ、今考えてもすごくない?
実際、開発の出発点から「かわいいペット」とは逆方向で、人間を毎日見ている魚なら「何見てんだよ!」くらい言うだろう、という発想があったらしい。
技術的な弱点を謝るのではなく、
ユーザーのせいにする。
1999年に。
攻めすぎである。
ただし、今の生成AIとは全然違う
もちろん、当時のシーマンの中にChatGPTのような生成AIが入っていたわけではない。
大ざっぱに言えば、
プレイヤーの言葉を音声認識する。
↓
あらかじめ想定された言葉を判別する。
↓
膨大に用意された会話パターンの中から返答する。
という仕組みだったそう。
つまり、本当にその場でシーマンが返事を“考えて作っていた”わけではない。
それなのに当時の僕たちは、
「こいつ、俺と喋ってる……!」
と思っていた。
生成AIがない時代に、人力のシナリオとゲームデザインで、
「人工知能みたいな生き物と暮らしている感覚」
を作っていたのである。むしろそっちの方がすごい!
ドリームキャスト自体も、モデムを標準搭載してネット接続に挑戦していた。
シェンムーもあった。
ビジュアルメモリなんてものまであった。(懐かしすぎ)
改めて考えると、
SEGA、ちょっと未来に行きすぎてたんじゃないか。
と思う。
シーマンは、カエルになる
シーマンのゲーム内容も、結構ぶっ飛んでいて、
人面魚を育て続けると、成長して、交尾して、卵を産む。
その卵から今度はおたまじゃくしのような生き物が生まれ、
最終的には、
人面ガエルになる。🐸
なんでやねん。
でも当時の僕は、それを大真面目に育てていた。
最終形態のカエル(フロッグマン)まで育つと、やがて水槽の外へ出ていく。
27年前の記憶なので、一言一句は覚えていないけど
ゲームの最後の方で「育ててくれてありがとなぁ」みたいなことを言われた記憶も、今でもぼんやり残っている。
あんなに口が悪かったはずの奴に最後にそんなこと言われたら、そりゃ覚えてるよね。
2026年の技術でシーマンを作ったら、どうなる?
ようやくここからが本題。
今の生成AIを搭載してシーマンを作ったら
絶対面白くない??
まず、シーマンの人格をきちんと定義する。
皮肉屋で、ちょっと上から目線。
人間の矛盾を見つけるのが得意。
こちらに媚びない。
何でも肯定しない。
でも、ただ感じが悪いだけではダメ。
普段は、
「またその話?」
「去年も同じこと言ってなかった?」
「それ俺に聞くことか?」
くらい余計なことを言ってくるくせに、
でもユーザーが本気で悩んでいるときには、
最後はちゃんと向き合ってくれる。
お笑いでいうと、ぺこぱ的な着地。
ツッコむ。
皮肉も言う。
でも最後の最後では、相手そのものは否定しない。
そんな、ちょっと愛のある人面魚がいい。
さらに絶対に欲しいのが、
長期記憶。一緒に過ごした記憶が、全部蓄積されていく。
半年前に仕事を辞めたいと言っていたら、
半年後に、
「お前、まだ辞めてなかったの?」
と言われる。
旅行の計画ばかり立てていたら、
「計画立てるの好きだな。で、いつ行くの?」
と言われる。
毎日ちゃんと世話をしていれば、少しずつ態度が変わる。
逆に放置していれば、
めちゃくちゃ根に持つ。
そして、育てる人によってシーマンの性格まで変わっていく。
よく愚痴る人のシーマン。
よく旅行する人のシーマン。
ゲームばっかりする人のシーマン。
27年前はゲーム側が用意した成長ルートを進んでいった。
現代版では、
身体だけじゃなく、人格そのものが育っていく。
たぶん今時のゲームじゃ育てた人の性格によってくキャラの特性が変わってくなんてのはざらにあるかもだけど、シーマンにも実装されたら面白いと思うんだよなぁ。
レベルや経験値ではなく、
一緒に過ごした時間そのものがセーブデータになる。
「おでかけシーマン」も欲しい
基本は据え置きゲームでいい。
家では大きな水槽でシーマンを育てる。
でも出かけるときはスマホへ。
昔のビジュアルメモリやポケットステーションみたいに、
シーマンを連れて歩ける。
旅行先でスマホを開けば、
「高知まで来て魚見てんの? 俺も魚だけど?」
とか言われる。
家に帰ったら、
「昨日ずいぶん歩いてたな」
とか言われる。
カメラを見せたら、その場について喋る。
位置情報や天気も分かる。
さらに、もしユーザー本人が許可した範囲で、普段使っているAIサービスなどから自分の情報を引き継げるようになったら、
最初からある程度、
「自分のことを知っているシーマン」
を育てることだってできるかもしれない。
これはもうゲームというより、
生活の中に住み着くキャラクター
に近い。
ソフトウェア更新で、何年でも育てたい
そして現代版なら、発売して終わりじゃなくていい。
アップデートで、会話が増える。
新しいイベントが増える。
新しい場所へ行ける。
シーマンの知識も増える。
季節の話題もする。
数年後には新しい進化形態が追加されるかもしれない。
生成AIなら、同じ質問をしても毎回まったく同じ答えが返ってくる必要もない。
27年前は、シーマンの「人生」がゲームソフトの中に収まっていた。
今なら、
何年も一緒に暮らすシーマン
が作れるんじゃないだろうか。
ゲームをクリアする、というより、
ただ一緒にいる。
そういうゲームがあってもいい。
27年前の自由研究の続きをやりたい
1999年。
13歳の僕は、夏休みの自由研究でシーマンの成長日記をつけていた。
そして2026年。
40歳になった僕は、ChatGPTと話していたら、
なぜか最終的に
令和版シーマンの企画を考えている。
人生、何がつながるか分からない。(笑)
でも調べれば調べるほど思う。
シーマンはやろうとしていたことが27年早すぎたゲームなんじゃないか。
人間と会話する。
人間のことを覚える。
生き物のように振る舞う。
こちらに媚びず、ときには余計なことまで言う。
1999年には、それを膨大なシナリオとゲームデザインで実現していた。
今は生成AIも、高精度な音声認識もある。
インターネットなんて、もう当たり前にある。
だったら。
育てたいよね、シーマン!
シーマンの中の人に届かんかなぁ!!
据え置きでもいい。
スマホでもいい。
クラファンでもいい。
普通にお金出します。推し活ってやつ。
13歳のときは夏休みの自由研究だったけど、
40歳になった今、人生の自由研究としてもう一度育てたい。
だからお願いします。
令和の技術で、もう一度あの人面魚に余計なことを言われたいなぁ。
