斜に構えてきた人生。
斜に構える・・・物事に真正面から向き合わず、皮肉やからかい、冷めた態度で臨むこと
反省、斜に構えてきたぼくの話。
学生時代のぼくは、まさにこの“斜の角度”で生きていた。 自分の好き嫌いじゃなくて、 “誰かの好き嫌い”を基準に物事を選んでいた。人からどう見られるかがすべてで、どういう人間だと思われたらかっこいいか、ダサくないか。そんなことばかり考えていた。
若気の至りの真っ盛り。
まっすぐ向き合うことが怖くて、斜に構えることで自分を守っていたんだと思う。
でも、あるとき価値観ががらっと変わった。
俺はこういうスタイルなんだ。 お前のスタイルも教えてくれよ。 そんな空気の中に、たまたま身を置くことができた。
「Style is everything . 」
その瞬間から、ぼくの人生の角度が変わった。
斜に構えたきた学生時代。
本気を出さないのがかっこいい、
本気になっているのが恥ずかしい。
本気を出さないことで、“負けたことにしない”ための逃げ道を作っていた。
好きなものを「好き」と言えない。
やりたいことを「やりたい」と言えない。
そんなふうに、斜に構えることで 自分の世界をどんどん狭めていた。
あの頃のぼくは、 “傷つかないためのスタイル”を 必死に守っていたんだと思う。
スタイルを持つ大人たち。
大学時代に、スケートボードやサーフィンを楽しむ大人たちと出会った。 一緒に遊ばせてもらっているうちに、 みんなそれぞれのスタイルを持っていることに気がついた。 服の好みも、遊び方も、働き方も、価値観も、全部ちがう。 でも、その“ちがう”がぶつかるんじゃなくて、 一緒にいる空間がとにかく心地よかった。
自分のスタイルがあるから、 相手のスタイルも尊重できる。 そんな当たり前のことを、 その人たちの背中から初めて知った気がする。
みんな違うんだけど、 同じ場所で笑っているその感じが、 何よりかっこよかった。
ぼくが「style is everything」に出会ったのは、 まさにこの頃だった。
スタイルを見失った新卒社会人。
でも、その感覚は社会に出てから少しずつ薄れていったしまった。
大学時代に出会った“スタイルを持つ大人たち”の背中は、 社会に出た途端、どこか遠いものになってしまった。 大企業に就職して、組織のルールに合わせて、 評価や数字に追われる毎日を過ごしているうちに、 自分のスタイルより“正解っぽい選択”を優先するようになった。
営業マンとして、忙しいことが強さだと思っていたし、 予定が埋まっている自分がどこか誇らしかった。 学生時代に手放したはずの“斜の角度”に、 気づけばまた戻っていた。
「style is everything」なんて言っていたのに、 いつのまにか、 誰かの基準で生きるクセがまた顔を出していた。
スタイルを取り戻す生活。
那須塩原に移り住んでから、 大学時代に感じていた“スタイルのある生き方”を 少しずつ思い出すようになった。
自然のリズムで一日が進んでいくこと。 家族と3食を一緒に食べる生活。 ゲストハウスの仕事も、店の仕事も、 自分のペースで積み重ねていく働き方。 誰かの基準じゃなくて、 自分の好き嫌いで選んでいいという感覚が、 生活の中でゆっくり戻ってきた。
忙しさを誇る必要もないし、 正解っぽい選択をする必要もない。 ただ、自分のスタイルで生きればいい。 大学時代に出会ったあの言葉が、 ようやく現実の生活に馴染んできた。
自分のスタイルが確立されつつある今、 他人のスタイルにも自然と理解ができるようになった。 それぞれが思うかっこよさがあって、 それぞれの生活があって、 その人なりの選び方がある。
自分のスタイルがあるからこそ、 他人への理解が深まる。 だから、あの頃海辺で出会った大人たちは あんなにもかっこよかったんだと思う。 みんな違うのに、同じ場所で笑っていられるあの感じ。 あれは“スタイルを持つ人たち”の空気だった。
斜に構えていたあの頃のぼくに伝えたい。
そのスタイルの無さが、一番ダサいぞ、と。
まあ、そんな若気の至りを経験して今があるんだけどね。
そんな話。
筆者:KODAI
― 那須に暮らすふつうの人。
2019年、東京→日光へ移住、翌年より那須へ。
「那須の“もったいない”瞬間をゼロにする」をモットーに、株式会社ロスナクスナスを設立。
山のゲストハウスと、街の自然食品店を営んでいます。
