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【エッセイ】 夏を振り返って

今年の夏は例年よりも涼しかったと個人的には思う。
というのも、雨が降ったり曇り空が多かったからだ。こんなに過ごしやすい夏はそうない気がする。特に温暖化が叫ばれている昨今においては。

夏らしいイベントといえばお祭りや花火、プールなどが浮かぶが、今年はどれも行かなかったしやらないまま8月が終わった。部屋の掃除やら仕事に追われて気がつけば9月である。涼やかになった気温を肌で感じながら、秋の香りをうっすら察する。この夏から秋に変わる絶妙な空気が瓶に詰め込まれていたらいいのに。変わり目の空気が好きだから。

最近、買いたいものがめっきり減った。買い物自体に疲れてきたといってもいい。20代の頃は服が欲しいとか、本が欲しいなど「〇〇が欲しい」という欲求があったのに、今はほぼない。靴下に穴が空いたから新しいのが欲しいとか、メガネの度が合ってないから新しくしたいといった消耗品に対する買い替えこそ「欲しい」と思うのに、それ以外について(それこそ本とか雑誌とか雑貨など)に対する関心がなくなってしまった。何だろう、これ以上モノを増やしても意味がないなとか、終活を思うとそれこそ手放すべきではないかとか、そんなことばかり考えてしまう。
「娯楽として楽しむ」ための消費が減って、より「必要だから買う」に意識が移行している。そして、その「必要」に対するハードルも以前より上がって、自分の中での線引きが明確化してきたように思う。だから、必要じゃないと思うものは容赦なく捨てているこの頃である。

「捨てた分だけ新しいものが入ってくる」とはよく言うもので、その通りに新しいものが入ってきた。
あれだけ何も興味がなくなって平坦だった日常に、友人が新しい考えをもたらしたのだ。きっと、捨てた分だけ新しい縁と繋がったんだと思う。
彼女は趣味にこそお金をかけるべきだと豪語し、何でもいいからやってみたいと心に燻っている思いは叶えるために動くべきだと主張した。
話を聞いた私は自分の中に燻っている思いを紙に書き出し、改めて俯瞰したところ園芸をもう少しやってみたいと気づくことが出来た。
こうして、野菜や果物の苗・園芸用のエプロン、手袋など、新たなモノを購入し、今では園芸スペースが拡張されている。世話の甲斐あって、今年はブルーベリーがちょこちょこ実ることができたのも嬉しさを増す出来事だった。
誰かに言われた言葉を元にそのまま行動に移す
この「行動に移す」までが今までの私だと全然出来ていなくて、心の奥底で「どうせ私は無理」だとか「私にはやれない」なんて言い訳ばかり立ててしまっていた。
でも、今回は勢いでえいやっと動いてみたことで世界が違って見えた。
何でもやってみること、なんてよく言うけれど、本当にそうだと心から思う。私はまだまだわかっていないことが多い。
一口食べたブルーベリーはちょっと酸っぱかったけれど、次に向けて改善していきたい。


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