60平米の賃貸暮らし。物を減らしても「防災用品」だけは減らさない理由。
我が家は、家族3人暮らしで60平米の賃貸住まい。 普段の持ち物は最小限に抑え、すっきりとした暮らしを心がけています。
そんな暮らしを発信していると、時々こう聞かれることがあります。 「物を減らしているなら、防災用品も少なめにしているんですか?」
答えは、「いいえ、絶対に減らしません」です。
我が家には、家族3人が最低1週間は自宅避難できる備蓄と、緊急時に背負って逃げるための「持ち出し用防災リュック」を3人分、しっかりと備えています。
不安が募るあまり、あれもこれもと買い込みすぎて家が物でパンクしてしまう……。 そうなってしまう原因は、「日常のストック品」と「非常用の防災用品」をごっちゃに考えてしまっているからかもしれません。
今回は、限られた広さの賃貸でも無理なく両立できる、我が家の「備えのルール」についてお話しします。
日常のストックは最小限。「お店を我が家の倉庫」と考える
まず、トイレットペーパーや洗剤などの「日常のストック品」について。 ここは徹底して最小限にしています。
なぜなら、ストック品は家に置いていなくても、近所のスーパーやドラッグストアに行けばいつでも手に入りますし、ネットで注文することもできるからです。
もちろん、災害時にも必要になるトイレットペーパーなどは、家族が困らない量を確保しています。
ただ、「安いから」「送料無料になるから」という理由で、必要以上の日用品を何か月分も抱えることはしません。
平常時に簡単に買い足せるものは、「なくなる前に買う」程度。お店やネット通販も、我が家の外にある大きな倉庫のように考えています。
「ストックを抱えすぎない」と決めると、無駄に家の収納スペースを圧迫することもありませんし、古い在庫を溜め込んで劣化させてしまうこともありません。
実はこれ、過去の苦い失敗から学んだことです。
3年前、ネットの買い回りセールでポイントを貯めるために、キッチンペーパーを大容量のダンボール箱でまとめ買いしてしまいました。 届いた瞬間、あまりの大きさに「やってしまった……」と愕然。
結局、その後の引越しのときにも使い切れずに新居へ運び込み、3年経った今でもまだ8個以上残っています。貴重な収納スペースを占領し続けているのを見るたびに、本当に反省しました。

それ以来、日用品は「安いから買う」ではなく、「我が家が使い切れる量だけ持つ」を基準にしています。
防災用品は別枠。「靴箱の半分」を定位置に
一方で、「防災用品」は全く別の扱いです。 災害が起きた瞬間、お店は閉まり、物流も止まります。「何かあったときに家にないと命に関わるもの」だからこそ、ここは絶対に削りません。
限られた賃貸のスペースの中で、我が家は以下のように工夫して備えています。
1. 靴箱の半分を「防災スペース」にする
靴の数を厳選しているため、我が家は靴箱の半分がまるまる空いています。そこに長期保存の水や非常用トイレ、防災グッズをまとめて保管しています。玄関のすぐそばにあるため、いざという時の動線としても最適です。

2. 食料は「ローリングストック+長期保存」
普段食べるレトルトや缶詰、パウチ食品を少し多めにストックし、日常の中で消費しながら買い足す「ローリングストック」をキッチンで行っています。 水とスープだけは、賞味期限の長い防災専用の長期保存品を用意しています。

多めに保管しています。
3. 防災リュックは「3月と9月」に入れ替え
私の持ち出し用リュックは、趣味で使っている「登山用リュック」を兼用しています。家族の分は別途用意し、合計3個。 中身は毎年「3月(東日本大震災の時期)」と「9月(防災の日)」の年2回、定期的に見直します。
3月の見直し: 夏用の冷却シートや熱中症対策グッズをイン
9月の見直し: 冬用の防寒着やカイロ、アルミブランケットをイン

季節に合わせて中身をアップデートすることで、「いざ背負ったら使えなかった」を防いでいます。
物を減らしたからこそ、「命を守る備え」ができた
かつて家の中が物で溢れかえっていた頃は、正直なところ防災にまで頭が回りませんでした。 どこに何を置けばいいかも分からず、ただ漠然と地震のニュースを見ては不安になっているだけだったのです。
でも、不要な物を手放して暮らしの枠を整えたことで、ようやく「防災用品を置くためのスペース」と「備えるための心の余白」が生まれました。
現在、我が家では置く家具をできるだけ「背の低いもの」に統一し、どうしても高さのある家具には突っ張り棒などの耐震グッズで固定しています。 また、食器棚も引越しのタイミングで、揺れを感知すると自動で扉にロックがかかり、棚板が少し奥に傾斜している「地震に強いタイプ」を選びました。

突っ張り棒でがっちり固定。食器も最小限に。

本の飛び出しを防ぐバー付き
不安を「物」で埋めるのではなく、「仕組み」で備える
防災のために大切なのは、不安に任せて闇雲に便利グッズを買い集めることではありません。
日常のストックは引き算して、家を広く使う
浮いたスペースで、本当に必要な防災用品をしっかり確保する
定期的に見直す「仕組み」を作る
このメリハリをつけるだけで、コンパクトな賃貸であっても、心地よさと安全を両立することができます。
私は、物が少ないことそのものが正解だとは思っていません。
減らしていいものは減らす。
でも、家族の暮らしや命を守るために必要なものは、きちんと持つ。
大切なのは「少なく持つこと」ではなく、「何を、どれだけ持つかを自分で決められること」なのだと思います。
物を減らしたからこそ、我が家には「本当に必要なもの」を置く場所ができました。
防災の日のある9月に向けて。
まずは靴箱やクローゼットの中にある「なんとなく持っている物」を少し整理して、大切な命を守るためのスペースをひとつ、作ってみませんか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
