本と活字館の企画展がとても良かったので同人誌を作る人にぜひ行ってほしい日記
有楽町駅から有楽町線で8分。
初めて降り立ったその場所には……何だか頭の良い空気が漂っていた。(頭の悪い感想)
大日本印刷が運営する「市谷の杜 本と活字館」がとても良かった話
市ヶ谷駅から徒歩で10分ほど。進むも進むも登り坂。苦しい傾斜ではないからスーツケースを引きずっても行けるかもしれないが、もし雨が降ったなら苦しいかもしれない。
辿り着いた先、目的地はここだ。

入場はまさかの無料。コインロッカーも無料らしい。
この記事を書く予定がなかったので外観を撮り忘れてしまったが、まぁ公式ホームページから確認できるからいいでしょう。
こちらは活版印刷における文字のデザイン・活字の鋳造・印刷・製本のプロセスなどについて知ることができる資料館ですが、私は現在開催されている企画展の「ようこそ魅惑の書籍用紙の世界」を目当てに初めて足を運びました。

なんと、あらゆる書籍用紙がズラーッとテーブルに並んでおり、好きな紙を1枚ずつ手に取って持ち帰ることができるという太っ腹企画なのだ!大丈夫!?


もちろん全種類を1枚ずつ選んでもいいとのことで、私は61枚の用紙をひたすらスッ……スッ……と手元に積み上げる忍者と化した。
先ほどまで机の回りをゆっくり歩いて紙を眺めていた男性が(オイこいつ全種類集めるつもりか……)という顔でこちらを見る。後から来た女性も(そういうもんなのね)という顔をして、私を含め数人の忍者が横に並んで全ての紙を静かに積み上げてゆく流れとなった。作業。
机に置かれている紙はB5サイズ(A4より少し小さいサイズ)だが、上部に吊り下がっているカーテンのような紙が元の大きさとのこと!
そっか、私たちが普段使う紙はここから裁断されているんだね〜!



紙を集めて係の方へお渡しすると、何とその場で簡易製品してくれるという!
紙の上部に機械で糊付けをする流れを説明いただきながら、ものの1分程度で完成!この機械の写真も撮っておけば良かったな〜
完成品はこちら



イメージとしては、上辺のみくっついているメモ帳。まさにアレ。1枚ずつ切り離すこともできるそうだが、せっかく製本してもらったので切り離しはしません。


同人誌において、言うまでもなく紙は重要な要素だが、いくら同人者でも一度にこれほど沢山の用紙に触れる機会はなかなかないだろう。
聞いたことのない名前の紙たちを触ってはオオ〜!となった。これは……良い……!しかも見本帳を無料でいただけてしまう。本当にいいんですか!?
人様の同人誌を拝読すると「おお、この紙……好みだ……!」と思うことがあるけれど、多くの同人誌には「この紙を使ってるよー」等の記載はない。私も書かない。仲の良いサークルさんなら「これ何の紙ですか!?」と聞いてもいいが、もしかすると秘密を明かしたくない的な人もいるかもしれないので、なかなか聞けない。
同人誌即売会においては、多くの印刷会社の出展ブースで用紙見本を貰う・購入することができ、私も複数の見本を所持している。いつもそれを見ながら「今回の本はどの紙を使おうかな」「どんな加工をしようかな」と検討している。

今回の企画展で出ていた紙は、同人誌専門の印刷会社では取り扱っていない紙もたぶん多い。でもきっと、これまで書店で買った本や学校で貰った冊子等で触れたこともあるのだと思う。分かんないけど……。

あらゆる紙の手触りや色味を感じ、さらには持ち帰ることができ、家でじっくり眺めたり触ったりできる企画――なんて素晴らしいんだ!

今回の企画展は2月16日まで行われているので、ぜひ皆さん行ってみてください。
そして、今回はこの企画展を目当てに行ったものの、一階の常設展示もすごく面白かった!
活版印刷に使われた小さな文字の型物などが展示されており、とても楽しい。


企画展のある二階へ行く前に、30分くらい一階をじっくり見て回りました。
これが見学無料!?いいんですか!?



以上が「本と活字館」の感想でした。皆ぜひ行ってみてね!♡
ここからは少し紙について特に有益でもない内容をダラダラ語ります。
同人サークルさんにおかれましてはよくご存知の内容と思うので、お暇な方のみどうぞ……というか知識がなくて恥ずかしいから歴戦のサークルさんにはあまり読まないでほしいヨ
私は読み専が長かったので、この記事を読んでいる方のうち、同人誌を作ったことがないよ〜という皆さんの気持ちがよく分かります。
正直、紙なんてどうでも良くね?
……分かるよォ〜〜確かにね!
分かるのだけれど、紙選びは決して「同人誌作りに没頭しすぎた暇な人が自己満足でいらんオプションを付けるべく奔走している」ということではないのです。そういう側面も確かにあるが……。
私の紙選びは主に3種類に分けられます。
①この素敵な絵をこの紙で印刷したらどんな色合いになるだろう?という表紙のワクワク紙選び
②遊び紙(※後述)を挟む場合、本のイメージに合わせてどんなものにしようかな?というワクワク紙選び
③このページ数に適した紙はどれだ!?という本文用紙のハラハラ紙選び
①表紙の紙選びは楽しい。
素敵な表紙データをいただいた際、内容と絵の雰囲気を考えるとピカピカと光らせたい!こっちの本はしっとりとした雰囲気で……あるいはノスタルジーなイメージに……次の本はギラギラ派手で行くか……等を考えるのは至福の時間だ。
紙と加工(キラキラor光沢なし等)によって絵の色味や輝きが変わってくるので、サークル主としてはとても力が入ります。表紙絵の素晴らしさをどう生かすか、そのためにも紙に詳しくなりたいと思う。
②遊び紙選びも楽しい。
遊び紙(表紙を捲った時に色付きの紙やトレーシングペーパーがあったりしますよね。アレです)は本によって付けたり付けなかったりします。
キャラのイメージカラーを選ぶのもいいですし、季節――たとえば夏がテーマの本ならスイカや海の柄が描かれた遊び紙を選んだりすると、とても素敵になります!
③本文用紙選びは実利。
極端な話をすると、同じ24Pの本でも本文用紙がコピー用紙か段ボールかによって厚みが大きく変わってきますよね。段ボールはあくまで例です。そんな本はおそらくない。
私の発行した同人誌だと、一番厚い本はA5サイズ(A4の半分のサイズ)で表紙込み468ページあります。この本の本文に使った用紙は「淡クリームキンマリ62kg」です。
数字は紙の重さ(厚み)を指します。62kgはかなり軽くて薄め。A5の本で使う人はあまりいないかもしれない……文庫向けな気がしますね。
この薄い用紙を使っても、上記の本は背幅(厚み)が約1.95センチあります。(本当はミリ表記が通常なのですが、分かりやすいようにセンチで書くね)
1.95センチ、同人誌としては無茶苦茶厚い。しかし、もしこの本にもう少し厚みのある用紙、例えば美弾紙ノヴェルズ63kgを使った場合、背幅は2.65センチになります。厚すぎる……!
じゃあ全部の本を一番薄い紙で作れば解決じゃん?
って思うじゃん?
そんなこともないんですよね……。
薄い紙を使うデメリットは
・裏抜けしやすい
・柔らかすぎて本自体がへにょへにょする
等が上げられます。
裏抜けは、前のページの文字が透けて見えてしまうというものです。今読んでいるページの裏側の文字が透けて被ってしまうので、気になる人は若干気になるかも、というね……。
また、薄い紙はヨレやすく折れやすいので、ページ数が少ない本で使うとちょっと心配になります。A5サイズだとノートみたいな柔らかさになる。
逆に厚い本で使う場合、ページを開きやすいという利点があります。何より軽い。
前述の468P本はやはり若干の裏抜けがありましたが、とにかく背幅を薄くすることを優先しました。それでも厚いですが……。
流石に450ページ超の本はもう作らないと思うので、淡クリームキンマリ62kgを使うことは今後ないかもしれません。
私が比較的よく使う本文用紙は
・淡クリームキンマリ72.5kg
・美弾紙ノヴェルズ63kg
このあたりです。
表紙込300Pの本を作る場合、前者なら背幅は約1.33センチ、後者なら約1.69センチ。
これらは比較的スタンダードな小説の用紙ですね。
私はとにかく背幅がトンデモな厚みにならなければいいと思って本文用紙を選んでいるので、本文用紙のみで印刷会社さんを選んだことはありません。
基本的には〆切・やりたい装丁で印刷会社さんを決める→取り扱っている用紙の中から本文用紙を決める、という流れです。
そう、印刷会社によって、取り扱っている紙が違うんですよ〜!ンガーッ!
本当に紙に拘る場合、たとえば「本屋で売っているあの本と同じ、あるいは似た本文用紙の〇〇を使いたい!」と思ったとすると、その用紙を取り扱っている印刷会社さんを選ばなければなりません。大変だァ〜!
私の場合、拘りたいのは表紙、そして遊び紙です。
この遊び紙も、膨大なラインナップを擁する印刷会社さんとそこまで種類がない会社さんがあるので、「遊び紙 同人誌 印刷会社」等で検索してみると面白いです。
あの遊び紙を使いたい!という目的で印刷会社さんを選んだことは多々あります。星座の柄とか、ひまわりの柄とか、すごく可愛いんだよ〜〜〜!
当然、あの表紙の紙(A)と、あの遊び紙(B)とあの本文用紙(C)を使いたーい!と思っても、ABC全てを取り扱っている印刷会社さんが見つからないこともあり得ます。
拘る人はきっとあらゆる印刷会社さんのHPを見ているんだろうなぁ……。
そんなかんじで、私はこれまで本文用紙にはそこまで拘りがありませんでした。とんでもなくページが捲りづらいとか、うっかりコミック用の紙を選んじゃったりしなければ(したことあります…)いいや〜程度だったのですが、今回の展示で本文用紙にも興味が湧きました!
今度は本文用紙から印刷会社さんを選んでみるのもいいかも……!という気分です。語って満足したのでこの辺で終わります。
今回訪れた「本と活字館」には物販スペースもあり、同人誌の作り方系の大型本や、可愛いお土産も沢山ありました。

施設にはカフェも併設されていたので、お友達と一緒に行くのもいいかもしれません。
お土産コーナーにあった「ボールペンで書くだけで箔押しが出来るシート(名前あやふや)」が気になりすぎるので、私もまた近いうちに行くかも。
有楽町駅(東京駅から歩いて行けます)から電車で8分→徒歩10分の位置なので、東京駅を起点に遠征する方々も行きやすいと思います!
アッでも同人イベント帰りはやめた方がいい。大荷物を持って徒歩10分(ゆるやかな坂)はきつすぎるから……。
そんな感じで日記を終わります。読んでくれた方ありがとう!
本と活字館、この記事のタイトルには「同人誌を作る人にぜひ行ってほしい」と書いたけれど、作らない人にもぜひ行ってほしいよ。楽しいよ。さらにこれを機に興味を持ち、最終的に同人誌を作ってほしいよ!
そしていつかイベントで会いましょうね(圧)
おわり
