中学デビュー①|体操部入部|上条デイズ#19
中学校デビューは、何も起こらなかった。
上条靖之は、残念だと思う一方、ホッとしてもいた。
クラスになじみ始めた頃出てきたのが、
部活動オリエンテーション。
周りの同級生が、次々と入部する部を決めていく中、
どうしようか決めかねていた。
運動神経が良い方でもなく、
体格に恵まれているわけでもない。
かといって、文化系クラブは退屈そうだ。
友達の平くんは、卓球部に決めたようだった。
上条も卓球部にしようと思って、
別の友達に声をかけた。
「一緒に卓球部に入部しないか?」
「いいよ」
「いいね」
何人かの仲間がそう言ってくれた。
その仲間の後について、卓球部に向かう。
その途中、体操部が練習しているところにでくわした。
「体操部も面白そう」
先頭の渡部くんがそう言いだした。
「そうだね」
「いいね」
そうすると、みんなで渡部くんに同調し始めた。
「上条くんも良いよね?」
渡部くんにそう言われて、上条は思ってもいなかったが、
うんと言ってしまった。
その足で、上条たちは体操部に入部することになった。
卓球部はどうなったんだ、という思いも、まだ残っていた。

