沖縄移住、外伝。沖縄側に立って話してみたい。
これは沖縄のネガティブな話ではありません。
むしろ逆です。沖縄が好きだから、沖縄を大切に思うから… 移住を考えている方にも、正直にお伝えしたいと思います♡
10年近くこの島で暮らし、本土のさまざまな土地で育ってきた私が感じてきたことを、沖縄側に立ちながら書きます。
沖縄への移住を夢見る人は、たくさんいます。青い海、ゆったりとした時間、温かい人々——そういうイメージを持って来る人が多い。それは本当のことでもあります。
でも、移住した後のことを、誰も教えてくれない。
私は西日本〜首都圏育ちで、それ以外にもいろんな場所で暮らしてきました。だからこそ、沖縄という場所の独特さを、来てすぐに感じ取りました。それは悪いことではなく、ただ「違う」ということです。その「違い」を知っておくことが、移住後の自分を助けてくれると思っています。
沖縄は、独特な文化と歴史と習慣が息づく島です。
ここで生まれ育った人たちには、長い時間をかけて積み上げてきた独自の距離感があります。誰にでも笑顔を振りまいてくれるわけではない。それは冷たいのではなく、この島なりの、深い付き合い方があるということです。
言葉のニュアンスが、うまく伝わらないことがあります。他の地域でもあることだけど、同じ日本語を話しているのに、文脈が少し違う。気を遣って選んだ言葉が、思っていたのと違う意味で受け取られることがある。
冠婚葬祭のお付き合いのルールも、本土とは違います。親族の行事がとにかく多い。もしかしたら日本一!
辿っていけば親族なんてことは山ほどあって…
身寄りのない移住者には、その輪に入れないもどかしさを感じる場面があるかもしれません。
陸続きの土地で育ってきた感覚と、島で育った感覚には、経験値の違いがあります。会話の中でふとズレを感じる瞬間がある。そのズレに気づいた時、合わせた方がいいのか、新しい視点として伝えた方がいいのか、最初のうちは迷うこともあるでしょう。
そして、そう… これらは「沖縄が悪い」という話ではありません。
移住者側が、この島のペースと文化を
まず理解しようとすることが大切だということです。
焦らず、謙虚さを忘れず。
それだけで、見える景色が変わっていきます。
私自身、来てすぐにそれを感じ取り、この島で生きている人たちのルールを尊重しながら、ゆっくりゆっくりと根を下ろしてきました。急がなかった。自分のペースを押しつけなかった。その時間が、今の私の土台になっています。
移住のタイミングや目的によって、経験は大きく変わります。
老後をゆったり過ごしたい方と、子育て中に地元に溶け込もうとした私では、きっと全然違う沖縄があります。趣味や自然を楽しみたい方にはまた別の沖縄があるでしょう。
どんな沖縄を求めているのか、それを自分の中で正直に見ておくことが、移住後の暮らしを助けてくれます。
それでも私は、沖縄に来てよかったと思っています。
息子を通じて知り合った保護者の方、先生方、地域の人たち。時間をかけて築いてきた関係が、今の私の宝です。
そして息子もまた、自分の故郷がここなのだと、成人式には嬉しそうに帰ってきました。
沖縄という場所は、来る人を選ぶわけではありません。ただ、来る人がこの場所を尊重するかどうかを、静かに見ています。そう感じています。
沖縄の人が、こんなことを言っていました。
「あんなに声をかけたのに、去る時は黙って去る人が多い」と。
夢や希望を持って、あるいは縁があってこの土地に来て…
わずかしか過ごすことなく、後ろ足で砂をかけるようにして去っていく人が後を絶たないとは同じ移住者からも聞く話…。
迎え入れた人たちには、それが悲しいと。
その言葉を聞いた時、私は胸が痛くなりました。
去っていく人たちにも、きっと理由があるのだと思います。期待と現実のギャップ、なじめない孤独感、誰にも言えないまま積み重なっていったもの——
そういうものが「謎の敗北感」になって、黙って去ることにつながるのかもしれない。
でも沖縄の人たちにとっては、声をかけ続けた先で黙って去られることが、寂しさとなり、やがて静かな怒りのようなものになっていく。
人は寂しさが孤独を呼び、孤独が怒りになり、怒りがいつしか誰かへの壁になっていく——
移住者と沖縄の人の間に起きていることも、実はその同じ構造なのかもしれない、と私は感じています。
だとしたら、必要なのは「もっとうまくやること」ではなく、お互いの寂しさを少しだけ想像してみることなのかもしれません。
去る前に、一言だけ。「お世話になりました」と言えたなら、きっと何かが変わる気がします。
沖縄は、みんなが利用する場所じゃない。
先祖から伝わったものを大切に、日常をただ静かに過ごしている人たちの、かけがえのない場所です。
新しい土地で暮らすということは、自分の子どもを育てる時と似ていると思います。何が正しいのか、何がその子のためになるのか、手探りで考え続ける。それは大変だけど、頑張らなくちゃいけないところ。その先にやっと、その土地の優しさに触れられる気がします。
それは何も沖縄に限らない。
新しい場所に踏み込むということは、いつだってそういうことなのだと思っています。
この記事は、移住を検討している方・移住したばかりの方に向けて書きました。
沖縄に暮らす人たちへの敬意を持ちながら、経験者として正直に伝えたいことを書いています。沖縄が好きだから、ここにいるから…書けたものです。
移住のこと、新しい場所での暮らしのこと、
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