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【聖・世界格闘王編③】3年ぶりの復帰戦――「寝かせれば勝てる」男を待っていた結末

三年ぶりだった。

歓声。

照明。

リングを囲む観客。

そして――

向かい側に立つ男。

私は、その全部をゆっくり見渡した。

懐かしい。

でも。

三年前とは何もかも違って見えた。

「聖だ……」

客席のどこかから声が聞こえる。

「本当に戻ってきた」

「三年ぶりだぞ」

「あれ、聖だよな?」

当然だと思う。

突然消えた。

試合にも出なかった。

取材も受けなかった。

三年間。

私は表舞台から完全に姿を消していた。

そして今日。

24歳になった私は、もう一度ここに立っている。

ただし――

以前とは違う色で。

ロイヤルブルー。

余計な模様はない。

シンプルな青と黒のコスチューム。

腕には青いラップ。

足にも青。

三年前までの聖とは違う。

新しい私の色。

私は向かい側を見る。

復帰戦の相手。

神谷直人。

25歳。

176センチ、74キロ。

国内トップクラスのレスリングを武器にする男。

強烈なタックル。

そして一度上になれば逃がさないトップコントロール。

三年前の私なら――

一番戦いたくなかったタイプかもしれない。

神谷が私を見る。

そして少し笑った。

「三年ぶりなんだって?」

「そうだけど」

「復帰戦で俺は、相性悪いと思うぞ」

私は首を少し傾けた。

「どうして?」

神谷は当然のように答えた。

「寝かせればいいから」

その言葉を聞いた瞬間。

三年前の記憶が、一瞬だけ頭をよぎった。

床。

背中。

首に回る腕。

そして――

自分の手で叩いたタップ。

でも。

もう胸はざわつかなかった。

私は神谷を見て、少しだけ笑った。

「やってみれば?」

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