取材記者のスピリチュアルな裏話・17 異空間の聖域『三峯神社』
神社好きで『三峯神社』を知らない者はいない。多くの人が取り上げているので、今さら境内の詳細を紹介する必要はないだろう。ならば、霊感のない私がそこで味わった不思議な感覚を交えながらレポートするとしよう。
これは2019年の夏に初めて訪れた時の記録である。
女性誌に必ず取り上げられる日本各地のパワースポット。なかでも関東最大で最強のパワースポットと言えば秩父の山奥にある『三峯神社』だ。テレビや雑誌でも度々取材されるし、ここで出されている稀少な『白い氣守り』(お守り)を浅田真央ちゃんが持っているということで一気に有名になった。
前々から興味のある場所ではあったが、東京から車で片道4時間くらいかかるし、近年のブームのせいでいつも混んでいるという話だったので躊躇していた。しかし、心霊関係の仕事もしている手前、やはりこういう場所に一度は足を運んでおく必要がある。そこで、意を決して行くことにした。
標高1100メートルにある『三峯神社』。車を降りると、空気が澄んでいるのが感じられてとても気持ちがいい。別世界へ来たという気持ちになれる。この日は霧が深く立ち込めていて、まさに秘境の中にたたずむ神社と呼ばれるに相応しい雰囲気だった。快晴だと眼下に見下ろす絶景が楽しめたのかもしれないが、禰宜によると、霧は「洗い流す」という浄化作用があるので、「今日はいい日に来ましたね」と教えてくれた。
最初に私を出迎えてくれたのは『三つ柱鳥居』。
鳥居が三つ重なっているというのは非常に珍しい。なんだか特殊な世界への入り口といった感が強い。

どこの神社でも鳥居の左右には狛犬がいるのだが、三峯神社は狼が神の使いとされているので、至る所に『狼の像』が置かれている。
なかでも拝殿へ向かう途中にある『随身門』に鎮座している『狼像』は魂が「生きている」ので、しっかり手を合わせておくといい。そのように霊能力者が教えてくれた。


『拝殿』はとてもきらびやかで荘厳な感じがする。
しっかりと参拝することでパワーをもらおう。だが、これだけではもったいないので、『拝殿内』で祈祷をしてもらうことにした。
お経を読む時みたいに、太鼓を小刻みに打つ変わった祈祷だった。『本殿』を目の前にしていることもあり、より緊張感とパワーの受容を感じられて身が引き締まる思いがする。地元の神社で厄落としの祈祷を受けた時でさえ、こんな気持ちにならなかったのに、やはりここは特別なのだろうか…。


『拝殿』のすぐ横の石畳には『龍神様』がいる。
2013年の辰年に突然龍の姿が石畳の上に現れたという不思議スポット。水を掛けるとくっきり龍の顔が浮かび上がってくる。これを携帯の待ち受けにすると運気が上がるらしい。


祈祷を終えて次に向かった場所は『縁結びの木』。
モミの木と檜がピッタリと寄り添い合体している姿は見事で美しい。縁結びに関するものは多くの神社にあるが、『三峯神社』だと周囲に漂う神秘的な雰囲気から、よりいっそう願いのパワーが強まりそうな気がする。

そのすぐ近くには、多くの狼がお祀りされている『お仮屋神社』がある。
実はここはあまり知られてはいないが、かなり強い霊力のあるお宮なのである。写真を何枚か撮ったのだが、ここだけはなぜかピンボケが多くなる。霊力のせいなのだろうか……。
神社のすぐ裏側は断崖絶壁になっているのだが、そこからは全く違う空気が下から吹き上げられていた。崖の下の霧の中から吹き上げられる空気はとても冷たく、そして気持ちが洗われるような身体全体がすっきりする冷たさだった。

次に向かったのは、『拝殿』近くにある樹齢800年という大杉の『ご神木』。
三度深呼吸してから木に触れると強烈なパワーが身体に流れ込んでくる。多くの人々に触られ過ぎて正面は変色しており少々気の毒な思いがした。そこで、人が触っていない箇所に手をやると、どんどん氣が入ってくる。今まで多くの『ご神木』に触れてきたが、これほど強力なパワーを秘めた木は初めてだった。(注:この時は直接触ることできていたが今はできない)

『社務所』に寄ってお守りを購入した。
ここでは“お守り”と言わず『氣守り』という。まさしく“氣”のお守りであり、勇気・元気・やる気の三峯山の霊気(パワー)をもらい成功へと導いてくれるお守りだ。確かに凄いパワーが籠められており、普通のお守りとは一味も二味も違うことを感じさせてくれる。
稀少な白い『氣守り』はいただくことができないので、今回は自分のソウルカラーである緑を拝受していただいた。

さて、ここまでは必ず行って欲しいスポットを紹介した。実は、雑誌でもテレビでも、ここまでは紹介している。しかし、多くの人が知らない、さらなるパワースポットがもうひとつある。それが『三峯神社奥宮』だ。
テレビや雑誌はもちろんのこと、地元のパンフレットにさえ詳しい紹介はない。それは『本殿』のある神社から険しい登山道を1時間近く登った先にあるからだ。パンフレットには片道1時間半と書かれてある。
最初にその話を聞いた時は躊躇した。平坦な道を片道1時間歩くのさえきついのに、それが登山道ともなると……。しかも、登山靴を履いていないし。しかし、ここで行かなければ後悔すると思った。せっかくなので行ってやれ!と思った。
結果、凄い地に足を踏み入れることになった…。
『奥宮』へは途中4つの鳥居をくぐって行くのだが、最初の鳥居の側にある看板には、「熊が出没するので注意せよ」とか、「暗くなる前に下山するように」とか、いろいろ不安をあおる文言が書かれてあった。いったいどんな所なんだと、ドキドキしながら霧の中の鳥居をくぐった。

思った以上に、装備のない素人には厳しい山道だった。人が一人通れる幅の道が霧の中を延々と続いている。途中には雷に打たれて真っ二つになった倒木が何本もあり、どこへ進めばいいのか道が分からなくなったりもした。
最初の鳥居付近で聞こえていた鶯の鳴き声は全く聞こえなくなり、蝉の声も聞こえない。風もないので、木々の葉が揺れる音さえ聞こえない。恐ろしいほどの静寂。聞こえるのは自分の「はぁはぁ」という息づかいだけ。その中をただひたすら黙々と霧に包まれながら登る。
ふと気がつくと尾根みたいな道を進んでおり、左右が崖になっていた。霧が立ち込めているので、油断すると足を踏み外す危険がある。今思うと恐ろしい…。

休みなしに登り続けて1時間後、『奥宮』を目前にして道や階段がなくなり、突然鎖場が現れた。眼前には傾斜70度位の岩壁がそそり立っており、上からは鎖がザイルみたいに垂らされているだけ。これを掴んで登れというのか? 最後に来て難所に遭遇した。だが、距離は5~6メートルだから大したことはない。童心に戻って登って行った。
ついに登頂! 1332メートルの頂に小さな『奥宮神社』が鎮座されていた。霧の中に浮かぶ『奥宮』は幻想的で少し身震いが起きた。


それにしても、やはり空気が違う。『奥宮』の裏側は崖になっているのだが、そこも『お仮屋』の時と同様に不思議な風が吹き上がっていた。まさしく“氣”の気流が吹き上げられているという感じ。

『本殿』のある神社は「天に近い神域」と称されているが、『奥宮』はまさに「神の聖域」といっても過言ではない。実際、そこにたたずんでいるだけで身が引き締まる。空気がとてつもなく美味しく、頭が洗練されたようにスッキリする。なぜか、すぐには下山したくなく、ずっとその場に居たい気分にさせられる。おそらく自分の中の溜まりに溜まった邪気が十分に浄化され切っていないからだろう。ゆえに心と体が下山を留まらせていた。
『ご神木』のパワーを探る際、木に触りながら「Oリングテスト」をやって実際のパワーの確信を得るのだが、ここでは何も触っていないにも関わらず指が離れないのである。こんなことは初めてだった。神社を包む空気自体にパワーが秘められている何よりの証拠だ。ここに居れば居るほど相当のパワーが身につくだろう。
凄い所に来てしまった。素人装備で、足元は軽い靴、夏なのに水筒も持たずという大変な状況だったが……来て良かった。逆にこれほどの所に来てしまうと他のパワースポットが霞んでしまうような気がした。
初めは二度と来ないし一回限りの登山にしようと思っていた。しかし、異空間の素晴らしさに感激して、下山した時はもう一度来たいと思った。
ブームに乗って手軽なパワースポット巡りをするよりは、これだけの困難を経た方が真にパワーを得ることができると思う。行って良かった最高のパワースポットだった。
パワースポットと呼ばれる場所に行けば、確かにパワー(運気アップ)は得られる。本人に自覚がなくても身には付いているもの。
なかでも、『奥宮』のように異空間の体験を心身で感じてしまうと、本物のパワースポットの凄さをより思い知る。ブームに乗るのではなく、本物の場所へ真摯な気持ちで行くことで価値は得られる。
それにしても『奥宮』は凄い。その場の空気だけでパワーの実在を確信できたのは初めてだった。『本殿』周辺も凄いが、それ以上に凄い場所があることに心底感激した。

[後記]
レポートの内容は7月上旬。再度10月に登山靴を履いて『奥宮』へ行ったのだが、その時はきつさを全然感じることがなく40~45分で到達できた。慣れるとこんなものだ。
