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#1「頭痛の強さ」だけでは、危険かどうか分からない――脳神経内科医が頭痛で最初に見るもの

「先生、ものすごく痛いんです。10段階でいうと8くらい。これって脳の病気じゃないですか?」
頭痛で受診される患者さんから、こう相談されることがあります。
「どれくらい痛いですか?」
もちろん、痛みの強さは大切な情報です。でも、脳神経内科医が頭痛を診るとき、実は「痛みの強さ」だけを見ているわけではありません。
むしろ最初に確認したいのは、
「いつからですか?」
「どんなふうに始まりましたか?」
「いつもの頭痛と同じですか?」
といったことです。
「痛い場所や強さなら分かるけど、なんで始まり方まで聞くの?」
そう思うかもしれません。

「10段階で8」でも、危険とは限らない
例えば、以前から片頭痛を繰り返している人が、「今回もいつもと同じ頭痛です」と受診したとします。
片側がズキズキする。吐き気もある。光がまぶしい。痛みは10段階で8。
かなりつらい頭痛です。
一方、これまで頭痛をほとんど経験したことがない人に、今までにない頭痛が起こったとします。痛みは10段階で5。
痛みの数字だけなら、前者のほうが強い。
それでも医師は、後者を慎重に評価することがあります。
なぜでしょうか。
「どれくらい痛いか」と「どんな頭痛なのか」は、別の情報だからです。
頭痛は非常にありふれた症状ですが、突然始まった頭痛や、手足の麻痺・言葉の異常などを伴う頭痛、これまでとは明らかに違う頭痛などには注意が必要です。

医師が見ているのは「時間軸」
頭痛の診察では、今の痛みだけでなく、「時間の流れ」を見ています。
「いつ始まったのか」
「どのくらいで強くなったのか」
「その後どうなったのか」
例えば、「昨日から頭が痛い」だけでは分からないことも、
「昨日の朝から少し痛くて、午後から徐々に強くなった」
のか、
「昨日の午後、ある瞬間に急に強い痛みが出た」
のかで、意味が変わってきます。

そして、ここで重要になるのが「突然」という言葉です
患者さんが「突然痛くなった」と話していても、実際には30分ほどかけて徐々に強くなった、ということがあります。
逆に、「ある瞬間に急に痛くなった」ということもあります。
どちらも「突然」という言葉で表現できてしまいます。
だから脳神経内科医は、「突然でした」で終わらせず、
具体的には、どんなふうに始まりましたか?
と聞きます。

頭痛の診察では、「10段階で8です」だけでなく、
「いつから」
「どんなふうに始まって」
「いつもの頭痛と比べてどうなのか」
を伝えることが、とても大切です。
痛みの強さだけでは分からないことがある。
これが、頭痛を診るうえで知っておいてほしいポイントです。
では、脳神経内科医が「突然、頭が痛くなった」と聞いたとき、具体的には何を気にしているのでしょうか?
次回は、この「突然」という言葉をもう少し掘り下げてみます。

※このnoteは一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。身体の症状で困っていることがあれば、受診することを恐れずに医療機関への相談を検討してください。

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