The Kinks / Kinda Kinks (1965)
デビュー・アルバムからわずか5ヶ月後にリリースされたキンクスのセカンド・アルバムは、過酷なツアー直後に短期間で突貫工事的にレコーディングされた作品ながら、全12曲中10曲をレイ・デイヴィスが自作(うち1曲は弟デイヴ・デイヴィスとの共作)し、勢いのある演奏よりもソングライティングに重心を移し始め、”ブリティッシュ・ロックの体現者”としてのキンクスの音楽性の萌芽が見られる1枚。
前作では、アメリカのリズム&ブルースに影響を受けたビート・バンドが、ガレージ・ロック/ハード・ロックの原点ともいえるラフでキレのあるギター・サウンドを手に入れて一躍注目を集めたわけだが、その後のツアーで訪れたアメリカでの失望と諦念を経て、本作ではそこから少しずつ”英国らしさ”を求めたものへと移行しつつあるのがわかる。
デイヴの疾走感溢れるギター&ヴォーカルなど、ビート・バンドとしてのスタイルも残しつつ、レイが紡ぐ哀愁を帯びたメロディは(当時のロック・バンドには珍しいフォーク・タッチの”Nothin' In The World〜”などで顕著なように)美しさを増し、ソングライターとして一皮剥けた姿を見せている。
初期の名曲"Tired Of Waiting For You"をはじめ、"Don't Ever Change"や”So Long”、"Something Better Beginning"あたりでは、ポップさと悲哀と諧謔の按配が絶妙な”レイ・デイヴィス節”がすでに出来上がりつつあり、来たるキンクスの黄金期の予兆を感じられる。
12曲で約27分という冗長さを排したコンパクトさも爽快。
ファースト・アルバムの(特にシングル曲での)ガンガンに響き渡るギター・サウンドを考えると、この2作目はまだ試作段階といったところだが、それでもかなりポップな方に舵を切った感じがする。
やはりレイ・デイヴィスの生み出すメロディには抗いがたい魅力があり、まさに英国ロックの真髄。
僕が持っているのは「カインダ・キンクス+11」なるボーナス・トラックもたっぷりのCDなのだけど、初期の中でも特に大好きな"Set Me Free"やラーガ・ロックの原点ともされる"See My Friends"、そして本編と同年にリリースされキンクスの転換期を刻んだ傑作EP「Kwyet Kinks」の全4曲、さらには幻の名曲"I Go To Sleep"も含み、かなり充実した内容で通しで聴いても大満足。
