ソウル滞在の定番某横イン――仁川・金浦の空港違いトランジットを確かめる
目次
・ソウル滞在のホテル選び
・空港間トランジットの確認
・空港鉄道(AREX)の一般列車と直通列車
・一般列車ならではの注意点
・数字だけでは測れない「空港違いトランジット」
・東横インはどこへ行っても同じ部屋
ソウル滞在のホテル選び
今回のソウル滞在では、宿泊先の選択にもはっきりとした意図があった。
コロナ禍以降、実に5年ぶりの海外渡航。韓国そのものも久しぶりということもあり、まずは環境面での不安をできるだけ減らしたかった。その結果、今回は日系のホテルチェーンを選ぶことにした。
韓国に展開している日系ホテルチェーンを調べてみると、意外と選択肢はある。
・東横イン
・ドーミーイン
・相鉄ホテルズ
・ソラリア西鉄ホテル
・ホテルグレイスリー
名前を見れば、だいたいの雰囲気や価格帯が想像できる顔ぶれだ。そのなかでも、価格帯が比較的安定していて、日本国内と近い感覚で利用できるという点で、やはり東横インの安心感は強かった。

今回は、その中でも韓国に複数拠点を持つ東横イン永登浦を選択した。ソウルの東横インといえば、南大門の店舗を思い浮かべる人も多いと思うが、今回の目的地は永登浦(ヨンドゥンポ)だった。決め手になったのは、地下鉄駅から近い立地と、金浦空港から比較的わかりやすくアクセスできる点だった。仁川空港から入国した後、空港鉄道で金浦空港まで出て、そこから地下鉄に乗り換えるだけでホテル最寄り駅に着ける。初日の移動としては、かなり気が楽だ。
もう一つ大きかったのが、宿泊費だ。最近のソウルはホテル料金が全体的に高騰している。そのなかで、1泊あたり約7万ウォン、ざっくり日本円で7千円台半ばという価格設定は、日本国内の東横インとほぼ変わらない感覚で泊まれる水準だった。さらに、韓国にはホテル宿泊時にかかった税金を還付できるタックスリファンド制度があり、すべての宿泊施設が対象ではないものの、この永登浦の東横インは対象施設に含まれていた。今回は2泊の予定だったため、還付額自体は少額だが、それでも対象になるという安心感はある。
仁川空港から空港鉄道に乗り、金浦空港へ。そこから地下鉄5号線を経由し、シンギル駅で下車する。韓国の地下鉄は、とにかく深い。エスカレーターを何本も乗り継いでようやく地上、というのは珍しくない。しかも、そのエスカレーターが故障していることも割と多く、そうなると容赦なく階段移動になる。スーツケースを持った長期滞在者は、あらかじめエレベーターの位置を把握しておいた方がいいだろう。シンギル駅からホテルまでは徒歩5分ほど。思ったよりも近く、移動の疲れも最小限で済んだ。

空港間トランジットの確認
今回の旅には、もう一つはっきりした目的があった。
6月にマレーシアへ向かう際、金浦空港から仁川空港へ移動するトランジットを検討しており、その現実的な所要時間や動線を、実際に自分の足で確認しておきたかったのだ。
一空港内で完結するトランジットとは異なり、違う空港を使った乗り継ぎでは、
・入国にかかる時間
・空港間の移動時間
・再度の出国、保安検査
・予期せぬ遅延や混雑
といった要素をすべて織り込んだ旅程を組まなければならない。時刻表だけを見て「理論上は間に合う」ルートを作ることはできても、実際に身体を動かしたときにどう感じるかは別問題だ。そこで今回は、到着した仁川から金浦まで、空港鉄道を使って実地で確認してみることにした。
空港鉄道(AREX)の一般列車と直通列車
金浦空港と仁川空港を結ぶ手段はいくつかあるが、時間の読みやすさという点では空港鉄道(AREX)が最も現実的だ。AREXには大きく分けて「一般列車」と「直通列車」の2種類がある。
一般列車は、地下鉄に近い感覚で使える列車で、T-moneyなどの交通系ICカードがそのまま使える。金浦空港から仁川空港へ移動する場合、こちらが実用的な選択肢になる。本数も比較的多く、空港間の移動手段としては使いやすい。
一方、直通列車はソウル駅と仁川空港をノンストップで結ぶ全席指定列車だ。座席や荷物スペースは広く快適だが、金浦空港には停車しない。そのため、今回のような「金浦着→仁川発」あるいは「仁川着→金浦発」の空港違いトランジットでは、実質的に一般列車が基本ということになる。
つまり、空港間移動では「AREXに乗ればいい」で終わるのではなく、どの列車が実際に使えるのかを把握しておくことが大切だ。
一般列車ならではの注意点
実際に一般列車に乗ってみて、もう一つ重要だと感じた点がある。
それは、利用する時間帯によって車内環境が大きく変わるということだ。
一般列車は追加料金が不要で、市民の通勤・通学の足としても使われている。そのため、到着した時間がラッシュに重なると、空港アクセス列車というより普通の都市鉄道としての色合いが強くなる。そこへスーツケースを抱えて乗り込むことになると、思った以上に気を遣う。
もちろん、日本の首都圏ほど高頻度で列車が来るわけではないため、「混んでいるから次を待つ」という判断にも限度がある。1本見送ったとしても、次も同じような混雑ということは十分あり得る。車内にはスーツケース置き場が限定的で、大型荷物を持っていると、周囲にかなり気を遣うことになる。
この点は、机上ではなかなか見えてこないリスクだと感じた。移動時間そのものは40分前後でも、快適に移動できるかどうかは時間帯次第。空港違いトランジットを組む際には、フライト時刻だけでなく、その時間にどんな状態で列車に乗るかまで意識する必要がある。
数字だけでは測れない「空港違いトランジット」
今回、実際に空港鉄道を使ってみて強く感じたのは、空港違いトランジットは所要時間の数字だけで判断してはいけないということだった。
列車の乗車時間は40分前後でも、
・金浦空港での到着から改札まで
・列車待ち時間
・仁川空港到着後のターミナル移動
・出国、保安検査
これらを合算すると、最低でも2時間半から3時間程度は見ておくべきだと感じる。ラッシュ時間帯や入国審査の混雑が重なれば、さらに余裕を持たせたい。そして国際線の搭乗手続きや保安検査を考えれば、数字どおりの乗車時間だけで判断するのは危ない。
今の仁川空港にはスマートパスなどのサービスもあるが、それでも空港違いトランジットそのものの難しさが消えるわけではない。むしろ、使える補助は活用しつつ、基本は余裕を持った行程を組む方が安全だと思う。
今回の移動は、単なる寄り道ではない。
6月に予定している本番の旅程を、現実的なものとして成立させるための「下見」だった。数字と体感、その両方を確かめておくことが、空港違いトランジットを成功させるためには欠かせない。そう実感できただけでも、この移動には十分な意味があった。
東横インはどこへ行っても同じ部屋
チェックインしてまず感じたのは、「さすが日系ホテル」という安心感だ。フロントスタッフは日本語が通じ、説明も簡潔で分かりやすい。海外のホテルでありがちな、ちょっとした言葉の行き違いもなく、手続きはあっという間に完了した。部屋に入ると、そこには見慣れた“東横インの間取り”が広がっている。ベッドの配置、デスクのサイズ感、バスルームの造り――一瞬、ここが海外であることを忘れてしまいそうになる。

だからこそ、細かな違いがかえって印象に残る。そのひとつが、部屋のコンセントだった。韓国のコンセントは見た目だけなら日本人にも比較的分かりやすく、丸穴が二つ並ぶヨーロッパ系の形状が一般的だ。ところが、実際に使ってみると、単に「刺さるかどうか」だけでは済まない。旅行用の変換プラグは見た目が似ていても、ピンの太さや形状の違いで、刺さり具合や安定感に差が出ることがある。
今回も、手持ちのマルチタイプ変換プラグは差し込めないわけではなかったが、やや緩く感じる場面があった。逆に、レンタルした海外Wi-Fiルーターの充電器に付属していた、太めのピンを持つタイプの方がしっかり収まり、結果的にはそちらの方が安定して使えた。見た目はよく似ていても、実際の使い勝手は意外と違う。その差が分かりやすいようにすると、こんなイメージになる。


韓国では220V・丸穴二つのコンセントが一般的で、旅行用品売り場などではCタイプやSEタイプといった表記を見かけることがある。ただ、実用上は名称よりも、「細いピンか、やや太めのピンか」の違いの方が分かりやすいかもしれない。刺さることと、ぐらつかず安定して通電することは、必ずしも同じではない。特にスマートフォンやWi-Fiルーター、ノートPCのように旅先で常時充電したい機器があるなら、この違いは意外に大きい。
こういう細かな部分に触れると、同じ東横インでも「やはりここは海外なのだ」と実感する。部屋のつくりはよく似ていても、設備の癖や街の空気までは同じではない。その微妙な差をひとつずつ拾っていくのも、海外の東横インに泊まる面白さなのだと思う。
夜は、ホテル近くを少し散策した。永登浦駅前にはロッテ百貨店があり、地下の食品売り場をのぞくと、日本で見慣れた食品や、日本でもよく知られたブランド名の商品が並んでいる。しかも、よく見るとそれらが韓国で製造・販売されているものだったりして、その“似ているけれど少し違う”感じがなかなか面白い。異国の街にいるはずなのに、棚の一角だけ感覚が少し日本に引き戻されるようで、長距離移動のあとの夜にはそれが妙に心地よかった。
結局、その百貨店で簡単な食事を買い、部屋に戻って食べることにした。長距離移動のあとには、こうした「無理をしない選択」が、思った以上に身体に優しい。無理に街へ繰り出さず、整った食事を部屋でゆっくり食べる。そのくらいの過ごし方が、初日の夜にはちょうどよかった。


こうして、ソウルでの最初の夜は静かに終わった。
慣れた空間と、初めての街。そのちょうど中間にいるような感覚が、今回の旅のスタートにはちょうどよかった。
最新情報の確認先
※本記事は2025年1月時点の滞在記録です。
最新の入国手続きや空港案内は、韓国電子入国申告(e-Arrival Card)公式、K-ETA公式、仁川空港公式、金浦空港公式、AREX公式もあわせて確認しておくと安心です。
