私立小学校受験で「本当に見られている」家庭の姿〜合否を分ける教員視点の評価ポイント〜
私立小学校の受験を考え始めたとき、多くのご家庭はまず幼児教室の門を叩くと思います。
そこでは、正しいお辞儀の角度、面接での模範的な受け答え、願書の書き方など、たくさんの「こうした方が良い」という「正解」を教わります。
しかし、これまで私立小学校の教員として数えきれないほどのご家庭を見てきた者として、最初にお伝えしたいことがあります。
それは、学校は「完璧な子ども」と「完璧な親」を探しているわけではないということです。
受験とは、決して「家族を偽りの姿で飾り立てる」ものではありません。
むしろ、家族のこれまでの温かい歩みや、子どもへの深い愛情を、学校という新しいパートナーに「正しく伝える」ための翻訳作業だと思います。
この本質に気づくことができれば、受験準備は苦しいものではなく、子どもとの絆を深めるかけがえのない時間へと変わります。
本記事では、幼児教室のペーパーテスト対策や行動観察のテクニックではカバーしきれない、学校側が面接や願書から読み取っている「本当の評価基準」について、私の体験談も踏まえてお話しします。
まずは、学校側がどのような視点でご家庭を観察しているのか。
具体例を2つ挙げます。
ポイント①
不測の事態における「親の感情コントロールと対応力」
面接中に子どもが水筒をこぼした、あるいは質問に答えられず黙り込んでしまった際の親の第一声。
「早く拭きなさい」「なんで言えないの」と焦って責めるか、「大丈夫だからね」と穏やかに見守り、学校側に「申し訳ありません」と冷静に対応できるか。
ポイント②
作られた知識ではなく「日常の実体験」の有無
「週末は何をしていますか?」という質問に対し、「図鑑で海の生き物を覚えました」と答えるだけでなく、「実際に磯の潮だまり(タイドプール)へ行き、生き物の不思議さを親子で語り合いました」といった、感情を伴う生きた体験を語れるか。
※「お客様扱い」を求める依存的な姿勢は敬遠される
願書に「貴校の素晴らしい設備で〇〇をさせてほしい」と学校への要望ばかりを並べるのはNGです。
「家庭でのこうした教育方針を、貴校の環境の中でさらに深め、学校生活に貢献したい」という、共に歩むパートナーとしての姿勢が不可欠です。
昨今、学校関係のニュースで「モンスターペアレント」が話題になることは少なくありませんよね。学校側も、受験する保護者がモンスターペアレントになる要素があるのでは?と常に警戒しています。
子どもが相手の場合、いくら大変だとしても、その子が発達障害の子(投薬やカウンセリングが必要なレベル)でもなければ、時間をかけて丁寧に接することで信頼関係も築きやすく、言って聞かせることができるケースがほとんどです。
「この先生は話を聞いてくれる」、「この先生は自分の気持ちをわかってくれる」、そのような気持ちに子どもがなってくれれば、「だったらこの先生のために頑張ってみよう」という心境になってくれるのです。
それに対して保護者は…
学校の対応が気に食わない、どうしても好きになれない先生がいる、そのような場合にSNSで誹謗中傷したり、担任を通り越して管理職に相談したり、場合によっては弁護士を通して学校に要望書を出したりするようなケースまであります。
先生方にとっては、少しのトラブルがいつ大事になるかわからない。毎日薄氷の上を進むがごとく心境でお仕事をされている先生も少なくありません。そんな労働環境だから、日本全体でみても教員を選ぶ人の割合が激減しているわけですよね。
以上の点も踏まえ、受験する園児だけではなく、むしろそれ以上に様々な場面で保護者が厳しく評価されていることは自覚していただきたいと思います。
幼児教室で教わる「お行儀の良さ」は、あくまでスタートラインです。
学校の先生方は教育のプロフェッショナルですから、数ヶ月間で詰め込まれた「作られた姿」などすぐに見抜きます。
学校側が本当に知りたいのは、「入学後、6年間という長い年月の中で、もし子どもが壁にぶつかったとき、このご家庭は学校と手を取り合って一緒に子どもを導いていけるだろうか?」という一点に尽きるのです。
今のありのままのご家庭の魅力に自信を持ち、それをどう学校に伝えるかが大切なポイントです。
その具体的な方法を知るだけで、前向きな気持ちになれると思います。私立小学校という素晴らしい環境への扉を開く準備を進めていきましょう。
ここから先の有料部分では、私がこれまでの経験から導き出した「合否を決定づける教員視点の評価ポイント」の裏側をさらに深く掘り下げます。
具体的な面接でのNG・OKの会話例や、願書で絶対に書いてはいけないフレーズと、思わず教員が会いたくなる願書の書き方まで、すぐに実践できるレベルまで落とし込んで解説していきます。
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