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なぜ夢は、起きた瞬間からどんどん忘れてしまうのか

目が覚めた瞬間。

「すごい夢を見た」

と思う。

内容も覚えている。

誰が出てきたか。

どこにいたか。

何をしていたか。

かなり鮮明だった。

でも。

顔を洗う。

スマートフォンを見る。

朝ごはんを食べる。

そうしているうちに、

「あれ、どんな夢だったっけ?」

となる。

数分前まで確かに覚えていたはずなのに、

夢は驚くほど速く消えていきます。

なぜ夢の記憶は、

こんなにも残りにくいのでしょうか。

まず、夢を見ていないわけではない

朝起きて、

「今日は夢を見なかった」

と思うことがあります。

でも実際には、

夢をまったく見ていなかったのではなく、

覚えていないだけ

という可能性があります。

人間は睡眠中、特にレム睡眠などのタイミングで夢を経験することがあります。

ただ、その夢が朝まで記憶に残るとは限りません。

つまり、

夢を見ることと、

夢を覚えていることは別です。

夢の記憶は、目覚めた直後が勝負

夢を覚えているとき、

最も鮮明なのは起きた直後です。

数秒。

数分。

時間が経つほど、内容が抜けていきます。

最初は、

場所。

人物。

会話。

流れ。

まで覚えていた。

でも少し経つと、

「なんとなく怖かった」

「誰かがいた」

くらいしか残らない。

夢の記憶はかなり不安定です。

起きているときの記憶とは条件が違う

日中の出来事。

友達との会話。

仕事。

旅行。

こうした記憶は、

起きている脳の状態で作られます。

でも夢は睡眠中です。

睡眠中の脳は、

起きているときと同じ状態ではありません。

記憶を保存する仕組みも、まったく同じように働いているわけではありません。

そのため、

夢の内容は長期記憶として固定されにくいと考えられています。

記憶には「海馬」が重要

新しい出来事を記憶として残すうえで、

海馬

はとても重要な役割を持っています。

起きているとき、

経験した情報を整理して、

記憶として残していく。

睡眠中も海馬はさまざまな働きをしています。

ただ、

夢の内容そのものを、

起きているときの出来事と同じように保存するとは限りません。

だから、

夢の中ではものすごい経験をしていても、

朝になると消えてしまうことがあります。

脳内物質の状態も違う

睡眠中は、

脳内の神経伝達物質の状態も起きているときと異なります。

特にレム睡眠では、

記憶形成に関係する脳内環境が、覚醒時とは違います。

そのため、

夢の内容をそのまま長期記憶として残しにくい状態になっている可能性があります。

つまり、

「記憶するための条件」があまり整っていないのです。

目覚めた瞬間に、新しい情報が大量に入ってくる

朝起きる。

時計を見る。

通知を見る。

外の明るさを見る。

今日の予定を考える。

仕事。

学校。

朝ごはん。

一気に現実の情報が入ってきます。

すると、

夢という不安定な記憶より、

現実の情報が優先されます。

その結果、

夢の内容がどんどん押し流されるように消えていきます。

スマホを見ると忘れやすいのも納得できる

起きた瞬間にスマートフォンを見る。

SNS。

ニュース。

メール。

メッセージ。

大量の情報が一気に入ります。

まだ不安定だった夢の記憶に、

新しい情報が上書きされるように入ってくる。

すると、

「さっきまで覚えてたのに」

となりやすい。

夢を覚えておきたいなら、

起きてすぐ別のことを始めないほうが有利です。

夢を覚えておく方法はある

一番シンプルなのは、

起きた瞬間に記録すること

です。

枕元にメモを置く。

スマホのメモを開く。

ボイスメモを使う。

文章でなくてもいい。

「学校・雨・知らない人・逃げる」

くらいでも構いません。

少しでも書いておくと、

あとでその言葉を見たときに、夢の内容を思い出せることがあります。

夢日記をつけると、覚えやすくなる人もいる

毎朝、

夢を覚えていたら書く。

これを続ける。

すると、

以前より夢を覚えていることが増えたと感じる人もいます。

理由のひとつは、

「夢を覚えよう」

と意識するようになるからでしょう。

普段なら捨てていた情報に、注意を向けるようになります。

夢を思い出そうとすると、逆に消えることがある

これは経験したことがある人も多いでしょう。

「夢なんだったっけ」

と強く考える。

さっきまであった映像が、

なぜかどんどん遠くなる。

言葉にしようとした瞬間、

細かい部分が消える。

夢はそもそも、

論理的でないことがあります。

だから文章として整理しようとすると、

うまく形にできず消えてしまうことがあります。

夢は「物語」になっていないことも多い

夢を思い出すと、

最初は家にいた。

次は学校。

なぜか昔の友達がいた。

突然海。

そこから車。

というように、

場面がめちゃくちゃなことがあります。

でも夢の中では、なぜか自然に感じています。

目覚めると、

「意味分からない」

となる。

脳が記憶として整理するとき、

筋道のない情報は残りにくいことがあります。

感情だけ残る夢もある

内容は忘れた。

でも、

怖かった。

悲しかった。

幸せだった。

懐かしかった。

そういう感情だけ残ることがあります。

これはかなり不思議です。

夢の具体的な場面は消えても、

そのとき感じた感情は残る。

そのため朝から、

「なんか嫌な気分」

「なんとなく幸せ」

ということがあります。

悪夢は覚えていることが多い気がする

怖い夢。

追われる夢。

落ちる夢。

事故。

こうした夢は比較的覚えていることがあります。

強い感情を伴う出来事は、記憶に残りやすい傾向があります。

さらに悪夢で途中で目が覚めれば、

夢の直後に覚醒するので、記憶を保持しやすくなります。

途中で目覚めた夢は覚えやすい

夢を見ている最中や直後に目が覚める。

すると、

夢の内容を覚えている可能性が高くなります。

反対に、

夢を見たあとに別の睡眠段階へ移り、

さらに何時間も眠る。

その間に記憶が消えてしまう。

だから、

朝方の夢だけ覚えていることもあります。

「夢を見た時間」と「覚えている時間」は別

8時間眠る。

その中でいくつもの夢を見ていたかもしれません。

でも朝覚えているのは、最後の数分だけ。

すると、

「今日は一個の夢しか見なかった」

と思います。

でも実際には、覚えていない夢があった可能性があります。

私たちは、

覚えている夢だけを、自分が見た夢だと思っています。

では夢は、何のためにあるのか

これはまだ完全に答えが決まっている問題ではありません。

記憶の整理。

感情処理。

脳活動の副産物。

さまざまな考え方があります。

夢にはまだ分かっていないことが多いです。

だからこそ面白い。

毎晩ほぼ全員が経験しているのに、

まだ完全には説明できない現象です。

夢に昔の人が出てくる理由

何年も会っていない人。

昔の友達。

元恋人。

先生。

突然夢に出てくる。

「なんで今?」

と思います。

脳には、長い時間さまざまな記憶が残っています。

睡眠中に、その断片が何らかの形で組み合わされて夢に現れることがあります。

だから今意識していない人が突然登場することもあります。

忘れていた場所も夢に出る

子どもの頃の家。

昔の学校。

何年も行っていない場所。

夢ではかなり細かく再現されることがあります。

そして起きたあと、

「そういえば、こんな場所だったな」

と思う。

自分では忘れたと思っていた記憶が、完全には消えていない可能性を感じる瞬間です。

夢の中では、知らない顔を見ることもある

夢に知らない人が出てくる。

本当に完全な新しい顔なのか。

昔どこかですれ違った人の記憶なのか。

複数の人物の特徴が混ざったのか。

本人には判断できません。

夢は記憶と想像が混ざるので、非常に不思議な人物が登場します。

夢の内容を信じすぎる必要はない

夢占い。

意味。

未来の暗示。

夢に特別な意味を感じる文化は昔からあります。

楽しむ分には面白いものです。

ただ、

夢の内容をそのまま未来の予言だと考える科学的根拠はありません。

脳が作る非常に複雑な体験として見るほうが現実的です。

それでも夢が気になる理由

夢は自分の脳が作っています。

なのに、

自分でも次に何が起こるか分からない。

知らない物語が勝手に進む。

普段考えていなかった人が出てくる。

だから、

「自分の中から出てきたのに、自分でも理解できない」

という不思議さがあります。

数時間前の夢が完全に消えている

朝。

かなり鮮明な夢。

昼。

「あれ?」

夜。

夢を見たこと自体ほとんど覚えていない。

たった数時間です。

現実で朝起きた出来事なら覚えている。

でも夢は消える。

この差は、夢の記憶がどれだけ不安定なのかをよく表しています。

消えてしまうから、夢は夢らしいのかもしれない

もし毎晩見た夢を、

現実の出来事と同じくらい鮮明に全部覚えていたら。

昨日の記憶に、

現実。

夢。

その両方が残ります。

何年も続けば、

「これは現実だった?」

「夢だった?」

と混乱することが増えるかもしれません。

夢を忘れることは、

現実と夢を区別するうえでも都合がいいのかもしれません。

なぜ夢は、起きた瞬間からどんどん忘れてしまうのか

夢は、

睡眠中という特殊な脳の状態で経験します。

そして、その内容は現実の出来事のように安定した記憶として保存されにくい。

目覚めると、

現実から大量の情報が入ってきます。

その結果、

不安定だった夢の記憶は急速に消えていきます。

だから、

起きた瞬間には覚えている。

数分後には半分。

数時間後にはほとんどない。

そんなことが起こります。

でも考えてみると、

毎晩私たちは、

覚えていないだけで、

たくさんの世界を体験しているのかもしれません。

知らない街。

あり得ない出来事。

昔の人。

まだ存在しない場所。

そして朝になると、

そのほとんどを置いて、

現実へ戻ってきます。

夢は、

毎晩見るのに、ほとんど持ち帰ることのできない物語。

だからこそ、

たまに残った一つの夢が、

妙に心に残るのかもしれません。

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