大人の冒険は、そっと次の世代へ託していい。
空波DX100% さんの 「ちょっとオトナの読書感想文」 に挑戦させて頂きます!
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得意技がネタバレな私は、1文書いては有料記事読み直しを決行!
足しては消して、結果、本文のみの下書きで確認して2026文字。
なんとかいけた….のか!?
これは書く練習になる企画!!
先入観。
こうでなければならない。
こうあるはずだ。
そういったものは、「常識」ということばの元で、正しい。
春の草木は若々しく、淡い緑色で輝く。
秋になると紅葉で赤く染まり、そして枯れ落ちていく。
晴れた穏やかな日、海の色は青々と煌めいている。
それは理想であり、長い年月を経て正しい表現であることを、知らない間に学んでいく。
子供はときに、そのような先入観を持たないからこそ、その目に見た景色を正直にあらわす。
あるいは、想像を巡らせる。
絶対的な基準など、なくていいのだ。
少年の目に映った海の色は緑色。
その事実の前では「常識」などというものはどうでも良く、ありのままを表現した。
ただそれだけだったのだろうと思う。
空波さんの執筆された「夏の1コマ|海を緑に塗った子と、締切を破った私」に登場する小学校低学年くらいの男の子の話。
そのくらいの年齢の頃の世界がどのようなものだったのかを思い出してみる。
「お母さん」という存在はとても大きく、見守りながら、何かをやろうとすればそっと背中を押してくれる。
絵を描けばうまくできないところを手伝ってくれたり、描いたものを褒めてくれる。
やってはいけないことをやったら、叱ってくれる。
そんな存在だったように思う。
そして、そこには、子供側の視点で見る「常識」というものがあったのかも知れない。
子供は、その「常識」を、社会との関わりの中で育んでいく。
その最初の関わりが「お母さん」あるいは「お父さん」、最も身近な大人であるはずだ。
そして、その「常識」がほんの少し崩れたとき。
どうしたら良いのか、不安な思いに襲われたのかも知れない。
お母さんにしたって、きっと本当は海の色が「緑」なのか「青」なのかなんて、ほんのささいな「常識」の掛け違いに過ぎなかったのではないだろうか。
少年の冒険は、そんなちょっとした出来事からはじまる。
きっとやり場のない気持ちがあったのだろう。
絵の具の水をお母さんのパソコンへ。
そして、公園のベンチで、見知らぬ大人と出会うのだ。
「おじさんも、家出ですか?」
そんな印象的な言葉から、少年の冒険は進んでいく。
大人には、大人の事情というものがある。
でも。
同じ時間、そして、同じ場所。
そんな条件が重なれば、この見知らぬ大人ですら、何か自分と似たような境遇に思えてしまう。
曇りのない目には、そんなふうに映るのだということも、当然のことなのかも知れない。
そんなとき、きっと、大人が無理して現実に帰ってしまうのはもったいない。
少年の目には、自分には二度と見ることのできない広大な世界が広がっているのかも知れない。
通りすがりの大人として、ひとときだけ、そっと少年の冒険に寄り添うというのは優しく、温かく、頼もしくも感じる。
ちょっとした行き違いなどというものは、いつだって起きるものだ。
そして、少年が不満に思っていることは、大人から見ると、とても些細でかわいらしいものだった。
見知らぬ大人が、ふと微笑んでしまいそうになることも頷ける。
真夏のお昼頃。
大人との会話は、もしかしたら少年が心の折り合いをつけるための時間だったのかもしれない。
言葉を交わすうちに、少しずつ気持ちをほどいていったようにも思える。
後悔と自責の想いがあったから、誰かと話をしてみたかったのかもしれない。
あるいは、お母さんとの会話に備えて、自信や後押しがほしかったのかもしれない。
もしかすると、ただ誰かに話を聞いてほしかっただけなのかもしれない。
それが何だったのかは、少年本人にしかわからないことだ。
いや、もしかすると、本人にすら、まだわからないことだったのかもしれない。
考えてみると、私はいつから海を青いものだとイメージするようになったのだろう。
緑の海を見たことは、ある。
それでも、海ということばからイメージする最初の色は青なのだ。
海の絵は、青い。
太陽の絵は、赤か黄色。
山を描くなら、緑。
いつからか、何故か、そのようなイメージを確かに持っている。
お母さんはどうだっただろうか。
海の色を青いと表現したことに間違いがあっただろうか。
決して、そんなことはないはずだ。
教わったことなのか、学んだことなのかはわからない。
いずれにしても、「海は青い」という認識は私も同じだし、きっと同じ認識を持っている大人も多いはずなのだ。
けれど、少年の見た海が緑だったということ。
これが間違いだとは、誰にも言えない。
一体、何が正しくて、何が正しくないと言えるのだろうか。
そこに答えが必要なのか。
青いアイスをかじりながら、大人はそっと、冒険を続ける少年の背中を見届け、現実へ帰っていい。
静かに託した小さな冒険が、どんな色を使って彩られていくのか。
それを決めるのは、見送る背中の、その先にあれば良いのだから。
見知らぬ大人は、少年に全ての答えを渡さなくていい。
ほんの少しの勇気を託せば、それを胸に、少年はきっと次の一歩を進めていく。
目の前の夏の景色に、そっと彩りが添えられたのなら、きっとそれだけでいい。
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