[ 人魚裁判所 ]:毎週ショートショートnote
ー 容疑者は水槽の中 ー
↑コチラのお題【人魚裁判所】に参加しました。
でも、内容は人魚裁判になってしまったような……
でも、ショートショートっぽくなってればいいなー、と😊♪

[ 人魚裁判所 ]
「私は、人間です」
と、人魚は裁判所で訴えました。
検察官が尋ねます。
「半分、お魚なのに?」
「これは足です。他の人とは違いますが、これが私の足なのです」
「水槽に入っているのに?」
人魚は、水槽の中の足をバタつかせながら、
「はい、車椅子と同じです。これがないと、日常生活がおくれません」
「だから障害者として扱ってくれと……」
「そうは言っていません。ただ、人として穏やかな生活を認めて欲しい、それだけです。」
「しかし、それは困るのです。なぜなら、あなたの歌声は、あまりにも人を惑わせ過ぎます」
検察官は首を軽く振りました。
「私は、惑わせるつもりはありません」
「あなたが歌うのをやめて、生活するというのなら……」
と、検察官が言ったところで、裁判長が木槌を叩き発言しました。
「検察官、どんな歌声なのかね? 今、歌声を聞かせてもらうことは可能かね?」
「それは、裁判長、止めた方が……」
慌てる検察官に、人魚が遮り、
「構いません、すぐに歌いましょう」
と言うと、裁判長が歌うよう命じました。
息を大きく吸って、人魚が歌い始めようとすると、検察官は慌てて、両手で耳を塞ぎます。
人魚が歌い始めると、たちまち裁判所が、穏やかな歌声に包まれました。
それは、懐かしい故郷へ帰ったような心地よさ。
みんな目を閉じて聴いています。
やがて、人魚が歌い終えると、裁判所は静寂に包まれました。
「裁判長!」
検察官は懸命に大声を上げましたが、木槌の音に消されました。
そして、裁判長は、
「被告は無罪。人間として認めます」
人魚は水槽から飛び上がり、足をバタつかせて喜びました。
検察官は、呆れたように首を振り、
「まんまと惑わされやがって……」
と、ひとりごちました。
おしまい。
↓前回参加したお話はこちら
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おまけのみかん🍊
朝井リョウさんの「イン・ザ・メガチャーチ」のお父さんが言っていたことは、つまりこういうことなのかな? と思いました。
矢沢永吉の名言は数あれど、個人的にはこれが一番好きかもしれない。
— にゃんすけ (@nyansukestudy) August 1, 2026
「必ず、近道がいつか敵になる」 pic.twitter.com/FdnvJW7PWK
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