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北海道!旅行記

大丈夫だと分かっていても、旅行から戻って最初に炊飯器の蓋を開けるときって・・・とても緊張しますよね。

にせおかあさん語録第47章「恐れ」より

 稚内、礼文島、札幌、帯広を巡った一週間。


稚内の駅ビルでちいかわを見る

 空港の自動ドアを出るときはいつもちょっとした感動がある。晩夏でも真夏と変わらない東京の熱気とは違い、稚内の空気は冷たくて、草の匂いがした。
 普通の路線バスの車両に乗客を満載した空港連絡バスは、年に一回でも降りる人がいるのか疑わしいようなバス停をいくつも通り過ぎて、広い笹の草原を走り抜けていく。声問(こえとい)という場所を過ぎて入った稚内市街の街並みはよくある北海道の地方都市のそれで、20年前にも来たことがあるはずなのに、不思議と何も思い出がよみがえってこない。

 稚内滞在中は天気に恵まれなかった。ずっと曇っていて時折小雨がぱらつき、強い風が吹いている。
 駅ちかの宿に荷物を置いてあてどなく街を歩いていると、港のゆという温泉を発見したのでふらっと立ち寄ることに。結構大きくて綺麗な施設で、広い休憩所と食堂付きのスーパー銭湯。
 曇りでも晴れでも、お湯に浸かって空模様や遠くの景色を眺めるのは最高に癒されますね。昼間の露天風呂がお風呂の中で一番好きです・・・。

 夕食は居酒屋で刺し盛とモツ煮。それにお通し、ごはんとドリンク一杯で3,000円。結構賑わってるお店のようで6時ごろには満員。稚内は徒歩10分圏内に意外と多くの選択肢があり、夕食選びには困らなかった。もちろんセコマでホットシェフを買うことだってできる。泊まったホステルではそうしている人も多かった。

 そういえばホステルなのに、知らない人同士で喋ってる人いなかったな。個人的な体験に過ぎないけれど、日本のホステルってそういうこと多いかも。私が若い頃に言った海外のホステルでは同室の人とは必ずあいさつしたものじゃ・・・。

 2日目の朝、メールをチェックするとフェリー欠航のお知らせが届いていた。確かにアプリには暴風雨って出てたけど。慌てて当日の宿と翌日のフェリーを取りなおす。あと一歩遅ければ3万円のホテルに泊まることになるところだった。
 嵐で欠航、特急も運休というわりに、この日雨はあまり降らず、いつも通り私は街を徘徊することにしたが、小さい街でそんなに行くところもない。何より曇り空では、本来観光スポットの目玉であろう景色のいいところに行く気も起きない。真っ白の道が灰色の道ではなあ。
 ということで、いや、どうしたことかその日の午前は稚内駅の駅ビルにある映画館でちいかわを観ることにした。これが人生初のちいかわ。全く無知の状態で席に座った。感想・・・この映画のテーマは弱い心と許されざる罪とかなのだろうか。テーマに迫るまでが冗長で作画やアクションに見ごたえがないとうのが正直な感想ですが、映画を見るという選択自体に後悔はない。私に映画を理解するだけの素養がなかっただけかもしれない(話題らしいので。どう話題なのかは知らない)。
 わざわざ稚内まで行って、全国どこでも見られるちいかわを観るという、この余裕こそ、ニートの本懐である。
 ちいかわのあとは同じビルのフリースペースで相沢食糧百貨店のお弁当を食べました。ここは地元のスーパーで、なんか賞を取ったお弁当が人気とのこと。実際、よくある冷凍食品の詰め合わせ弁当と違い、きちんと作ってあっておいしい。
 それにしても最果ての稚内駅に立派な駅ビルがあるなんてね。列車は日に数本しか来ないのに。道の駅兼バスターミナルでもある。
 稚内市は全体的に公共施設が立派です。昨日の温泉も、この後道すがら入ってみた図書館もすごくきれいで利用客もそこそこ。

味は普通だよ!

 昼食の後は、稚内駅から結構たくさん出ているバスに乗って、日本最北のマクドナルドのあたりで降りる。特に目的地はないが、ハード系のパン屋があるらしい。ロッキーベーカリーは店構えが中々・・・食料品店として店内が片付いてなさ過ぎて購買意欲が低下する。一方でパンのラインナップはかなり本格的。痺れる体験も旅のスパイスだ。
 パンを買ったあとはドナルドと記念撮影をして、南稚内駅や市立図書館を経由して北上していく。地方都市の図書館って、すごくきれいなところが多いな・・・飯能市も綺麗だったし、帯広市も綺麗だった。汚いときは目に留まらないだけか?もちろん世田谷区も負けてはいません。世田谷区の図書館"網"はめちゃくちゃ便利です。区内24か所でオンラインで予約した本を受け取れて、好きな場所で返却できます。3Dプリンタ使える場所もあったり。
 なにが言いたいかと言いますと、図書館は思ったより便利でいい所ですよ、ということ。
 特に何があるわけでもない強風吹きすさぶ稚内市街を抜け、稚内市街のすぐ裏の小高い山にある稚内公園へ。ここには高さ80mのがあり、海抜240mからの景色が眺められます・・・曇りでしたが。ちなみにやっぱりgoogleマップには出てきませんが、旅の起点になるであろう稚内駅から徒歩で行く場合は北門神社の境内を抜けていくのが(もちろん正規の)ベストルートです。道すがらエゾ鹿達に出会えることでしょう。朝食がエゾ鹿カレーだったのは彼らには秘密です。

塔の上から稚内市街を望む

 晩御飯は中央食堂で。ここは夕食時でも定食メニューが食べられるし、味もいいです。特に北海道らしさとかはないけど、旅行中は味の濃い外食に疲れがちなので、そういうときにも良いです。いや、ほっけはあったかな?

正面奥の島影が利尻島、右が礼文島

 3日目は打って変わって綺麗な青空。10時台のフェリーに乗る前に、駅からバスで5分のノシャップ岬へ。小さな水族館もあります。ここでドクターフィッシュ初体験・・・。全然知らなかったのですが朝9時から開いているうに丼の有名店があるので、フェリーに乗る前にノシャップ岬へ行きたい方は、水族館かうに丼かの二択を迫られることになります。
 理由は分かりませんがフェリーターミナル(駅徒歩10分強)はバスが通らないです。

桃岩荘

赤い屋根が桃岩荘。氷食地形。

 それは20年前。自転車旅行をしていた学生時代に噂に聞いた桃岩荘。ここに泊まることが、この旅のハイライト。
 桃岩荘は集落からトンネルを隔てて孤立し、絶壁と海の間にぽつりと建つ元鰊小屋を改装したユースホステルだ。古くからある上に、話題性もありそうなこのYHだが、ネット上に全然情報がない。なんだか不気味な写真と、住所と電話番号のような基礎的な情報だけ。あっても老人の思い出の宿泊体験を綴ったブログとか。他の宿泊者曰く「調べれば調べるほど泊まりたくなくなる」。googleマップの口コミなどには独特の魅力を伝えようとして「頭がおかしい」という言葉が多用される傾向があるが、読む側としては「ああそうか、内輪乗りの思い出に浸っているんだな」「じゃあ泊まるのはやめよう」と思うだけである。
 私が実際泊まって得た印象は、体験型テーマパークと山小屋クオリティの宿が合体した空間。従業員が宿の世界観に浸りきって折に触れて歌って踊り、それに宿泊客も参加する。宿泊客が到着すれば歌って踊って歓迎し、夕日が沈めば夕日に向かって歌い、夕食後はエレクトリカルパレードの代わりに小演劇(参加型)があり、フェリーが出航する時は歌って踊ってのお見送り。フレーバーを醸し出すために、宿内の時計は時差という設定で意味もなく30分ずれており、定期的に独自の符牒の館内放送(緊急連絡!○○発進とかなんとか)が流れ、送迎車にはブルーサンダーエース号(違うかも)と号されている。よく言えばミュージカルの世界、不思議の国のアリス。

桃の形に似ているから桃岩。溶岩ドームらしい。
夕日

 桃岩荘では、4時間ないし8時間のトレッキングが用意されている。実のところ、私はトレッキングがしたくて桃岩荘に泊まることにしたのだ。愛とロマンの8時間コースは島をほぼ縦断する約30㎞のコースで、今回の参加者は20代~70代の男女11人。ちなみにガイドとかはいなくて、地図を渡されて参加者だけで行きます。
 島の多くの場所が森林限界を超えており、開けた草原の先に真っ青な海が広がる独特の景色がとてもきれい。
 なお、8時間コース参加者向けに販売される「名物 圧縮弁当」は非推奨。日の丸弁当並みの寂しい中身で、割高なファングッズ以上のものではない。「いやーマジでおかずが少なくて辛ぇわww」っていう思い出を作るための存在。セコマでホットシェフを買っておくといいでしょう。
 所要時間は長いですが、標高もないし、涼しくて熱中症のリスクも低いので、難易度は低いのではないだろうか。1時間当たりの強度で言えば高尾山の方が上。本当に疲れ切っていたのが1名、余裕ありと結構疲れたが半々くらいだろうか。全員脱落することなく歩き終えることができた。普段から良く歩く人、登山する人なら余裕をもって歩けると思う。わたしはおさんぽ倶楽部活動で10km位なら全然疲れない体にしてきたのだ。
 思えば2年前に仕事を辞めたころは、現場を少し歩くだけでも結構疲れて、なんでこんなに疲れるんだろうと頭の片隅で感じていた。noteを遡ってみると9㎞歩いて足が棒になったなんて記事もあるな・・・。

 仕事辞めてから体力はかなり回復した気がする。

 書きながら改めてどんな宿なのか考えてみたが、話した人のほとんどがノマド気質だった ーリゾートバイトの休日(複数)とか、自転車・バイク・キャンピングカー旅行中、FIRE、独立ニート・・・ ーので、まあそういう人が集まる宿と言うことだろう。ネットの情報などあってもなくても訪れる人は訪れるのだ。ゲームに例えるとデス・ストランディングが好きな人向け。何で例えたのか全然分からないけど。

礼文島から札幌への裏技

 4日目。この日もいい天気。港でフェリーが見えなくなるまで十数人が歌って踊っての盛大なお見送りを受け、利尻島へ渡ります。乗換案内で礼文島から札幌を検索するとフェリーで稚内へ渡り、そこからバス・鉄道というルートと、フェリーで利尻島へ渡り飛行機というルートが出てきます。なお、利尻島経由のルートはgoogleマップの経路検索はクソなので出てこないです。
 利尻島内は鴛泊港から空港への公共交通機関がない(需要無いのかな)のがネックで、タクシーになるのですが・・・実は徒歩で1時間くらいでいけます。そしてなんと、港と空港にはLOOPがあります。スーツケースだと無理ですが、バックパッカーならLOOP移動はアリだと思います。私は徒歩でスーツケース転がして行きましたけどね。道は平たんで、気温も低いので、全然あり。なしよりのあり。

 港について最初にしたこと、それは口にするのも憚れるような値段のうに丼を食べることでした。それだけの価値があったのか?それは分かりませんがそれだけのプリン体は入っていたと思います。本当に味は違うのか確かめたくて、帰京した後にスーパーでウニの軍艦巻きを買って食べましたが、数日空いていても分かるくらい明確に違いました。

 空港までの道すがら、少し寄り道すると温泉があることに気づいた私。この日、飛行機が遅延し時間に余裕ができたこともあり、上り坂にもかかわらず吸い込まれてしまう。入浴料も500円(公衆浴場なので)と安価で露天風呂もあり、休憩所も広く快適だった。露天風呂からは周囲の林の緑が見える。

道すがら巨大かぼちゃ発見

 接続する飛行機には早着の新千歳行きANAと、遅着の丘珠行きのJALとありますが、温泉と食事を前提にしてJALもありかも。丘珠の方が便利そうだしね。

札幌へ、そして帯広でTeamLaboを体験する

 特に考えもなしに、のんびりしたいからという理由で札幌経由に。新千歳から札幌も札幌市内の移動もそこそこ掛るので、帯広駅前のホテルに直行の方が楽だったかも。和室に泊まりたくて選んだのが中村屋旅館。洋室より家具が少なくて広々するので好きなんですよね。札幌が一番宿泊費の相場が低かったな。抜群に安くて7,000円台とか普通にあるのね。同じ期間、東京どころか帯広でも1万円越えが普通だったのに。
 北海道の物価は統計上は全国3位で高いはずだが、外食についても安く感じた。うに丼意外は。東京のお洒落クロワッサン1個500円とか見てるともうね。スーパーの値段は一緒です。
 札幌では本当に何もしなっかたな。

礼文から帯広に行きたい場合
 無駄に札幌経由したが、新千歳から帯広へバスが出ているので、直接向かうのが吉。

Tips

 5日目。帯広には特急列車で。前日までにえきねっと経由での購入がお得。ということも直前に調べて知った。この日の宿は駅前のリッチモンドホテル。この旅で一番いい宿(ビジホ)。シングルルームでも結構広くて綺麗。アメニティの化粧水が凄くいい匂いだった。

一足早いコスモス

 にせおかあさんあるあるなんだけど、なんか行ったことないからとか曖昧な理由で旅先を決めがち。今回帯広に来たのも、別段何が観たいからとかではなかった。豚丼は食べたいなくらいの気持ち。だから何にもプランがない。
 午前中に到着して、駅前でレンタサイクルを借りることに。またしても天気は曇り。とりあえずお昼をたべにますやパン麦音へ。帯広のローカルチェーンの大型店で、なんか馬がいてテラスで食事できます。街のパン屋さん系統で、お手頃価格。駅にもあるよ。
 やることがなければ、取り合えずミュージアムだ。なんだかんだ美術館や歴史資料館の類はどの町にもある。まさかチームラボだとは思わなかったけど。東京に常設のがあるやん?でも混んでるらしいで。自分が描いた絵がスキャンされて、水槽に見立てた壁一面のスクリーンを泳ぐやつ。あれをやりました。コレクション展の規模がかなり小さいのは残念。
 あとは公園でエゾリスを見つけたり、とかちむらでお土産を買ったり、六花亭本店へ行ったりして、夕方にはホテルに戻ってゴロゴロ。夕食はゆうたくで豚丼を。豚丼の相場は知らないけど、ロースかつ定食1,100円はかなりお手ごろ。おいしいよ。

 最終日。また雨。この日は帯広のローカルカレーチェーン「カレーショップインデアン」で食べると決めていたので、11時に本店へ。欧風カレーで、ココイチやC&C ーあまり覚えていないのだがー なんかより断然美味しい気がする。
 空港連絡バスは各ホテル前まで飛行機に合わせて迎えに来てくれるし観光バスタイプで楽ちん。これでこの旅もおわり・・・。
 いや、最後にセコマのTシャツ買った!エモい!エモいよね?

 スマホを羽田空港で落とした。とりあえず機内だったら帯広に行ってしまうと思い慌てて航空会社のカウンターへ。色々探してもらったが見つからず、今度は空港のインフォへ行くと、有難いことに届いていました。あと人生で何回スマホを落とせば私は気が済むのでしょうか。スマホの重要性が日々、世の流れとして増していく中で、スマホ紛失のリスクが大きくなっていって怖いですね。eチケットとか2段階認証とか何をするにもスマホを起動。なんで注文するのにスマホがいるんだよ・・・。スマホが見つかった場合の連絡先ってなんやねん。最後の最後に本当に疲れましたとさ。2台持ちもそのうち考えるか・・・。スマホの次はAIを押し付けられてその管理にひいひい言うのか。

みやげ