600円で、息子3人の愛は買えるのか。
600円で、息子3人の愛は買えるのか。
そんな、父親として少しどうかと思う実験を思いついた。
きっかけは、たかっちPさんの「#600note祭り」である。
今回のお題は、
「600から連想したもの」
または、
「ちょっと驚いた話」。
600。
600……。
600円。
そして、僕には息子が3人いる。
つまり、一人200円。
よし。
息子3人に600円を渡して、駄菓子を選んでもらおう。
そして、こうお願いする。
「パパのお菓子も買ってね」
果たして息子たちは、自分の欲しいお菓子を少し我慢して、僕の分も買ってくれるのだろうか。
今日は、息子たちの金銭感覚を育てたい。
相談する力。
計算する力。
我慢する力。
そんなものを学んでもらいたい。
……というのは建前である!!
僕が本当に知りたいのは、ただひとつ。
息子たちは、パパのお菓子を買ってくれるのか。
今日、試されるのは息子たちの金銭感覚ではない。
僕への愛である。

スーパーの駄菓子売り場へ
近所に駄菓子屋さんがないので、向かったのはスーパーの駄菓子売り場。
色とりどりのお菓子が並ぶ棚を前に、息子たちの目が輝く。
僕は600円を渡して、ルールを説明した。
予算は、3人合わせて600円。
欲しいものを相談して選ぶこと。
そして、お父さんのお菓子も忘れないこと。
「パパの分も買ってね」
大事なことなので、もう一度言った。
息子たちは元気よく駄菓子売り場へ向かった。
ここから、三兄弟の性格が見事に分かれた。
長男は、値段を確認しながら慎重に選ぶ。
欲しいお菓子を手に取っては、残りのお金を考えている。
さすが小学一年生。
我が家の未来の財務大臣である。
次男は違う。
欲しいと思ったものを、迷わずカゴへ入れていく。
値段を見る前に、心が決まっている。
長男が家計を守る人なら、次男は経済を回す人だった。
そして三男。
まだ600円という制度を理解していない。
そもそも、お金というものをどこまで理解しているのかも分からない。
しかし、お菓子が魅力的であることだけは、誰よりも理解していた。
長男は家計を守り、
次男は経済を回し、
三男は今を生きていた。
同じ家で育っているはずなのに、経済思想がまるで違う。

それでも三人で、あれがいい、これがいいと楽しそうに選んでいる。
僕は少し離れたところから、その姿を眺めていた。
さて。
僕のお菓子は、何を選んでくれるのだろう。
甘いものだろうか。
しょっぱいものだろうか。
息子たちは、僕が普段何を食べているか覚えているだろうか。
楽しみである。
実に楽しみである。
600円で、愛は買えたのか
買い物を終えて、家に帰った。
テーブルの上に、戦利品が並べられていく。
長男のお菓子。
次男のお菓子。
三男のお菓子。
色とりどりの駄菓子が、次々と姿を現す。
僕は待った。
「これ、パパの!!」
そのひと言を。
待った。
、、、待った。
しかし、その言葉は出て、、、こない。
テーブルの上には、たくさんのお菓子。
息子たちの前にも、お菓子。
僕の前には、
3人の我が息子達の笑顔。

念のため確認してみた。
「パパのお菓子は?」
三人の顔を見る。
誰も答えない。
うん。
パパは3人の笑顔が見れればそれで十分だ!!!
600円で、息子3人の愛は買えるのか。
答えが出た。
買えなかった。
600円は、ほぼきれいに使われていた。
パパのお菓子もなければ、追加で買えるだけのお金も残っていない。
愛だけでなく、余りもなかった。
最初にくれたのは三男だった
息子たちは、自分で選んだお菓子を嬉しそうに食べ始めた。
袋を開ける音。
楽しそうな声。
テーブルを囲む、幸せそうな三兄弟。
その隣で、何も食べるものがない父。
自分で始めた実験なのに、少しだけ寂しい。
いや。
かなり寂しい。
そんな僕に最初に気づいたのは、三男だった。
三男は、まだ上手におしゃべりができない。
最近、少しずつ言葉が増えてきたところだ。
その三男が、自分のお菓子をひとつ手に取った。
小さな手を、僕のほうへ伸ばす。
そして言った。
「パパ、どーじょ」

最初にくれたのは、三男だった。
600円の意味も分かっていなかった三男。
値段も、残金も、この実験の趣旨も分かっていない。
でも、お父さんにお菓子がないことだけは分かったらしい。
僕は三男から、お菓子をひとつ受け取った。
すると、それを見ていた次男も、
「パパ、これあげる」
と、自分のお菓子をひとつくれた。
最後に長男も、
「じゃあ、俺もひとつあげる」
僕の手のひらに、3つのお菓子が集まった。

お店では、誰も僕のお菓子を買ってくれなかった。
でも家に帰ったら、3人とも自分のお菓子を分けてくれた。
最初から僕のために買うよりも、
一度自分のものになった大切なお菓子を差し出すほうが、もしかしたら難しいことなのかもしれない。
600円じゃ買えなかったもの
600円で、息子3人の愛は買えなかった。
なぜなら、
愛は最初から売り物ではなかったからだ。
僕の手のひらに残った、3つのお菓子。
値段にすれば、ほんの数十円。
それなのに、僕には600円よりもずっと大きく見えた。
長男は、計算しながらお菓子を選んだ。
次男は、自分の気持ちに正直にお菓子を選んだ。
三男は、よく分からないままお菓子を選んだ。
でも最後は、3人とも自分のお菓子を僕に分けてくれた。
息子たちからもらったのは、駄菓子だけではない。
思いやり。
優しさ。
そして、
600円では買えない、小さな愛だった。
そんなことを考えながら、3人からもらったお菓子を顔を少し背けながら食べた。
いつもの駄菓子より、少しだけしょっぱく感じた。
そして僕は、この感動を曲にすることにした。
600円でお菓子を買い、
その出来事をnoteの記事にして、
曲を作り、
YouTubeにも投稿する。
さらに、あわよくば「#600note祭り」で賞まで狙っている。
気づけば、600円をいちばん使い倒していたのは僕だった。
息子たちは、自分のお菓子を分けてくれた。
父親は、その優しさを記事と曲と動画に分けた。
息子たちの愛は、プライスレス。
父親の下心は、マルチメディア。
なお、YouTubeはまだ収益化されていない。
安心してほしい。
今のところ、我が家の収支は完全にマイナスである。
これが「ちょっと驚いた話」である。
歌にしてみました🎵
https://youtu.be/uQHnoLYiG84?si=5WyZUtwFAQu-DD3n



#500note祭り の時↓
