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【noteで目指すもの】答えをもらう場所ではなく、考え始める場所をつくりたい


答えがすぐに手に入る時代に、失われていくもの

SNS、動画、オンライン講座、Podcast、そしてAI。
今は、何か疑問を抱いても、すぐにオンラインで答えが見つかる時代です。

それは、小学校レベルの算数の計算のように
答えが明確なものに限らず
人生に迷った時の疑問なんかでも「そう」で

「こうすれば成功できる」「このように考えれば楽になれる」
と、誰かの経験をOvergeneralizeして
あたかも正解かのように提示してきたりもします。
「あなたに必要なのはこれです」と。
(私達のことをろくに知りもしないのにね。笑) 


情報が手に入りやすくなったこと自体は、素晴らしいこと。

でも、答えを受け取ることに慣れるほど、私達は
「自分は本当は何を望んでいるのか」「どの意見を採用するのか」
「その選択の結果を引き受けられるのか」を
自分で考えなくなってしまうのも事実です。 

誰かが示してくれた正解を選ぶことと自分で考えて決めることは、同じではない。
便利な時代だからこそ、自分の人生や日々の出来事について考える力を
意識的に守る必要があるのではないかと考えています。
 

自分の人生の「著者」になる【Self-Authorship】

私が大切にしたい考え方に、Self-Authorshipという概念があります。

Self-Authorshipは
教育学者Marcia Baxter Magoldaらによって発展してきた概念で
直訳すると「自分自身の著者になること」を意味します。

周囲の期待や、権威ある人の意見をそのまま自分の答えにするのではなく、
自分の信念や価値観を、自分の内側の基準から組み立てていく力です。

他者の経験や知識に耳を傾け、社会との関係も考えたうえで
最後には「私はこれを選ぶ」と言えること。
そして、新しい経験や他者との出会いを通して
自分の考えを見直し、必要であれば選び直すこと。

こうして、自分の人生に責任とOwnershipを持つ、という概念です。 

人生に「正解」なんてない

仕事、子育て、教育、サービスの選び方、AIとの付き合い方、日本人として海外で生きること。
こうしたことには、誰にでも当てはまる「一つの正解」があるわけではありません。

何を正解とするかは、人によって異なります。
置かれている状況や、人生のタイミングによっても変わります。
そもそも、こうした人生上の選択を
「正解か、不正解か」という二つの基準だけで語ること自体が、
適切ではないのかもしれません。


また、同じ選択であっても
その背景にある価値観や状況は人それぞれです。

例えば、二人の人が同じように転職を選んだとしても
一人は新しい挑戦を求めているのかもしれませんし、
もう一人は家族との時間を大切にしたいと考えているのかもしれません。

表面的には同じ「転職」という決断であっても
その人にとっての意味はまったく異なります。


だからこそ、誰かの選択を参考にするときに目を向けたいのは
その人が出した結論だけではありません。
どのような状況の中で、何を大切にし、どのような迷いや葛藤を経て、
その結論にたどり着いたのかという思考の過程です。

必要なのは、どこかにある「正しい答え」を探し続けることではなく
複数の考えや生き方に触れたうえで、
「では、私はどう考えるのか」「私はどうしたいのか」と
自分自身に問い返すことなのだと思います。


考える力を奪わない優しさ

誰かが悩んでいる時、多くの人はつい、答えを与えたくなります。

「こうすればいいよ」
「あなたは悪くない」
「気にしなくて大丈夫」

そうした言葉に救われることもあります。
人が立ち直るためには、安心できる場所や、自分を否定されない経験も必要です。

でも、相手に代わって結論を出し続けることが
本当にその人のためになるとは限りません。

つらかったことを認める。理不尽だったことも認める。
そのうえで、「ここから何を選ぶのか」を一緒に考える。

相手を信じるとは、全てを肯定することではなく
その人には自分で考え、自分で選び、
必要であれば選び直していく力があると信じることでもあります。

相手を「導かなければならない存在」と見るのではなく
自分の人生を自分の足で歩いていける存在として信じること。
それもまた、一つの優しさなのではないかと私は思っています。


私が大切にしたいのは、相手の考える力を奪わない優しさです。

このnoteも、読めば答えが分かり、全てが解決する場所にはならないと思います。
むしろ、今まで見えていなかった問いが増えることもあるでしょう。

このnoteは、何か一つの考えを信じてもらうために書くものではありません。
急いで結論を出すのではなく、一つの問いについて立ち止まり、
自分なりに考える時間を持つための場所にしてもらいたいと思っています。


誰かが用意した答えに、自分の人生を預けないこと。
他者の考えに耳を傾けながらも、最後は自分の言葉で考えること。
そして、自分が選んだことの結果から逃げず、必要であればもう一度選び直すこと。

誰かの言葉を聞くことも、文章を読むことも
正解を受け取るためだけにあるのではありません。
自分は何を大切にしたいのか、自分は本当はどう考えているのかに
気づくためでもあります。


このnoteを読み終えたとき、答えを持ち帰っていただく必要はありません。

ただ、一つでも新しい問いを持ち帰っていただけたなら。
そして、その問いが
皆さん自身の人生を少しだけ深く考えるきっかけになれたなら。
 
これほど嬉しいことはありません。


Happy Learning & Happy Teaching!!!!!