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夜間クエスト:寝落ちバブ搬送作戦

テレビの前で抱っこしていたら、
二歳の子どもがそのまま眠ってしまった。

完全スリープ。
呼吸は深く、手足は脱力。
この状態で起こすわけにはいかない。

一方で、母の体は限界を迎えている。
トイレに行きたい。
キッチンには鍋が置きっぱなし。
リビングのテレビとエアコンはついたまま。
寝室の加湿器には水が入っていない。

静寂の中で、
頭の中にクエストログが立ち上がる。

今やるべきことは何か。
順番を間違えたら、すべてが崩れる。

最優先事項は、トイレ。
判断力を保つために、
ここは迷わない。

次に、リビングの最低限のリセット。
テレビとエアコンを切る。
音を立てないよう、動きは最小限。

子どもを起こさないことが、
このクエスト最大の制約条件だ。

そして、いよいよ搬送。
腕に残るぬくもりを感じながら、
慎重に寝室へ向かう。

廊下の一歩一歩が、やけに長い。

布団にそっと下ろすと、
子どもは一瞬だけ眉をひそめ、
それでも、目を覚まさなかった。

成功。

次は環境整備。
寝室のエアコンをつけ、
加湿器に水を入れる。
音と光に気を配りながら、
必要なことだけを、静かに。

最後に、キッチンへ戻る。
鍋にラップをかけ、冷蔵庫へ。

すべてのタスクが完了したとき、
家の中は、ようやく一つの呼吸になった。

バブは安眠。
母はノーダメージ。

特別なことは、何もしていない。
ただ、
日常を壊さないための小さな判断を、
積み重ねただけ。

今日もまた、
静かに実績が解除される。

「静寂の運び手」

この称号を、
誰に見せることもないまま。

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