朝の寄り道と、ほかほかスコーン
子どもを保育園に送り出した朝は、
いつもより空気がすこし軽かった。
絵本を図書館に返して、
そのまま車を走らせる。
気づけば、スタバのドライブスルーの列に並んでいた。
衝動みたいなものだったのかもしれない。
でも、たまにはこういう朝があっていい。
フラペチーノをひとつ。
そして、久しぶりのチョコレートチャンクスコーン。
「温めますか?」と聞かれて、
はい、と答える。
手に渡されたスコーンは、袋越しでもわかるほど、ほかほかしていた。
外はサクッと、
中のチョコはとろりと溶けて、
ひとくち食べた瞬間、胸の奥がふわっとゆるんだ。
何年ぶりだっただろう。
こんな朝に、こんな味を思い出すなんて。
たった10分の寄り道なのに、
心に静かな灯がともる。
忙しさに追われていると忘れてしまうけれど、
こういうひとくちの余白が、
私をそっと立て直してくれる。
今日を始めるための、小さなごほうび。
そんな朝だった。
