朝のお願いします
保育園に子どもを送ると、
保育士さんから「いってらっしゃい」と見送られる。
みなさんは、なんと返しているのだろう。
私は、毎朝少しだけ迷う。
「行ってきます」なのか。
「お願いします」なのか。
それとも「失礼します」なのか。
考えるほど、わからなくなる。
子どもを先生に託して、私は仕事へ向かう。
だから、やっぱり
「行ってきます」なのだろうか。
でも、家族に言う
「行ってきます」とは、少し違う気もする。
先生たちは、これから子どもと一日を過ごす人たちだ。
朝、保育室に入ると、先生が笑顔で迎えてくれる。
子どもは靴を脱ぎ、てくてくと保育室へ入っていく。
振り返ることもあれば、振り返らない日もある。
先生に抱きつく日もある。
そんな姿を見ながら、私は玄関で立ち止まる。
そして先生が言う。
「いってらっしゃい」
私は少し笑って、軽く頭を下げて、
結局こう言う。
「お願いします」
それがいちばんしっくりくる気がする。
これから一日、この子を見ていてください。
そんな気持ちが、いちばん近い言葉だからだ。
保育園は、子どもを預ける場所。
でも同時に、子どもが一日を過ごす場所でもある。
先生たちは、その時間を一緒に過ごしてくれる人たち。
だから私は今日も、
子どもを送り届けて、
玄関で一度立ち止まる。
そして、小さく頭を下げて言う。
「お願いします」
それが、私の朝の「いってきます」だ。
