からだからの連絡
私は、
トーストした食パンに
マーガリンをたっぷり塗って食べるのが好きだ。
焼き目がついたところに、
少し白さが残るくらいの量。
溶けて、しみて、
パンの表情が変わるのを見るのも含めて、好き。
今朝も、
二枚の食パンと、
子どもが残した食パンに、
迷いなくマーガリンを塗った。
食べ終わってしばらくしてから、
お腹に、違和感がきた。
チクチク。
小さくて、はっきりしない痛み。
我慢できないほどじゃない。
でも、確実に、
そこにある。
心当たりは、少しだけある。
昨夜、夜中に目が覚めてしまってから、
なかなか眠れなかった。
目を閉じても、
頭だけが起きている感じ。
結局、
スマホゲームをして、
漫画を読んで、
時間だけが進んでいった。
眠れない夜に、
何かを詰め込む癖は、
昔からある。
静かにしていると、
考えすぎてしまうから。
朝になって、
いつも通りの顔で起きて、
いつも通りの朝を始める。
でも、
体は、
ちゃんと覚えている。
睡眠の浅さも、
目の疲れも、
夜のだらだらも。
お腹の小さな痛みは、
たぶん、
注意喚起だ。
「少し、無理してるよ」
「ちゃんと休んでないよ」
声にならない声で知らせてくる。
私は、
マーガリンの量を疑いながら、
本当は、
自分の夜の過ごし方を思い返している。
母になると、
体調不良は、
派手に出ない。
熱を出すわけでもなく、
倒れるわけでもなく、
ただ、
地味に続く。
チクチク。
じわじわ。
それでも、
今日も一日は始まってしまう。
お腹を気にしながら、
家事をして、
子どもに声をかける。
母の体は、
いつも後回しだ。
でも、
こうして不調として現れることで、
ようやく、
気づくこともある。
今朝の腹下しは、
叱られているわけでも、
罰でもない。
ただの、
記録。
ちゃんと休めていない、
という事実の。
