見出し画像

サバイバル育児

体調が優れない日の育児は、過酷だ。

熱があるわけじゃない。
倒れるほどでもない。
ただ、
体が重くて、
頭がはっきりしなくて、
一つ動くたびに、少し消耗する。

こういう日が、
いちばん厄介だ。

子どもは、
いつも通りに起きて、
いつも通りに動く。

ごはんを食べて、
遊びたがって、
話しかけてくる。

待ってはくれない。

私は、
ソファから立ち上がるまでに、
少し時間がかかる。

「ちょっと待ってね」

その「ちょっと」は、
体を起こすための時間で、
考えをまとめるための時間で、
気力を集めるための時間だ。

この日の育児は、
理想を目指さない。

安全。
最低限。
静か。

それだけを、
目標にする。

テレビをつける。
おもちゃを一部だけ出す。
散らからない配置にする。

危ないものは、
最初に遠ざける。

叱らない。
諭さない。
説明しすぎない。

体調が悪い日は、
感情の処理まで引き受けない。

子どもが泣いたら、
抱きしめる。

それ以上は、
しない。

母の体力が落ちている日は、
母の判断力も落ちる。

だから、
選択肢を減らす。

「どれにする?」
と聞かない。

「これにしようね」
と決める。

それは、
支配じゃなくて、
サバイバルだ。

今日を、
無事に終えるための。

夕方になるころ、
体はさらに重くなる。

それでも、
子どもは生きている。
私も、生きている。

それで十分だ。

理想の育児ができなくても、
丁寧じゃなくても、
笑顔が少なくても。

今日は、
生き延びた。

体調が悪い日の育児は、
教育じゃない。
修行でもない。

ただの、
サバイバル。

そして、
それを選べた自分を、
責めないことも、
大事な判断だ。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集