アンパンマンをめくる夜
最近、電子図書館というものを知った。
登録してみると、なんと便利なことだろう。
図書館に行かなくても本が借りられて、
画面の中でページがめくれる。
通勤電車の中で読んでいた頃とは違う、
家の中の静かな読書時間。
子ども向けの本はあるのかなと思って調べてみると、
アンパンマンの絵本が読み放題だった。
ためしに一冊開いて、子どもに読んでみた。
するとその日から、寝る前になると、
子どもが自分でテレビを消して言う。
「アンパンマン、みたーい」
そう言いながら、
小さな足でとことこ歩いてきて、
私のひざの上によじのぼる。
体温が重なって、ページをめくるたびに
ほんのり指先があたたかい。
あの日から、夜の静けさの中で
アンパンマンの物語を読むのが、
すっかり私たちの日課になった。
読書の時間は、
本を読むためのものじゃなくて、
寄り添うための時間なんだと気づく。
電子のページの向こう側で、
今日もアンパンマンが笑っている。
その笑顔を見て笑う子どもの顔が、
いちばん好きな一ページになった。
