一年の成長
4月。
進級した新しいクラス。
最初は、きっと泣くだろうと思っていた。
先生も、一人は進級前と同じだけれど、他の先生たちは変わった。
環境が変われば、少しは戸惑うはずだ。
そう思っていた。
けれど、子どもに泣く余裕はなかったようだ。
自分でできることが増えて、朝の準備も保護者ではなく、子どもたちでやるようになったから。
子どもはそれを楽しんでいるようだった。
靴を脱いで、荷物を出して、決められた場所へしまう。
ひとつひとつ、自分でやっていく。
思っていたよりずっと自然で、迷いがなかった。
朝の準備を終えると、自分の荷物を持ってすたすたと保育室の中へ入っていく。
途中で、ふと立ち止まる。
思い出したように振り返って、
「バイバイ」
小さく手を振る。
タッチをして、それで終わり。
すぐに背を向けて、また歩いていく。
あっさりしたものだ。
去年の今頃は、知らない先生に囲まれて、泣いて私から離れなかったというのに。
たった一年で、こんなにも変わるものなのか。
子どもは私が思っているよりずっと早く、前に進んでいく。
私は手を振ったまま、その小さな背中を見送る。
感慨深い、なんて言葉で片づけるには、少し惜しい気持ち。
大きくなったなあ。
