コンピテンシー評価の効果を3倍にする方法
「コンピテンシー評価を導入したのに、現場が変わりません」
「項目は作ったのですが、評価者によってバラバラです」
「そもそも、コンピテンシー評価って、本当に効果があるんですか?」
経営者・人事責任者の方から、本当によくいただくご相談です。
人事コンサルタントとして、5,000人を超える面接、数十社の組織支援、4名から100名超への垂直立ち上げを経験してきました。
その経験から、断言できることがあります。
コンピテンシー評価は、正しく設計すれば、組織を根本から変える力を持っています。
でも、多くの会社では、その力の3分の1も、引き出せていません。
今日は、なぜコンピテンシー評価が機能しないのか、そして、その効果を3倍にするために何をすべきかを、構造でお話しします。
◆まず、コンピテンシー評価の本質を、一言で
最初に、コンピテンシー評価の本質を、明確にさせてください。
コンピテンシー評価とは、何か。
私の答えは、こうです。
再現性がないと思われる所作や行動、マインドを、自社の言葉で言語化すること。
多くの人が、コンピテンシー評価を、「能力評価」や「スキル評価」と混同しています。
でも、コンピテンシーは、能力やスキルとは違います。
能力は、「何ができるか」。
スキルは、「何を知っているか」。
コンピテンシーは、「どう行動するか」「どう振る舞うか」「どういうマインドで仕事に向き合うか」。
そして、その「どう」の部分は、多くの場合、再現性がないと思われています。
「あの人は、なんか違う」
「あの人の仕事の進め方は、真似できない」
「あの人のお客様への向き合い方は、特別だ」
この"なんか違う"を、言語化し、評価項目に落とし込み、組織全体で再現可能にする。
これが、コンピテンシー評価の本質です。
◆コンピテンシー評価が機能しない会社の、三つの共通点
ここから、正直にお伝えします。
コンピテンシー評価を導入したのに機能していない会社には、三つの共通点があります。
一つ目、コンピテンシーの定義が、抽象的すぎる。
「主体性がある」
「コミュニケーション力が高い」
「リーダーシップを発揮する」
多くの会社のコンピテンシー項目は、このレベルで止まっています。
でも、「主体性がある」とは、具体的に、どんな行動を指すのか。
「コミュニケーション力が高い」とは、具体的に、どんな場面で、どんな振る舞いをすることなのか。
ここが定義されていないと、評価者は、自分の解釈で評価をつけます。
結果として、評価者によってバラバラ。
社員は、「何をすれば評価されるのか」がわからない。
抽象的なコンピテンシーは、壁に貼った標語と同じです。
誰も、行動に移せません。
二つ目、「優秀な社員」の定義が、されていない。
コンピテンシー評価は、本来、「自社にとっての優秀な社員」の行動特性を、言語化するものです。
でも、多くの会社では、「優秀な社員とは、どんな人か」を、明確に定義していません。
「なんとなく、あの人は優秀だよね」
「売上を上げている人が、優秀でしょう」
この曖昧さのまま、コンピテンシー項目を作ってしまう。
結果として、「どこの会社にもありそうな、汎用的なコンピテンシー」が並ぶだけの、意味のない評価シートが出来上がります。
三つ目、他社のコンピテンシーを、そのままマネしている。
これは、以前お伝えした「大企業の制度をコピーする」問題と、まったく同じ構造です。
「あの有名企業が使っているコンピテンシーを、うちにも導入しよう」
「この本に載っているコンピテンシーモデルを、参考にしよう」
他社のコンピテンシーは、他社の文化、他社の事業、他社の社員の行動特性から、生まれたものです。
自社に合うはずがありません。
コンピテンシーは、外から持ってくるものではなく、自社の中から掘り出すものです。

◆コンピテンシー評価の効果を3倍にする、三つのアプローチ
ここから、コンピテンシー評価の効果を3倍にする、具体的なアプローチをお伝えします。
一つ目、自社の文化・戦略と、コンピテンシーを紐づける。
コンピテンシーは、自社の文化から生まれるべきものです。
「うちの会社が大切にしている価値観は、何か」
「うちの事業戦略を実現するために、社員にどんな行動を求めるのか」
「うちの組織文化の中で、どんな振る舞いが"優秀"なのか」
この問いに答えることから、コンピテンシー設計は始まります。
文化と切り離されたコンピテンシーは、額縁の中の標語と同じです。
文化と紐づいたコンピテンシーは、社員の日々の行動を、静かに導いてくれます。
二つ目、優秀な社員にインタビューし、行動レベルで定義する。
これが、最も重要なアプローチです。
自社の中で、「この人は本当に優秀だ」と、経営陣が認める社員。
その社員に、じっくりとインタビューをします。
「日々の仕事で、何を大切にしていますか?」
「お客様に対して、どんなことを意識していますか?」
「困難な場面で、あなたはどう判断しますか?」
「チームで仕事をする時、何を心がけていますか?」
ここから出てくる行動や所作やマインドを、言語化する。
そして、その行動を、具体的な行動レベルで、定義する。
「主体性がある」ではなく、
「自分のタスクが完了した後、チームの他のメンバーに"何か手伝えることはありますか?"と声をかけている」
「コミュニケーション力が高い」ではなく、
「お客様からの質問に対して、24時間以内に、一次回答を返している」
このレベルまで落とし込んで、初めて、コンピテンシーは評価基準として機能します。
三つ目、コンピテンシーを、育成と評価の両方に使う。
多くの会社では、コンピテンシーを「評価の時だけ使うもの」として扱っています。
半期に一度、評価シートを開いて、コンピテンシーに点数をつける。
それで終わり。
これでは、コンピテンシーの力の3分の1も引き出せません。
コンピテンシーは、日常の育成にこそ、使うべきものです。
1on1で、「先月、このコンピテンシーに沿った行動が、ここで見られたね」とフィードバックする。
目標設定の時に、「今期は、このコンピテンシーの中で、特にここを伸ばそう」と対話する。
朝礼や全社会議で、「この行動は、まさに我が社のコンピテンシーを体現している」と称える。
評価の時だけ引っ張り出すコンピテンシーは、年に一度しか使わない道具と同じです。
毎日使う道具にして、初めて、組織に根付いていきます。
◆「再現性がない」と思われていることを、再現可能にする
ここで、もう一段、深い話をします。
コンピテンシー評価の真の価値は、ここにあります。
「あの人は特別だから、真似できない」
「あの人のセンスは、教えられるものじゃない」
「あの人の仕事の進め方は、才能だよ」
多くの組織で、優秀な社員の行動は、"再現不可能な才能"として、片づけられています。
でも、本当にそうでしょうか。
優秀な社員の行動を、丁寧に分解し、言語化してみると、実は、「誰でもやろうと思えばできる、具体的な行動の積み重ね」であることが、ほとんどです。
才能ではなく、行動。
センスではなく、習慣。
特別な力ではなく、意識的な選択の繰り返し。
これを言語化し、評価項目に落とし込み、他の社員も実践できるようにする。
これが、コンピテンシー評価の真の価値です。
一人の優秀な社員の力を、組織全体の力に変える。
再現性がないと思われていたものを、再現可能にする。
だからこそ、コンピテンシー評価は、組織を根本から変える力を持っているんです。

◆経営者の方への、最後の三つの問い
最後に、三つだけ、問いを残します。
御社のコンピテンシーは、抽象的な標語で止まっていませんか?行動レベルで定義されていますか?
御社のコンピテンシーは、自社の優秀な社員の行動から抽出されていますか?それとも他社のマネですか?
御社のコンピテンシーは、評価の時だけ使われていませんか?日常の育成にも活用されていますか?
この三つに、自信を持って答えられないなら、御社のコンピテンシー評価は、まだ本来の力の3分の1も引き出せていない可能性があります。
◆"SAIKA(サイカ)"のご紹介
コンピテンシー評価を、正しく設計し、日常の育成と評価の両方に活用する。
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名前は、"SAIKA(サイカ)"です。
コンセプトは、"才能をひらき、組織を強くする"。
一人ひとりの中に眠っている再現可能な行動特性を、正しく評価し、育て、組織全体の力に変えていく。
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コンピテンシー評価の設計・運用に悩んでいる経営者の方に、本気で向き合っていただきたい。
その最初の一歩を、私たちが支援します。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
◆ここから、本当に伝えたいこと
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