割り算と掛け算を行き来すること。
こんにちは。CommuneのCMO兼事業責任者の杉山です。コミュニティマーケティングAdvent Calender 2025 Day5の記事になります。めっちゃギリギリになってすみません。
今年はマーケターっぽいことをした。
今年Communeにはいろいろなニュースがありました。ちょっとだけ振り返りさせてください。
資金調達しました。
ソリューションもどかっと増やしました。
夢だったフェスっぽいこともできました。
本も出ました。
本当に色々やったのですが、今年やったことの中で一番会社や周りの社会にとって影響があったのは、「信頼起点経営」という言葉を、真ん中に据えたことかなと思います。「信頼」って空気みたいに当たり前に大事なものなのは、共通認識になっているのですが、「信頼」をドメインにビジネスをやっている企業は意外と少ない。こういう普遍的なテーマでビジネスを作れるのは、マーケターにとってとっても良いご褒美だと個人的には思っています。
マーケティングとしてのコミュニティ
「コミュニティマーケティング」、Community+Marketingの造語を、今年はMarketingサイドから見る機会が多かった気がします。マーケッターにコミュニティのことをお教えしたり、マーケティング戦略の中のコミュニティマーケティングの役割を考えたり、コミュニティマーケティングと他のマーケティング手法の違いを考えたり。その中で一個、なんとなく言語化できたことがあります。
マーケティングは大体割り算。
自分は、テレビCMという最強のリーチ、インプレッション媒体からマーケティングを学び始めました。その世界のマーケティングでは、四則演算の中で割り算が最も頻繁に使われます。
例えば、テレビCMにおける「貨幣」的な立ち位置の数字は、「視聴率」です。これはざっくりいうと、世の中でテレビを見れる人(世帯)の中で何%がその番組を見ていたか?という数字なのですが、番組を見た人/テレビを見れる人という割り算です。この視聴率1%を何%分買うか(この数字をGRPといいます)?というのがテレビCMをマーケティング用途で使うということです。めっちゃ割り算。
次に大事なのは、「ターゲット含有率」です。
これはざっくりいうと、購入した視聴率の中に、「ターゲットはどのくらい含まれていたか?」という数字です。
例えばですが、「笑点」と「名探偵コナン」、この2つが同じ視聴率だったとします。ただ、見ている人の属性は違う感じがしますよね?笑点のほうが、年齢層が高い気がしますし、コナンの方が中高生の比率が多そうな気がします。購入したCM枠の視聴率の中にいかにターゲットが含まれているか、これをものすごい考えます。これもめちゃくちゃ割り算。
極め付けは、「放送局シェア」です。これは、購入したCM枠の視聴率を100%とした時に、同じエリアのどの放送局に何%ずつ配分したかという数字です。例えば関東エリアだと、日本テレビ・フジテレビ・テレビ東京・TBS・テレビ朝日の5局にMXなどの地域放送が含まれています。この5局の中でのシェアの取り合いを、テレビ局の営業マンさんは日々行っています。効果を出そうとすると、5局に分散した方が最もリーチが取れる気がするのですが、例えば1局に配分を寄せたりするとサービスで放映してくれたりなどの恩恵もあるので、このプランニングがTVCMにおいてとても大事だったりします。これも割り算。
今はテレビCMの事例でお話ししましたが、マーケティングのプロモーション領域はとかく割り算が多いです。「Rate」がつくものと「per」がつくものは全部割り算です。CVR・CPA・CTRとかこれ全部割り算です。
コミュニティは掛け算が多い。
一方、コミュニティは不思議なことに、掛け算が多いです。「センターピン」「伝播」「雪だるま式」というような言葉が掛け算をわかりやすく反映していると思います。
例えば、コミュニティで生まれるリファラルの効果です。
「熱量の高いエクストリームユーザーは、XX人にサービスのことを紹介してくれる。」みたいなことがコミュニティマーケティングのわかりやすい効果としてよく挙げられます。エクストリームユーザー数×1人あたり紹介数=総紹介数、これは掛け算です。
また、LTV(ライフタイムバリュー)について、
「エンゲージメントの高いユーザーは、1回あたりの購入金額がXX円高いから、購入回数が増えるたびにLTVが他のユーザーより伸びていく」これの効果は、1購入ごとの購入金額増分×購入回数=ユーザーの生涯購入金額の増加分になります。これも掛け算です。
コミュニティの効果でメジャーなのは、いわゆる「ネットワーク効果」というやつだと思います。メトカーフの法則・リードの法則っていう有名な法則があります。
メトカーフの法則: V = k * n^2
リードの法則:2ⁿ
この辺りも、ものすごく掛け算です。
コミュニティは、ものすごく掛け算を多用するマーケティング施策だと思ってます。
割り算と掛け算を行き来すること。
コミュニティという施策をマーケティング的にしっかり活用できる人は、この「割り算」と「掛け算」両方の思考法を持ち合わせて、適切に使える人がとても多いと感じています。
例えば、コミュニティ施策で課題になることが多いランキングは概ねこんなかんじなのですが
1位:人が集まらない
2位タイ:盛り上がらない
2位タイ:労力がかかりすぎる
3位:ビジネス成果に繋がらない
「人が集まらない」時に、「エンゲージメントの高い〇〇人のユーザーから、XX人呼んでもらおう」という掛け算型の施策しか出てこないと根詰まりが起きてしまう可能性が高いです。同時に「メールマガジンで〇〇人を招待すると、CVRはX%あるからXX人集まる」という割り算型の施策も組み合わせることで、各課題の解決度合いが変わってきます。
「盛り上がらない」場合も、「XX人と1on1して、モチベーションを上げてもらってX倍投稿してもらおう」というような掛け算型のアプローチもあれば、「会員の内%は興味を持つであろうテーマをX個取り上げてみて、実際の反応率を見よう」という割り算型のアプローチもあります。これを併用することによって、盛り上がりを生むという当初の目的に到達しやすくなります。
このように多くのシーンで、「割り算型」・「掛け算型」を組み合わせて考えることで、課題解決に近づけるシーンは多いです。
割り算と掛け算を行き来すること。
コミュニティマーケティングは、その成果も掛け算の要素を多分に含んでいます。数あるマーケティング施策の中でも、続けていくことに新たな価値が生まれ、過去生まれた価値もストックされていくという特徴は他に多くありません。逆に、初速の0-1に関してはどうしても掛け算の左辺が小さいが故に、他の施策と比べてもインパクトが出づらくなりがちです。

そんな時に、「割り算型」の施策を織り込むことで、それぞれの施策の良さが生かされ、スムーズな事業成長に近づいていきます。
ぜひ皆様も、マーケティングやコミュニティで行き詰まったら「割り算」・「掛け算」の行き来をしてみてはいかがでしょうか?
こんなことを考えている人間が推進しているサービス「Commune」です。
興味がある方は、ぜひご連絡くださいませ。
