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S&P500決算シーズン最新動向:2026年5月1日(FACTSET)

Factsetの引用記事となります。

今週のテーマ1: マグニフィセント7の一角がS&P500の利益成長を押し上げ

今回の決算シーズンで最も印象的なのは、S&P500全体の利益成長率が短期間で大きく引き上げられた点です。2026年第1四半期のブレンドベース利益成長率は、直近1週間で15.0%から27.1%へと急上昇しました。この水準が最終的な着地となれば、2021年第4四半期以来の高い成長率となります。

この大幅な上方修正の背景にあるのは、一部の巨大テック企業による圧倒的な上振れです。特にアルファベット、アマゾン、メタ・プラットフォームズの3社が、今回の利益成長押し上げの中心的な役割を果たしました。これら3社だけで、期間中のS&P500全体の利益増加額の約7割を占めており、指数全体の動きがいかに特定企業に依存しているかが明確に表れています。

各社のEPSサプライズの規模も際立っています。アルファベットは市場予想を90%以上上回り、アマゾンは70%以上、メタも50%以上の上振れとなりました。いずれも過去5年平均を大きく上回る水準であり、今回の決算がいかに異例であったかが分かります。この結果、これら企業を含むセクターにも大きな変化が生じました。コミュニケーション・サービスはマイナス成長から一気に50%超の成長へと転換し、アマゾンを含む一般消費財セクターも大幅な増益へと上方修正されています。

さらに、「マグニフィセント7」全体で見ても、利益成長率は大きく引き上げられています。3月末時点では2割強の成長が見込まれていましたが、足元では6割超へと修正されています。S&P500全体の成長の中核を担っているのが、依然としてこの大型テック群であることが改めて確認された形です。

もっとも、今回の利益上振れには注意すべき点もあります。アルファベット、アマゾン、メタのいずれも、純粋な本業の成長だけでなく、一時的な要因によって利益が押し上げられている側面があるためです。アルファベットは未上場株式の評価益、アマゾンは投資先からの利益、メタは税効果による押し上げと、それぞれ異なる形で利益が増加しています。これらは持続的な収益力とは切り分けて考える必要があります。

こうした点を踏まえると、今回の決算シーズンは「非常に強い」という印象を持ちつつも、その中身を丁寧に見極めることが求められます。指数全体の数字だけを見ると力強い回復に見えますが、実態としては一部の企業に大きく依存している構造が続いています。

総じて言えば、現在の市場はマグニフィセント7、特にその中でも数社の決算に大きく左右される状況にあります。今回の利益成長の加速はポジティブな材料である一方で、「広がりのある成長かどうか」という視点は、今後の投資判断において引き続き重要になりそうです。


今週のテーマ2: アナリストは5年で最大のペースでEPS予想を引き上げ

原油価格上昇への懸念が意識される中で、S&P500企業の第2四半期の業績見通しがどのように変化しているかは、投資家にとって重要なポイントです。通常であれば、四半期の初月にはアナリストは慎重な姿勢を取り、EPS予想を引き下げる傾向があります。しかし、今回の決算シーズンではその「常識」とは異なる動きが見られています。

2026年4月、アナリストはS&P500企業の第2四半期EPS予想を引き上げました。ボトムアップEPS予想は、3月末の78.84ドルから4月末には80.47ドルへと上昇し、+2.1%の増加となっています。これは過去の傾向と比較すると非常に異例です。過去5年平均では四半期初月に▲0.9%、10年平均で▲1.4%、さらに20年平均では▲1.9%の下方修正が行われており、「最初は下げる」が基本パターンです。その中で今回の+2.1%という上方修正は、2021年第2四半期以来で最大の上昇幅となっています。

この動きは、企業業績の強さを端的に示しています。実際、決算発表が進む中でEPSの上振れが相次ぎ、それがアナリストの見通し修正につながっている構図です。特にセクター別で見ると、エネルギーセクターの寄与が非常に大きく、EPS予想は+45.1%と大幅に引き上げられました。コモディティ価格の動向が収益に直接影響するこのセクターは、原油価格上昇の恩恵を強く受けていることが分かります。

一方で、すべてが強いわけではありません。資本財・サービスセクターでは▲2.9%と下方修正が見られるなど、景気感応度の高い分野ではやや慎重な見方も残っています。この点は、マクロ環境の不確実性が完全に払拭されたわけではないことを示唆しています。

また、第2四半期だけでなく、2026年通期のEPS予想も引き上げられています。3月末から4月末にかけて、通期EPSは320.34ドルから331.23ドルへと+3.4%上昇しました。ここでもエネルギーセクターが主導的な役割を果たしています。

今回の特徴は、「懸念材料があるにもかかわらず、業績がそれを上回っている」点にあります。本来であれば、原油価格上昇はコスト増要因として利益を圧迫する側面もありますが、それ以上に企業の価格転嫁力や需要の強さが勝っている状況です。

総じて見ると、現在の市場は「マクロ不安よりもミクロの業績を重視する局面」にあります。通常のパターンを覆す形でEPS予想が引き上げられている事実は、企業収益の基調が想定以上に強いことを示しており、今後の決算シーズンの評価軸としても重要な示唆を与えています。


第1四半期決算シーズン: 概要

決算シーズンは約3分の2が進行し、S&P500の業績は非常に力強い内容となっています。EPSサプライズの比率・規模ともに平均を上回っており、その結果として、指数全体の利益は四半期末時点および先週比のいずれに対しても上方修正されています。さらに、指数全体では2021年以来で最高の利益成長率となる見通しです。

決算進捗と利益動向、利益成長率(ブレンデッド)

現時点で、S&P500企業の63%が2026年第1四半期の実績を発表しています。そのうち84%がEPSで市場予想を上回っており、これは5年平均の78%、10年平均の76%を上回ります。全体では、企業の利益は予想を20.7%上回っており、これも5年平均の7.3%、10年平均の7.1%を上回っています。この水準が維持されれば、2021年以来の最大サプライズとなります。

2026年第1四半期の利益成長率は、現時点で+27.1%まで上昇しています。これは、先週時点の+15.0%、さらに四半期末時点の+13.1%から大きく切り上がった水準です。このままの水準で着地すれば、2021年以来の最高の成長率となる見込みであり、同時にS&P500全体としては6四半期連続の2桁増益を達成することになります。


セクター別利益成長率

11セクターのうち9セクターが前年同期比で増益となっており、そのうち7セクターは2桁の利益成長を記録しています。特にコミュニケーション・サービス、情報技術、一般消費財、素材が全体を牽引しています。一方で、ヘルスケアとエネルギーは前年同期比で減益となっており、セクター間の強弱も見られます。


売上高動向、売上高成長率(ブレンデッド)

売上高についても堅調です。81%の企業が市場予想を上回っており、これは5年平均の70%、10年平均の67%を上回ります。売上高は全体で予想を1.9%上回っており、5年平均の2.0%はわずかに下回るものの、10年平均の1.5%は上回っています。

その結果、第1四半期のブレンドベース売上成長率は現在+11.1%となっており、先週時点の+10.3%、四半期末時点の+9.9%から上昇しています。この水準で着地すれば、2022年以来の高い売上成長率となる見込みです。


セクター別売上高成長率

全11セクターが前年同期比で増収となっています。特に情報技術、通信サービス、金融、不動産が売上成長を牽引しており、利益だけでなくトップライン面でも幅広い改善が確認できます。


先行き見通しとバリュエーション

利益成長率予想
・2026年第2四半期: +21.3% (旧 +20.6%)
・2026年第3四半期: +23.0% (旧 +22.7%)
・2026年第4四半期: +20.6% (旧 +20.4%)
・2026年通年: +20.6% (旧 +18.6%)

フォワード12か月PERは20.9倍で、5年平均の19.9倍、10年平均の18.9倍を上回っています。これは第1四半期末の19.7倍も上回っています。


今後の予定

来週は、S&P500企業126社が第1四半期決算を発表する予定で、その中にはダウ採用企業2社も含まれます。決算シーズンは引き続き重要局面が続きます。


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