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S&P500決算シーズン最新動向:2026年5月21日(FACTSET)

Factsetの引用記事となります。

今週のテーマ: 「マグニフィセント7」とその他493社、いずれも2021年以来の高い利益成長率

エヌビディアが5月20日に決算を発表したことで、「マグニフィセント7」すべての企業の2026年第1四半期決算が出揃いました。今回の決算シーズンでは、これら巨大テック企業が引き続き市場全体の利益成長を強く牽引しています。

2026年3月末時点では、「マグニフィセント7」の第1四半期利益成長率予想は+22.5%でした。しかし実際には、7社すべてがEPSで市場予想を上回り、全体のEPSサプライズ率は+32.5%に達しました。これはS&P500全体の+16.6%を大きく上回る水準です。

その結果、「マグニフィセント7」の実際の利益成長率は+63.2%となり、2021年第2四半期以来で最高水準となりました。一方で、それ以外の493社についても利益成長率は+17.4%となっており、こちらも2021年第4四半期以来の高い伸びとなっています。つまり、巨大テックだけでなく、指数全体としても利益成長は改善している状況です。

S&P500全体の利益成長押し上げに最も大きく寄与したのは、エヌビディア、アルファベット、アマゾン、メタ・プラットフォームズでした。マイクロン・テクノロジーも、「マグニフィセント7」以外では数少ない主要寄与企業となっています。

もっとも、今回の利益上振れには一時的要因も含まれています。アルファベットは未上場株式の評価益約377億ドル、アマゾンはAnthropic投資による168億ドルの利益、メタは約80億ドルの税効果が利益を押し上げました。つまり、今回の利益成長率の一部は本業以外の要因によるものです。

また、エヌビディアやマイクロンはNon-GAAP EPSベースで比較されている一方、アルファベットやメタはGAAP EPSベースで計算されており、企業ごとに会計ベースが異なる点にも注意が必要です。FactSetも、Non-GAAP EPSについては「本業実態を反映する」という肯定的意見がある一方、「企業側に都合よく調整されやすい」という批判もあると指摘しています。

先行きについても、アナリストは引き続き強気です。2026年通期利益成長率予想は、「マグニフィセント7」が+34.9%、「その他493社」が+17.9%となっており、いずれも3月末時点から引き上げられています。

総じて見ると、今回の決算シーズンは「巨大テック主導」である構図に変化はないものの、それ以外の企業群にも利益改善が広がっている点が特徴です。ただし、利益成長の中身を見ると、一時要因や会計ベースの違いも含まれており、表面的な成長率だけで判断するのは危険な局面とも言えそうです。


第1四半期決算シーズン: 概要

2026年第1四半期決算シーズンは終盤に入っていますが、S&P500全体の業績は引き続き非常に力強い内容となっています。EPSサプライズの比率・規模ともに過去平均を大きく上回っており、その結果として指数全体の利益成長率は2021年以来の高水準まで切り上がっています。

決算進捗と利益動向、利益成長率(ブレンデッド)、セクター別

現時点で、S&P500企業の94%が第1四半期決算を発表しています。そのうち84%がEPSで市場予想を上回っており、5年平均の78%、10年平均の76%を上回っています。この水準で着地すれば、2021年第2四半期以来で最も高い「EPS予想上振れ企業比率」となります。

全体のEPSサプライズ幅は+16.6%となっており、5年平均の+7.3%、10年平均の+7.1%を大きく上回っています。このまま着地すれば、2021年第1四半期以来で最大のサプライズ率となります。

その結果、第1四半期のブレンドベース利益成長率は現在+28.4%となっています。先週時点の+27.8%、四半期末時点の+13.0%から大きく切り上がっており、このまま着地すれば2021年第4四半期以来で最高の利益成長率となります。また、S&P500全体では6四半期連続の2桁増益となる見込みです。

利益成長を牽引しているのは引き続き大型テック企業です。エヌビディア、アルファベット、アマゾン、メタ・プラットフォームズが全体の利益成長押し上げに大きく寄与しています。

セクター別では、11セクターのうち10セクターが前年同期比で増益となっており、そのうち7セクターが2桁の利益成長を記録しています。特に情報技術、コミュニケーション・サービス、素材、一般消費財が全体を強く牽引しています。一方で、ヘルスケアは唯一の減益セクターとなっています。

情報技術セクターの利益成長率は+53.4%と全セクター中で最大となっています。業種別では、半導体・半導体製造装置が+107%、電子機器・計測機器が+41%、テクノロジーハードウェアが+36%、ソフトウェアが+23%となっています。エヌビディアとマイクロン・テクノロジーの寄与が特に大きく、この2社を除くと同セクターの利益成長率は+29.0%まで低下します。

コミュニケーション・サービスセクターは+48.9%の利益成長となっています。インタラクティブ・メディア&サービスが+76%、メディアが+14%と高成長となる一方、通信やエンターテインメントは減益となっています。アルファベットとメタ・プラットフォームズを除くと、セクター全体は▲4.3%の減益となり、大型テック依存の強さが改めて示されています。

素材セクターは+42.5%の利益成長となっています。特に金属・鉱業が+136%と突出しており、コモディティ価格や需要回復が追い風となっています。もし金属・鉱業を除くと、素材セクター全体の利益成長率は+14.6%まで低下します。

一般消費財セクターは+40.4%の利益成長となっています。自動車、小売、レジャー関連が好調でしたが、アマゾンの寄与が特に大きく、同社を除くとセクター全体の利益成長率は+16.1%まで低下します。


売上高動向、売上高成長率(ブレンデッド)、セクター別

売上高面でも堅調な内容が続いています。81%の企業が売上高で市場予想を上回っており、5年平均の70%、10年平均の67%を上回っています。売上高サプライズ率は+1.8%となっており、10年平均の+1.5%を上回っています。

その結果、第1四半期のブレンドベース売上成長率は現在+11.6%となっています。先週時点の+11.4%、四半期末時点の+9.9%から上昇しており、このまま着地すれば2022年第2四半期以来で最も高い売上成長率となります。

セクター別では、全11セクターが前年同期比で増収となっています。特に情報技術、コミュニケーション・サービス、公益が高い売上成長率を記録しています。

情報技術セクターは+29.8%と全セクター中で最大の売上成長率となっています。半導体・半導体製造装置が+54%、テクノロジーハードウェアが+28%、電子機器・計測機器が+24%、ソフトウェアが+19%、通信機器が+16%、ITサービスが+8%となっており、AI関連需要の広がりがセクター全体に波及しています。

コミュニケーション・サービスセクターは+15.1%の増収となっています。インタラクティブ・メディア&サービスが+24%、無線通信が+11%、エンターテインメントが+8%、メディアが+5%となっており、広告やデジタルサービス需要の強さが続いています。

公益セクターは+14.3%の増収となっています。独立系発電・再生可能エネルギーが+29%、電力会社が+15%と高い伸びを示しており、AIデータセンター向け電力需要増加とも重なる動きとなっています。


純利益率

S&P500全体のブレンドベース純利益率は14.8%となっており、前年同期の12.8%、前四半期の13.2%、5年平均の12.3%をいずれも上回っています。このまま着地すれば、FactSetが2009年に追跡を開始して以来で最高水準となります。

セクター別では、コミュニケーション・サービスが20.7%、情報技術が30.0%と利益率改善が目立っています。一方で、不動産やエネルギーでは利益率低下が見られます。


先行き見通しとバリュエーション

先行きについても、アナリストは引き続き強気です。

利益成長率予想
・2026年第2四半期: +21.0% (旧 +20.5%)
・2026年第3四半期: +24.2% (旧 +23.6%)
・2026年第4四半期: +21.7% (旧 +21.1%)
・2026年通年: +22.1% (旧 +21.5%)

売上高成長率予想
・2026年第2四半期: +11.5%
・2026年第3四半期: +10.2%
・2026年第4四半期: +9.8%
・2026年通年: +10.4%

バリュエーション面では、フォワード12か月PERは21.1倍となっており、5年平均の19.9倍、10年平均の18.9倍を上回っています。第1四半期末の19.7倍からも上昇しており、市場が依然として高い成長期待を織り込んでいる状況です。


今後の予定

来週は、S&P500企業11社(ダウ採用企業1社を含む)が第1四半期決算を発表予定です。決算シーズンは終盤に入っていますが、大型テック主導の高成長と高バリュエーションが続く中で、引き続き個別決算のインパクトが大きい地合いとなっています。


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