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【第284回】 Marketing Cloud Next : Marketing Performance Intelligence

Marketing Cloud Next Growth & Advanced Edition の Summer '26 の新機能リリースでは、Marketing Performance Intelligence がリリースされました。

これまでの Marketing Performance と名前が似ていますが、これらはまったく異なる機能であることを認識する必要があります。

新しい Marketing Performance Intelligence を利用する場合は、旧 Marketing Performance から移行する作業を速やかに行ってください。

  • アンインストール:(旧)Marketing Performance

  • インストール:(新)Marketing Performance Intelligence

以下の通り、タブやセクション名の表示が Marketing Performance である場合は、古いバージョンです。移行するように指示が出ていると思います。削除は、下のように Delete ボタンから行えます。Delete ボタン押下後、数分でアンインストールされます。

考慮事項

Marketing Performance Intelligence のインストールでは、高確率でエラーが発生する場合があります。

旧 Marketing Performance が正常にインストールされ、問題なく利用できていた組織であっても、Marketing Performance Intelligence のインストール時にエラーが発生し、インストールを完了できないケースがあります。実際に、私の環境でもこの問題が発生しました。

再インストールしても、インストールが完了しない場合は、Salesforce サポートにケースを作成し、調査を依頼する必要があります。

私のところにも、インストールエラーの回避方法についてお問い合わせをいただくことがありますが、エラーの原因は組織の状態や環境によって異なる可能性があるため、一律の解決方法をご案内することは難しいです。

解決までに時間がかかる場合もありますが、インストールエラーが解消できない場合は、Salesforce サポートへお問い合わせください。


Marketing Performance Intelligence 登場

Marketing Performance Intelligence(MPI) は、マーケティングデータと分析を 1 か所に統合し、チャネルを横断してマーケティング施策のパフォーマンスを分析するために Summer '26 に登場しました。

Data 360 の Marketing Semantic Data Model(マーケティングセマンティックデータモデル) を使用して、異なるチャネルのマーケティングデータや指標を標準化します。

これにより、キャンペーンやカスタマージャーニーの成果を共通の指標で評価したり、コンバージョンに貢献しているキャンペーンやタッチポイントを分析したりできます。

上位ツール Marketing Intelligence との違い

名前が似ている製品として Marketing Intelligence があります。

Marketing Cloud Next の標準機能である Marketing Performance Intelligence は、Marketing Intelligence と同じようなマーケティング分析の仕組みを利用しますが、位置付けとしては、Marketing Intelligence の簡易版と考えると分かりやすいでしょう。

Marketing Performance Intelligence には、主に以下の機能が含まれています。

  • ファーストパーティデータのレポート

  • Journey Path

  • テンプレート化された Attribution

  • Marketing Semantic Data Model

  • Goals

  • Tableau Next のビジュアライゼーション

  • Slack からのレポートやデータの利用

一方、上位の Marketing Intelligence では、さらに以下のような高度な機能を利用できます。

  • Google Ads、Meta、LinkedIn などの 有料メディアコネクタ

  • カスタムアトリビューション

  • Segment Intelligence

  • LLM Data Enrichment

  • Data Enrichment

  • Custom Schema

  • Paid Media Budget Optimization Agent

  • Data Guardian Agent

  • Tableau Concierge

  • Tableau Next のカスタムダッシュボードの作成・編集

そのため、大まかには、

  • Marketing Performance Intelligence
    → Marketing Cloud Next の標準機能として、マーケティング分析を利用することができる。Tableau Next の UI を活用したダッシュボードの加工はできない

  • Marketing Intelligence
    → 有償のアプリで、外部データも統合し、データモデルやアトリビューション、AI、Tableau Next の UI を活用したダッシュボードまでを、高度にカスタマイズすることができる

という違いがあります。


事前準備

Marketing Performance Intelligence を正しく使うためにはいくつかの事前準備が必要です。

①「マーケティングデータキット」のインストール(必須)

マーケティングデータキットを事前にインストールする必要があります。

なお、以前はこのマーケティングデータキット群に、Sales データキットが含まれていましたが、現在はインストールがオプションになっています。但し、Sales データキット には、Marketing Performance Intelligence を利用するために必要なオブジェクト、項目、およびデータマッピングが含まれています。もし、Sales データキットをインストールしない場合は、Contact Point Email DMO にある、以下の項目だけは手動でマッピングして下さい。

  • Email Latest Bounce Date Time

  • Email Latest Bounce Reason Text


② Web 追跡データの活用(オプション)

ダッシュボードに Web 追跡のデータ(ランディングページや外部 Web サイト)を含める場合は、Web 追跡機能を設定する必要があります。この設定を完了させないと Web タブは表示されません。


③ Flow Performance のインストール(オプション)

セグメントトリガーフローイベントトリガーフロー の両方で利用可能なフロー要素およびフローバージョン単位の実行分析機能です。


④ Conversion ダッシュボードの有効化(オプション)

キャンペーンレコード上の Marketing Performance Intelligence で利用できる Conversion ダッシュボードを有効化します。

コンバージョンを設定する時の考慮事項
・  Marketing Performance Intelligence のインストールが完了する前のみ、有効化や無効化が処理できます。選択し直したい場合は、Marketing Performance Intelligence を一度削除してください。
・「Order Placed」のオプションを有効化するには、Product Order Engagement DMO のマッピングが必要です。


権限セット

これらの機能にアクセスするには、以下の権限セットが必要です。

  • Marketing Cloud Admin or Marketing Cloud Manager 権限セット

  • 「Tableau Next Included App Business User」(日本語名:Tableau Next 付属アプリケーションビジネスユーザー)権限セット


インストール方法

  1. 設定 > Marketing Cloud > マーケティング機能 > マーケティングパフォーマンスインテリジェンス を選択し、インストールを実行します

2. Summer '26 以降は、どこまでインストール処理が進んでいるかの進行状況が分かるようになりました。

注意:稀にインストールが失敗する場合があります。一度インストールをキャンセルしたら、アンインストール(削除)して、その後、再びインストールを行ってください。それでもエラーが発生する場合は、サポートにケースを作成してください。

考慮事項

  • 年に 3 回のメジャーの度にアンインストールと再インストールを繰り返し行い、機能をアップデートする必要があります。

  • この機能を利用すると Data Cloud クレジットを消費します

  • Marketing Performance Intelligence は Data 360 の Marketing Semantic Data Model を利用します。ただし、Marketing Performance Intelligence の標準セットアップでは、Semantic Data Model をユーザーが個別に設定・デプロイする手順は必要ありません。

※ Marketing Performance は新規でインストールできません

Summer '26 以降、Marketing Performance はインストールすることができなくなりました。Marketing Performance Intelligence の利用を開始した後は Marketing Performance タブは使用しませんので、削除してください。


アクセス方法と機能説明

Marketing Performance Intelligence ダッシュボード

Marketing Performance Intelligence ダッシュボードは、Marketing Analytics タブからアクセスすることになります。

用意されているダッシュボードは以下の 3 つです。

  • ① Campaign Performance

  • ② Campaign Deliverability

  • ③ Subscriptions

※ ダッシュボードの内容やレイアウトをカスタマイズできません


① Campaign Performance ダッシュボード

Campaign Performance ダッシュボードでは、キャンペーン、セグメント、コンテンツごとのエンゲージメント状況や、チャネル別のパフォーマンスを分析できます。

画面上部では、以下の条件で表示対象を絞り込むことができます。

  • Date Range:集計対象となる期間

  • Campaigns:分析対象となるキャンペーン

  • Flows:分析対象となる Flow

  • Segments:分析対象となるセグメント

Campaign Engagement

Campaign Engagement では、キャンペーン、セグメント、コンテンツの成果を比較し、どの施策が高いエンゲージメントにつながっているかを確認できます。

さらに、以下の条件で分析対象を絞り込むことができます。

  • Activity Type

  • Content Type

  • Content

パフォーマンスの高い施策を確認

以下のグラフから、成果の高いキャンペーン、セグメント、コンテンツを確認できます。

  • Top-Performing Campaigns

  • Top-Performing Segments

  • Top-Performing Contents

キャンペーン単位だけではなく、対象となったセグメントや配信したコンテンツの観点からも比較できるため、どの要素が高いパフォーマンスにつながっているのかを分析できます。

Activity の推移を分析

Activity Trends および Activity Trends By Day では、Activity の発生状況を時系列で確認できます。

これにより、キャンペーン実施後にエンゲージメントがどのように変化したのか、また特定の日に Activity が増加しているかなどを把握できます。

Channel Activity

Channel Activity では、チャネルごとのパフォーマンスを確認し、エンゲージメントの状況を分析できます。

Email の場合、以下の指標を確認できます。

  • Email Sends:メール送信数

  • Email Unique Opens:ユニーク開封数

  • Email Unique Clicks:ユニーククリック数

  • Email Open Rate:開封率

  • Email Click Rate:クリック率

  • Email Click-Through Rate:クリック・スルー率

  • Email Replies:返信数

  • Email Forwards:転送数

一部の指標では、現在の値だけでなく、直前の同期間(Prior Period)や前年同期(Year over Year)との比較も表示されます。

そのため、現在のパフォーマンスを確認するだけではなく、以前と比較してメールエンゲージメントが改善しているのか、低下しているのかも確認できます。

Successful Send Details

Successful Send Details では、正常に送信されたメールに関する詳細なパフォーマンスを確認できます。

Campaign Performance を利用することで、単純なメールの開封率やクリック率だけでなく、どのキャンペーン、セグメント、コンテンツが成果につながったのかを横断して分析できる点が特徴です。

また、Campaign Engagement と Channel Activity を組み合わせることで、キャンペーン全体の成果と、Email など各チャネルの具体的なエンゲージメント指標を一つのダッシュボード上で確認できます。


② Campaign Deliverability ダッシュボード

Campaign Deliverability ダッシュボードでは、メールの配信成功・失敗状況やバウンスなどの Deliverability(到達性)に関する指標を分析できます。

画面上部では、以下の条件で表示対象を絞り込むことができます。

  • Date Range:集計対象となる期間

  • Campaigns:分析対象となるキャンペーン

  • Flows:分析対象となる Flow

  • Segments:分析対象となるセグメント

Metrics

Metrics では、メールの配信状況を示す主要な指標を確認できます。

  • Email Delivery Rate:メール配信率

  • Email Sends:メール送信数

  • Email Deliveries:配信されたメール数

  • Email Not Sent:送信されなかったメール数

  • Email Bounces:バウンス数

  • Email Bounce Rate:バウンス率

  • Email Hard Bounce Rate:ハードバウンス率

  • Email Soft Bounce Rate:ソフトバウンス率

  • Email Opt-Out Rate:オプトアウト率

一部の指標では、現在の値だけでなく、直前の同期間(Prior Period)や前年同期(Year over Year)との比較も表示されます。

そのため、現在のメール配信状況だけではなく、以前と比較して Delivery Rate や Bounce Rate が改善しているのか、悪化しているのかを確認できます。

Campaign Performance

Campaign Performance では、Deliverability に関する指標を利用してキャンペーンのパフォーマンスを分析し、メールが正常に配信されなかった原因を調査できます。

さらに、以下の条件で表示対象を絞り込むことができます。

  • Delivery Status

  • Message Type

  • Domain

配信パフォーマンスの低いキャンペーンを確認

Low-Performing Campaigns では、Deliverability の観点からパフォーマンスの低いキャンペーンを確認できます。

これにより、配信上の問題が特定のキャンペーンに集中していないかを確認できます。

配信失敗の原因を分析

Top Failure Reasons では、メールが正常に配信されなかった主な原因を確認できます。

単純に配信失敗数を確認するだけではなく、その原因を分析することで、Deliverability に関する問題の調査に活用できます。

Domain ごとの状況を分析

Domain Type では、Domain の観点から配信状況を分析できます。

また、画面上部の Domain フィルターを利用することで、特定の Domain に対象を絞り込んだ分析も可能です。

これにより、配信上の問題が特定の Domain に集中していないかを調査できます。

Delivery Status の推移を確認

Delivery Status Trends および Delivery Status Trends By Day では、Delivery Status の変化を時系列で確認できます。

特定の日から配信失敗が増加していないかなど、Deliverability の変化を継続的に確認する際に利用できます。

Unsuccessful Send Details

Unsuccessful Send Details では、正常に送信されなかったメールについて、さらに詳細な情報を確認できます。

Campaign Deliverability を利用することで、Delivery Rate や Bounce Rate といった全体的な指標を確認するだけではなく、問題のあるキャンペーン、配信失敗の原因、Domain、時系列での変化といった複数の観点から Deliverability を分析できます。

そのため、メールの配信パフォーマンスに問題が発生した際に、原因を特定するための分析にも活用できるダッシュボードとなっています。


③ Subscriptions ダッシュボード

Subscriptions ダッシュボードでは、Subscription(購読)の Opt-In / Opt-Out の状況や、その推移を分析できます。

※こちらは Summer '26 で新登場した新しいダッシュボードです。

画面上部では、以下の条件を指定して表示するデータを絞り込むことができます。

  • Date Range:集計対象となる期間

  • Subscription:分析対象となる Subscription

  • Channel:分析対象となるチャネル

Opt-In / Opt-Out の状況を確認

ダッシュボード上部では、指定した期間における Subscription の状況を確認できます。

  • Subscription OPT-IN:Opt-In の件数

  • Subscription OPT-OUT:Opt-Out の件数

  • Subscription OPT-IN Rate:Opt-In の割合

  • Subscription OPT-OUT Rate:Opt-Out の割合

Opt-In Rate / Opt-Out Rate では、現在の値だけでなく、直前の同期間(Prior Period)や前年同期(Year over Year)との比較も表示されます。

これにより、現在の Subscription の獲得状況だけでなく、以前と比較して Opt-In / Opt-Out の傾向がどのように変化しているかを確認できます。

Subscription の増減を分析

New Opt-Ins vs. Opt-Outs では、新しく発生した Opt-In と Opt-Out を比較できます。

また、Net Opt-In Growth では、Opt-In と Opt-Out を考慮した Subscription の純増・純減を確認できます。

単純な Opt-In の件数だけを見るのではなく、Opt-Out も含めて確認することで、Subscription が実質的に増加しているのか、それとも減少しているのかを把握できます。

Acquisition Source ごとの Opt-In を分析

Opt-Ins by Acquisition Source では、Acquisition Source(獲得元)ごとの Opt-In の状況を確認できます。

さらに、Opt-In Trends by Acquisition Source では、その推移を時系列で確認できます。

これにより、どの Acquisition Source から多くの Opt-In を獲得しているのか、また、その獲得状況が期間によってどのように変化しているのかを分析できます。

Channel ごとの Opt-In を分析

Subscription は Channel 単位でも分析できます。

  • Opt-Ins by Channel

  • Opt-In Trends by Channel

  • Subscriptions and Opt-in Volume by Channel

これらのグラフを利用することで、チャネルごとの Opt-In 数やその推移、Subscription と Opt-In Volume の関係を確認できます。

このように Subscriptions ダッシュボードでは、単純に現在の購読者数を確認するだけではなく、Opt-In / Opt-Out による Subscription の増減、獲得元、チャネル、時系列での変化という複数の観点から Subscription のパフォーマンスを分析できます。


キャンペーンパフォーマンス

Marketing Performance Intelligence を有効化することで、キャンペーンレコード上でも、そのキャンペーンに予め絞られた形で Marketing Performance Intelligence の一部の機能を機能させることができます。

  • Insights:このキャンペーンのエンゲージメント状況や、チャネル別のパフォーマンスを分析できます。

  • Deliverability:このキャンペーンのメールの配信成功・失敗状況やバウンスなどの Deliverability(到達性)に関する指標を分析できます。

  • Opportunity に関しては、オプション機能です。
    成立した商談の収益を特定のキャンペーンに関連付け、そのキャンペーンが商談に対してどれだけ影響度を反映したかを確認することができる分析機能です。

  • Coversion に関しては、オプション機能です。
    Email や SMS の配信が、どのようにコンバージョンにつながったのかを、30 日間のコンバージョンウィンドウを通じて可視化できます。さらに、First Touch または Last Touch のアトリビューションモデルを適用することで、どのメッセージが最も効果的に顧客をコンバージョンへ導いたのかを分析することも可能です。


コンテンツパフォーマンス

Marketing Performance Intelligence を有効化することで、メッセージコンテンツ上でも、そのメッセージコンテンツに予め絞られた形で Marketing Performance Intelligence の一部の機能を機能させることができます。

  • Insights:このメッセージコンテンツのエンゲージメント状況を分析できます。


いかがでしたでしょうか。

Marketing Performance Intelligence は、新機能を利用するため、メジャーリリース後は再インストールを検討することをおすすめします。自動的にアップデートがかかる機能ではないので、そのようにして常に最新の状態で利用するようにしましょう。

今回は以上です。


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