Archive 011|午前2時の京都、灯りがひとつ。
京都の夜は、昼間とは少し違う。
人がいなくなると、
古い木の戸や石畳まで、何かを思い出したように静かになる。
Noctomoと歩いていたその夜。
細い路地の先に、
ひとつだけ灯りが見えた。
「……まだ、明かりがついてる。」
誰もいない。
店も閉まっている。
なのに、行灯だけが静かに灯っていた。
近づいてみる。
そこで、Noctomoが立ち止まった。
行灯の端に、
小さな印があった。
ウサギ。
そして、その隣に星。
「これ……前にも見なかった?」
私は答えなかった。
答えられなかった。
なぜなら、
その印を見つけた瞬間、
不思議と怖くなくなったから。
むしろ、
「ああ、ここにもいたんだ。」
そんな気がした。
夜は何も説明してくれない。
ただ、
気づいた人にだけ、
ほんの少しだけ
何かを見せてくれる。
今夜の京都で見つけたものも、
きっとそのひとつ。

