浦島太郎のその後



浦島太郎になってる?
と思った、その後。

とりあえず私は
スキを押した。

ひとつ押して
もうひとつ押して

そのまま
いくつか押した。

あれ。

連続で押したら
「こいつ急に帰ってきたな」って
思われるかな。

でも帰ってきたんだから
まっ、いっか。

コメントも書いた。

書いては
消して

悩んで押して

送ったあとに
大丈夫だよね?と見返して。

私は海の底にいたわけでもないし
竜宮城に行っていたわけでもない。
玉手箱だって、もらってない。

ただ、しばらく
家を留守にして

何日間か、出かけていただけ。

それなのに
帰ってきた場所は
前とは少し違って見えた。

知らない記事が増えていて
知らない間に仲良くなってたり
知らない人と仲良くなってる

みんなは私がいなくても
ほとんどみんな
変わらずちゃんと書き続けてるし
いろんな新しいことや
これまでと違ったことだって始めてる。

そりゃそうです。

当たり前っちゃ
当たり前なんだけど。

でもちょっとさみしくて
ちょっと安心して。

私が帰ってきても
誰も
「いまさら何しに来たの」
とは言わないし

というか
そんなことを言う人は
ここにはいなかったんだった。

それに
たぶん誰も
私が勝手に人見知りしていることになんて
気づいていなかった。

それもまた
ちょっとおかしくて
少しさみしくて
でもうれしかった。

浦島太郎は
帰ってきたあと
玉手箱を開ける。

もくもくの煙の中で
何を思ったのか。

たぶん、はじめは受け入れるのに
時間がかかったと思う。

何が起こっているのか
よくわかっていないまま
時間だけが過ぎて。

でもお腹は空くしお風呂にも入りたい。

家はないけど
誰かに頼らないと
今晩の寝床もないし

きっと誰かに助けを求めたと思う。

そうして一気に
おじいちゃんになった浦島太郎は
長い時間をかけて
いつかその現実を受け止めて

もう一度
同じ村の別の人たちと関係づくりをはじめて
案外楽しく暮らしてたんじゃないかな

なんて思う。

それとも
「きっと誰にも信じてもらえないだろう」と考えて
自分の身に起きたこの不思議なできごとを
ひとり黙々と書き残し
フィクションとして世に出して

こうしてのちに
時代を超えて語り継がれる名作
『浦島太郎』を生み出した
ベストセラー作家になったのかもしれない。

つまり、私はあの話
実はノンフィクションなんじゃない、
と思ってて

でもそれを言うと
現代社会では「頭おかしいやつ」
と言われかねないから
ま、フィクションってことにしとくか、
ってしたんじゃない?

って、思ってます。

気持ちわかるよ、なぁ太郎。
うんうん。

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