不安に対処する
未来に起こるかもしれない出来事を思い浮かべたとき、胸の奥がざわつく。
まだ何も起きていないのに、気持ちはすでに未来へ飛び、不安に包み込まれてしまう。
不安を感じているとき、私たちの意識は「今、ここ」にはない。
頭の中で、まだ起きていない最悪のシナリオを何度も再生している。
不安に対処しようとするとき、多くの人は「考えないようにする」「気にしないようにする」ことを選びがちだ。しかし、不安は無視すれば消えるものではない。むしろ、押し込めるほど、形を変えて強く現れてくる。
不安に対処するうえで大切なのは、不安な気持ちをきちんと感じ切ることだ。
「怖い」「心配だ」「不安だ」と、自分の中に湧いてきた感情を否定せず、そのまま認める。感情は、感じ切られることで、少しずつ落ち着いていく性質を持っている。
そして次に大切なのは、不安が現実になったときにどうするかを、あらかじめ整理しておくことだ。
たとえば、「仕事をクビになるかもしれない」という不安があるなら、こう考えてみる。
もし本当にクビになったらどうするか。
――またやり直せばいい。
別の仕事を探すかもしれないし、少し休むかもしれない。道は一つではない。
こうして「不安が現実になった場合の対処」を自分の中で言葉にしておくと、不安は漠然とした恐怖ではなくなる。
「起きたら起きたで、対応できること」に変わる。
すると、不安に飲み込まれることなく、意識を「今、ここ」に戻すことができる。
未来はまだ存在していない。
今この瞬間にできることは、目の前のことに集中することだけだ。
将来起こるかもしれない出来事に心を奪われ続けるよりも、今この瞬間を丁寧に生きる。
不安を排除するのではなく、向き合い、整理し、手放す。
その積み重ねが、心を少しずつ自由にしていくのだと思う。
