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母親の精神的支配からの回復

こんにちは、クローズ就労中の野田夏広です。

私は長いあいだ、母親の精神的支配から逃れたい一心で生きてきました。自分が何をやりたいのか、何を望んでいるのかといったことは、その支配から完全に抜け出してから考えればいい。そう自分に言い聞かせ、心に蓋をして生きてきたのです。

母親は、私にとって「嵐」のような存在でした。感情の起伏が激しく、いつ何が起こるかわからない。その嵐が吹き荒れているあいだは、身を低くしてやり過ごすしかありませんでした。だから私は、嵐が過ぎ去ってからが自分の人生なのだ、と考えるようになりました。それまでは耐える時間、待つ時間だと思っていました。

その結果、自分の意思や感情は、奥深くに押し込められていきました。自分の好みや気持ちよりも、母親が何を望んでいるかを最優先にすることが、生き延びるための術だったからです。「自分はどうしたいのか」という問いは、考えるだけで危険なものになっていました。

母親が亡くなってから、十年が経ちました。時間がすべてを解決するわけではありませんが、確実に言えることがあります。それは、あれほど激しかった嵐の爪痕が、ようやく少しずつ消えはじめているということです。支配の声が、以前ほど強く聞こえなくなり、自分の内側に小さな余白が生まれてきました。

とはいえ、嵐が去ったあとには、必ず傷跡が残ります。倒れた木、えぐられた地面、壊れたままの心の部分。私は今、その爪痕を丁寧に癒していく段階にいるのだと思っています。焦って前に進むよりも、まずは立ち止まり、傷ついた自分を労わることが必要なのだと感じています。

自分の人生を生きる準備として、いまは回復の時間を大切にしたい。嵐に耐えてきた自分を否定せず、よく生き延びてきたと認めながら、少しずつ、自分の意思を取り戻していきたいと思います。

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