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『本のつくりかた』の校正刷から

入稿後に印刷所から出校された校正刷に、わたしが入れた赤字です。こういうところを見逃しやすい、というサンプルになるかなと。

断っておくと、ここにあげたのはあくまでわたしの手元用の目印なので、ただの書き殴りです。印刷所に戻すときは校正記号を使ってきれいに清書するか、編集者が校正刷に清書します。
修正作業と再入稿のデータ作成はわたしがやりますが、戻す時に「どこを変更しましたという連絡は必要なので、(商業誌ではめったにないけど)著者がDTPして入稿までやる場合でも、校正記号をひととおり知っておいたほうが、何かとスムーズかなと思います。同人誌の場合はたぶんそこまで求められないだろうと思うので、差分がわかればいいんじゃないかと(こわいのでわたしは差分の見本をつけるけど、だいたい差し替えデータを送って終わりなんじゃないかなと思います)。

(大量の赤を入れてますけど、お盆進行で通常より1週間前倒しという事情があり。普段は入稿後の再入稿は数ページ程度、赤字も1ページにひとつ程度です…。1ヶ所直すと、印刷所がデータを差し替える作業、差し変わったことを確認する作業、校正刷を出版社側に戻す作業、それをこちらが確認して返事をする作業、それを印刷所が確認する作業…、みたいな感じになるので、直しただけでは終わらないんですよね。気持ちはいつもゼロを目指していますが、なかなか難しいです。)



位置や間隔の修正

よく言われる、紙は反射光で分析モードディスプレイは直接光でパターン認識モードになるから紙で見たほうが間違いを見つけやすい、というのをわたしはあまり信じてません。
PDFで見たときは気づかなかったのに、という時点で、回数を重ねている1回目ではない)わけで、何回かチェックすれば、そのたびに何かを見つけてしまうんじゃないかと思います。紙で、とか画面で、とか考えてるより回数増やしたほうがいいかなと。紙で見たあと、もう一回PDFを見たらまた何かあった、ということもよくあるし。

間隔がおかしいとか、位置がずれている、といったものは、校正の回数を重ねるうちに気づくことが多いです。最初のうちは文字の直しに追われてそこまで見ていなかったり、ゲラが赤字で埋まっていると、目につかなかったりします。
そういうのが、印刷所に入稿したあとにでてきた校正刷で、輝いて見えるんですよね…。

目次で縦に並んだ時に数字の中心がずれていたので
(とくにこのフォントは幅広で、ずれが目立つタイプ)、
アキで調整しました。気になっただけで間違いではないですが。
スタイルの設定どおりなのですが、箇条書きの分量が少ない行は
罫線と文字背景との距離が近くなるので、上にアキを入れて間隔を調整しています。


見た目の修正

文字や線・角の設定はスタイルで統一しているから大丈夫というのも信用なりません。よく似た設定の段落スタイルが間違って適用されているかもしれないし、関係ない文字スタイルがいつのまにか重なってるかもしれないし、知らないうちにオーバーライドしてるかもしれないので、最後に目視で確認しています。オーバーライドしたものを複製して再利用すると、オーバーライドが残ったままだったりもしますし。

下半分の図6枚につけたタイトルのフォントが、段落スタイルの設定と違っていたんですよね
(丸ゴシックだったはずが、いつのまにかふつうのゴシックに)。
何をしたらこうなってしまったのかまったく記憶になく。
ここの一群だけおかしかったので、「①地側にまとめる」がおかしかった状態で
それを複製したのかな、と思います。
「、」「・」「/」などの約物は太字にしないルール(文字より目立つから)で進行していましたが、
たまに外し忘れがあります。致命的ではないうえ、大半のひとにはどうでもいいことなので、
そのページに他に直すところがあったら、ついでに直すことにしています。
最終行が1文字(「た。」など)になるのは今回は許容していたんですが、
他に直すところがあったページでは、調整しています。


文字や語句の修正

よく考えたらその漢字、違うかも…という違和感にも、最後の最後で気づくことがあります。

「止める」も、動かないようにする、という意味では間違いではないらしいのですが、
「留める」にするか迷ったり、ひらがなにするくらいなら、「綴じる」にしてしまおうと。
「受け付け」でもいいのですが、「受付可能」というひとつの熟語にしてしまったほうが
すっきりするかなと思って、この方向で揃えました。「受け付ける」という動詞は送り仮名つきです。
さんざん迷った、「つける」「付ける」問題です。
このページは他に修正があったので、ついでに直しました。
なぜ濁音を抜いて入力したのかわたしもわからないんですが、
わたしの場合、たまにやることがあるので、注意して見ています。
この本では2ヶ所ありました。


つじつまあわせ

よく考えたらなんか変だな…というのも、入稿後の校正刷で気づくことが多いですね…。

左綴じの扉の例としてつくったのですが、川端康成の小説はふつう縦組みで右綴じだろうな…
ということに気づいて、タイトルを違うものに変えています。
「トンボ十」の扱い、難しいんですよ…。「二四日」なら「一二月」になるし、
「十二月」なら「二十四日」になるよな…と迷った結果、
「十」が出てこない日付で逃げることにしました。
「二四日」にしてたのは、実際にそう組んでいる縦組みの奥付があったからです。


ハイフンと二分ダーシ

あとで二分ダーシにしようと思ってすっかり忘れていたハイフンもありました。他の本だともう見なかったことにするんですけど、「横組みの数の範囲には二分ダーシを使います(キリッ)」って本の中で言っちゃってる以上、まあ、直します…。見る人が見たらかたちでわかりますし。

二分ダーシに直しましたが、アオリチェックでもどこが変わったかわからないみたいで、
再入稿後に印刷所から「このページ、変化がないようですが大丈夫でしょうか…」
というツッコミが入りました。


直感的にわかりやすくする

他に直すものがあったページでは、間違いではないけど、順番を入れ替えたほうが直感的にわかりやすそうなところなども直しています。呼び方が複数ある場合、先頭の名称を本文の説明で使っているので。
そのままでも間違いではないものや、優先順位が低いものについては、「他に直すものがあれば」ということにしています。なので、それほどでもないものを見つけたら、そのページをガン見して、何かないか探します。

小括弧/中括弧/大括弧より、丸/波/角のほうがイメージしやすいかなと思って、順番を変えました。
どちらでもいいんですが、このページは他に直すものがたくさんあるのでついでに。
Unicodeの番号を添えているので、全角半角両方必要だな、と気づいて、この一帯は大手術しています。


無駄を減らす

巻末に場所がなかったので、索引は目次のあとに入れています。
索引はたいてい、本文が固まったあとにつくるので、結局ばたばたになって、なんかあればいい、という感じに陥りがちですが、『本のつくりかた』では、いったんつくったあとにページと突き合わせて、見るほどでもないページは落としたり、重要語句だけどこの本ではそこまでの言及はないものは、削除したりしています。カテゴリ分けして、それぞれがまんべんなく入っているか、というのもみました。けっこう手がかかっています(そこまでしなくていいんだけど、整理しはじめたらわたしが楽しくなってきただけです)。

索引は、ちゃんとつくると、キーワード集としても使えます。
あと、目次以外に、この順やまとまりで読んでも面白い、という提案をしたいとき、索引を使ってお知らせするという手もあります。

用語としては重要だけど、「話のついでに出てきた程度の言葉」は削っています。
見に行ったところで、説明がないとがっかりするので…。

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