見出し画像

少し寒いね

捨てられないマグカップがある。

縁に、小さな欠けがある。

何度か手に取って、
そのたび食器棚の奥へ戻した。

9時になると、あなたはよく「少し寒いね」と言った。

季節ではなく、
部屋の話として。

部屋は、あなたがいなくなったことに慣れるのが早かった。

9時になった。

時計は鳴った。

私は、返事をしなかった。



あなたにも、なぜか忘れられない景色や言葉はありますか。
よければ、そっとコメントに置いていってください。


マガジンの玄関はこちらです
よろしければ、ここから全体の流れをご覧ください。


全体の玄関はこちらです
ほかのテーマやシリーズへの入口を、ここにまとめています。


いいなと思ったら応援しよう!

二毛猫 虹をありがとうございます。