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竜宮城

冷房で冷え切った身体は屋外に出ると弛緩した。
手に持っていたディープソフトは驚くべき早さで溶けようとしていた。私はそれを舌に押し付け、急いで舐めとる。だらけたような外気の熱風と、今にもだらけそうなソフトクリームの見た目に反して舌の感覚はすっきり冷たく、柔らかく、底なしの海の世界に誘ってくれた。歩き回ったご褒美だった。
ホテルに戻って私はコーヒーを飲むと、ベッドに正座したまま身体を折り曲げ、突っ伏してそのまま底なしの海に沈んでいった。深い眠りの世界に堕ちていったのだ。堕ちる瞬間に思い出したのはソフトクリームを食べた時の抗いがたい底なしの海の世界だった。底なしの青に私は静かに沈んでいった。
目つきも歯のギザギザも悪役みたいなサメの怖い顔。
「怖い顔なんだけどめちゃくちゃ優しいんだよ。」
息子が横から説明してくれる。
マンボウの可愛らしく大きく平和な泳ぎ。
最大の魚類であるジンベイザメの芸術的な水玉。

優雅に泳ぐお魚たちの楽園に私は堕ちていった。

もう、周りの声は聞こえなかった。






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