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「痩せたい」はゴールじゃない。——本当のゴールを掘り当てる5whysの技術

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「痩せたいんです」

カウンセリングでよく聞くこの一言。はい、目標決定——といきたいところですが、実はここで止まってはいけません。

「痩せたい」は、多くの場合ゴールではなく手段です。今日は、その奥にある「本当のゴール」をどう掘り当てるか、5whysという技術を通して掘り下げます。


「痩せたい」の奥にあるもの

「痩せたい」という言葉をそのままメニューに変換すると、一見効率的に見えます。しかし、それだけでは何かが足りません。

痩せた先に、何があるのか。ここを聞かずに進むと、本人も気づいていない「本当に欲しいもの」を置き去りにしたまま、トレーニングだけが進んでいきます。

「昔の服が着たい」「人前で堂々としたい」——実際に聞いてみると、こうした具体的な景色が出てきます。この景色こそが、本当のゴールです。「痩せる」はそこにたどり着くための通過点にすぎません。


目標と手段を混同すると起きること

目標設定の場面で一番よくある落とし穴が、手段を目標だと思い込んでしまうことです。

「痩せたい」も「筋肉をつけたい」も、それ自体は具体的で分かりやすい言葉です。だからこそ、そこで思考が止まりやすい。しかし、これらはほとんどの場合、もっと奥にある「なりたい状態」「取り戻したいもの」にたどり着くための手段でしかありません。

手段を目標のまま扱ってしまうと、数字上は達成していても、本人の中で何かが満たされない状態が起こります。体重は落ちた。でも、思っていたような変化を実感できない——これは、表面のゴールだけで進めてしまった結果です。


本当のゴールを引き出す「5whys」

では、どうやって奥にあるゴールを引き出すのか。答えは、なぜそれを叶えたいのかを、何度も聞いていくことです。これが5whysと呼ばれる掘り下げの技術です。

「痩せたいんです」
→ なぜ痩せたいんですか?
「昔の服が着たいんです」
→ なぜその服が着たいんですか?
「あの頃の自分に戻れた気がするからです」

一度聞いて終わりにすると、表面の言葉しか拾えません。何度も「なぜ」を重ねることで、本人も言語化できていなかった感情や価値観にたどり着きます。5回ちょうど聞く必要はありませんが、「これ以上は聞かなくても本質が見えた」というところまで掘るのが目安です。


表面のゴールだけで組むメニューの弱さ

「痩せたい」という言葉だけを受け取って、そのままメニューを組むこともできます。実際、それで体重は落ちるかもしれません。

しかし、表面のゴールだけで組んだメニューは、達成しても満足感が薄いという問題を抱えています。理由はシンプルで、本人が本当に欲しかったものと、数字上の達成がズレているからです。

体重は目標値に届いた。でも、「昔の服が着たい」という本当のゴールにまで踏み込めていなければ、達成感はどこか他人事のようなものになります。逆に、感情や状態まで共有できていると、同じ「体重を落とす」というプロセスでも、本人にとっての意味づけがまったく変わります。


「痩せる」は通過点

ここまでの話をまとめると、こうなります。

「痩せる」はゴールではなく、通過点です。その先に、「昔の服を着て出かける自分」や「人前で堂々と話している自分」という景色がある。その景色をどう描き、どう言語化して共有できるかが、プロのカウンセリングの分かれ目になります。

数字だけを追いかけるのではなく、その数字の先にある本人の景色まで一緒に見にいく。これが、表面的な指導と、本質的なサポートの違いです。


明日から使える、ゴール掘り下げの練習法

いきなり完璧な5whysをやろうとしなくて大丈夫です。まずは次の2つだけ意識してみてください。

① 「なぜ」をもう一段だけ深く聞く

相手が目標を口にしたら、その場で1回だけ「なぜそれが欲しいんですか?」と聞いてみる。それだけで、表面の言葉の奥にある景色が見えてきます。

② 出てきた言葉を、感情や状態のレベルまで言語化する

「昔の服が着たい」で止めず、「その服を着て、どんな気持ちでいたいですか?」まで踏み込む。ここまで共有できると、トレーニングの意味づけが変わります。


まとめ

  • 「痩せたい」は多くの場合ゴールではなく手段。奥に本当に欲しいものが隠れている。

  • 「昔の服が着たい」「人前で堂々としたい」といった具体的な景色が、本当のゴール。

  • なぜそれを叶えたいのかを何度も聞いていく=5whysの掘り下げ技術。

  • 表面のゴールだけでメニューを組むと、達成しても満足感が薄い。

  • 感情や状態まで共有できると、トレーニングの意味づけが変わる。

  • 「痩せる」はゴールでなく通過点。その先をどう描くかが、プロのカウンセリング。

感覚や根性じゃなく、理屈で鍛える。


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