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江戸時代の刑罰をイラスト付きで紹介

はじめに

現代の日本における刑の種類として

死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。(刑法第9条)

と定められている。

その中でも条文に「死刑」と定められているのは、意外と数が限られている。代表的なものとして

人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
(刑法第199条)
※太字は筆者によるもの

いわゆる「殺人罪」である。これをやったら死刑だということを平易な文章で記述している。

日本においては

死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。
(刑法11条1項)
※太字は筆者によるもの

これもシンプルに死刑の方法として、「絞首」である。つまり首吊りだ。

さて、これはあくまで「現代の」お話だが、江戸時代はどうだっただろう。筆者は大学で江戸時代の裁判記録を読むゼミに所属していた。法制史から江戸時代を概観しようというものだった。

どんな罪を犯したら死刑になるのか。江戸時代の裁判記録からそれを紐解いていく。それを何回かにわけて紹介していく。今回はその序章として、まず江戸時代の刑罰について説明していこう。


江戸時代の刑罰には何があったか

「はじめに」にて、現代日本の主刑として、「死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料」と説明したが、江戸時代ではどうだっただろう。

以降はあくまで過去の歴史としてとらえてもらいたい

以下、江戸時代の刑の種類を列挙する。

1.死刑
2.遠島(いわゆる島流しである)
3.追放
4.入墨
5.敲(たたき)
6.晒
7.非人手下
8.譴責(けんせき)
9.預
10.手鎖
11.閉門
12.逼塞(ひっそく)
13.遠慮
14.押込
15.戸締
16.隠居
17.改易
18.闕所(けつしょ)
19.身代限
20.過料

以上である。数の多さに驚いたことであろう。聞きなじみのあるものから、そうでないものまで多用にあるだろう。20もある刑に関しては、別の記事で後述するとして、今回は特に死刑について取り上げていく。


江戸時代の死刑のあれこれ

ひとえに死刑といってもそこからさらに6種類あった。

1.死罪
→斬首によって行われ、その後、試し斬りが行われる。例えば不義密通(いわゆる不倫)を行った者に適応される。

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『刑罪詳説』国立国会図書館蔵、「国立国会図書館デジタルコレクション」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1082028
2021年12月18日閲覧


2.下手人(げしゅにん)
→『刑罪詳説』には「下手人とは、盗奪の目的に出ずして、人を殺したる殺人をいふ」とあり、死罪と同様、斬首によって行われるが、遺体は引取人がいれば引き取って埋葬も可能である。情状酌量の余地がある殺人において適応されるケースがあった。


3.獄門
→市中を引き回しした上で斬首されるものである。その後、斬られた首は晒される。見せしめである。

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『刑罪詳説』国立国会図書館蔵、「国立国会図書館デジタルコレクション」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1082028
2021年12月18日閲覧

イラストは、罪人の首を晒すために行列を従えて送る図である。


4.磔(はりつけ)
→名の通り、市中引き回しの上、柱に罪人を縛り付け、槍で突き殺すのである。「アリャ!アリャ!」と声を掛け合いながら突いていたようである。

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『刑罪詳説』国立国会図書館蔵、「国立国会図書館デジタルコレクション」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1082028
2021年12月18日閲覧

ちなみにイラストにある処刑場は、現在の東京都荒川区南千住2丁目・同5丁目にあたる、小塚原刑場である。


5.火罪
→市中引き回しの上、柱に罪人を縛り付け、藁を覆いかぶせ、火あぶりにするものである。早い話、以下のイラストをご覧になったほうが早い。

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『刑罪詳説』国立国会図書館蔵、「国立国会図書館デジタルコレクション」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1082028
2021年12月18日閲覧


6.鋸挽(のこぎりびき)
→市中引き回しの上、約90cm四方、深さ約75cmの箱に罪人を入れ、二日間土中に頭のみ出し埋め晒する。その後は磔と同じである。ちなみに鋸とあるが一切使用しない。置いとくだけである。

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『刑罪詳説』国立国会図書館蔵、「国立国会図書館デジタルコレクション」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1082028
2021年12月18日閲覧


罪人のおでこに「犬」と彫られる刑

ここで少し小話を。「江戸時代の刑罰には何があったか」にて「4.入墨」と紹介したが、その入墨に関して、『徳川禁令考』にイラストで紹介されている。入墨刑の詳述は次の機会に説明するとして、簡単に言うと、罪人には見せしめのため、入墨を彫る刑がある。場所や地域によって彫る入墨が異なっていた。つまり、入墨のデザインを見れば場所や地域がわかるようになっているわけである。

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石井良助編『徳川禁令考』後集第4 創文社 1960年 298~303ページ

とくに着目してほしいのが、3枚目の広島の入墨である。1回目の入墨刑ではおでこに一画彫り、2回目は二画目に左のはらいが足され、3回目になると最終的に「犬」と彫られるのである。


さいごに

いかがでしたか。もちろん、これはあくまで歴史の話として江戸時代の刑罰を紹介しました。死刑といっても多様な様相がわかったことだろう。今回はどんな刑罰があり、特に死刑に焦点を絞って、『刑罪詳説』という史料を用いてイラストとともに解説しました。「国立国会図書館デジタルコレクション」にて閲覧できますので、ぜひご覧になってください。


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