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新規事業によってnoteがつかいやすくなる。AIアシスタントの刷新を支えた、ユーザー起点の開発プロセス

noteのAIアシスタント機能が大きくアップデートされました。誤字や表記ゆれのチェックや内容のレビューなど、クリエイターの執筆体験を向上させるこの機能は、どのようにして生まれたのでしょうか。

今回は、開発を担当したデザイナーの北島さんとPMの中村さんにインタビューを行いました。ユーザーヒアリングを軸にした開発プロセスや、文章を校正する機能への深いこだわりなど、リリースまでの舞台裏を聞いてきました。


クリエイターの声を起点に。AIアシスタント刷新までの道のり

——まずはお二人のふだんのお仕事について教えてください。

北島さん noteに入社して4年ほどになります。メインはTALESという物語投稿サイトを担当していて、UIデザインとグラフィックデザインを担当しています。

中村さん 1年半前にTALESの開発スタートと同時期に入社して、リリースから運用・グロースまで担当しています。最近はTALESだけでなく、noteのプロジェクトも複数担当させてもらっている状態です。

——お二人ともTALESの開発をされているんですね。今回のAIアシスタントのアップデートは、どのような経緯でスタートしたのでしょうか。

中村さん 最初はWebの話ではなく、スマホアプリの話からだったんです。2025年の9月にTALESのアプリをリリースしようとしていたんですが、ちょうどiOSのアップデートでAIを活用した機能がつくりやすくなったタイミングでした。それが最初のきっかけですね。

まずは、クリエイターの方々にどんな機能が望まれているのか、ヒアリングを進めていきました。とくに多かったのが、誤字脱字のチェックや校正をAIがやってくれる機能で、要望の数も多く、ニーズが高いことがわかりました。

——クリエイターへのヒアリングはどのように進めているのでしょうか。

北島さん TALESの開発では、2つの軸でユーザーヒアリングを行っています。1つは10〜30人くらいのユーザーさんに実機を触ってもらうユーザビリティテスト。もう1つは、隔週ぐらいの頻度でプロの作家の方に意見を聞くヒアリングです。

ユーザーヒアリングで集まったご意見やご要望

どのようなアップデートにするかをいろいろと考えていたんですけど、TALESは物語を書くサービスということもあって、ヒアリングでは何度も校正の課題を聞かせていただいていたんです。

それで用途を絞って、「自分の文章をかんたんにAIで校正できる」という要件に決めたところから、UIの検討が一気に前進しました。方向性が定まったのはやはりユーザーの声があったからですね。

あらためて体験を起点に考える。AIの進化によって変わったデザインのアプローチ

——デザインはどのように進めていったのでしょうか。

北島さん TALESのデザインについては、noteのいい部分を踏襲していこうという考え方があります。TALESでAIの機能を開発するのであれば、noteから持ってくるか、note側の機能も一緒にブラッシュアップしてしまおう、という考え方なんです。

もともとnoteにはAIアシスタント機能がありまして、私がデザインも担当していたんです。3年前はまだChatGPTが3.5の時代で、そのときにできる技術をつかってAIの機能をサービスに落とし込むというアプローチでした。今回はAIの進化に合わせて、チャット型でちゃんとラリーをしていく形にしようというのが出発点でしたね。

——デザインを検討していて、前回とはどんなところが変わりましたか。

北島さん 前回は技術的な制約のなかでできることを探る感じだったんですが、今回はユーザーが求めている「誤字をピンポイントで差し替えてくれる」体験を起点にして、それを実現するUIを考えていきました。

ただ、作家さんのつかわれ方って自分たちの想像の及ばないところにあったりするので、実際につくってみて「こういうつかわれ方はするかな」「ここはあまりつかわれないんじゃないか」と意見をヒアリングしながら進めていきましたね。

「同じ場所をクリックしていけばすべて反映される」。編集者の目が磨いた校正のUI

——今回のアップデートで一番こだわった部分はどこでしょうか。

中村さん noteの代表の加藤さんやTALESの代表の萩原さんがもともと編集者なので、校正についてはこだわりが強い方たちなんですよね。お二人からのフィードバックを参考に、どんどんブラッシュアップしていきました。

北島さん とくにこだわった部分はボタンの位置です。たとえば複数の誤字脱字を修正したい場合、同じ部分をクリックしていけばすべてが反映されていくことを意識しました。校正をお仕事にされていたお二人の意見がすごく生かされている部分だと思います。

誤字を修正するUI

中村さん 修正するときの提案についても、修正前と修正後の比較、そしてそれを取り入れるのか取り入れないのか、それだけがわかるようにする。余計な情報や操作を一切排除して、ユーザーが判断と反映だけに集中できるようにしています。

——社内外からのフィードバックを集めながら、関わる人が多いなかでスピードを落とさないために意識していたことはありますか。

中村さん 我々の場合、ふだんからペアデザインという形で進めています。北島さんと一緒に画面を映しながら、アイデアをその場でデザインしながら検討していくんです。

一般的にはPMが要件をまとめてデザイナーに渡す流れが多いと思うんですけど、リアルタイムで互いにフィードバックしながら進めていくので、認識のズレが起きにくいんですよね。

北島さん お互いにリモートで働くことが多いので、毎朝30分から1時間の朝ミーティングを毎日とっていて、そこで日々の進捗確認も行っていました。リモートだからこそ、意識的にコミュニケーションの密度を上げるようにしていました。

つくるだけでは終わらない。「とどける」までを考えたリリース戦略

——ここまでデザインや開発の話をうかがってきましたが、ユーザーにとどける部分ではどんなことに気をつけていましたか。

中村さん 機能のアップデートをしっかりユーザーに届けないといけないねという話は社内でもしていて、noteとTALESのどちらから先に出すかも含めて検討しました。

結果的には、note側からまずリリースして全体に周知し、その後TALESにも展開する形に落ち着きました。TALESがちょうど1周年のタイミングだったので、その記念イベントの目玉として紹介することに決めました。

——実際にリリースしてみてどうでしたか。

中村さん noteから先にリリースしたときに、Xや公式記事などで機能の紹介はしたのですが、もともとAIアシスタントのボタンがあったので、執筆する方にとっては気づかれにくかったんです。

その反省を踏まえて、TALESでのリリース時には、エディタ画面を開いたときに、機能のオンボーディングを追加して、アップデートを知ってもらえるように改善しました。

北島さん リリース後にAIアシスタントの利用率がアップしたので、クリエイターの方に気づいてつかっていただけています。よい機能を出したらしっかりとつかってもらえるのは、やりがいがありますね。

——最後にお二人から一言ずつお願いします。

北島さん 今回TALESという新規事業側で取り組んでいたことが、note側の機能改善にもつながりました。事業を横断しながらクリエイターにとってのつかいやすさを考えることができ、大きな視点で考えながら開発していけるのがnoteの特徴だと思います。

中村さん 最初にユースケースがしっかり固まったことで、開発がかなりドライブしていきました。noteはユーザーの声が届きやすいサービスなので、それを形にできると達成感がありますし、こういったクリエイターをサポートする機能開発を継続していきたいと思います。

text by zackie


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