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note(5243) IR解説|noteのビジネスモデルは?どうやって稼いでいるの?

こんにちは、note(5243)でIR担当をしています、三浦です。

今回より、投資家のみなさまからよく聞かれるご質問についてひとつずつ解説していく連載「IR解説シリーズ」をはじめます!
決算説明資料や開示資料だけでは伝えきれない、noteの事業の裏側や大切にしている考え方について、IR担当の立場からお伝えしていきたいと思っています。

第1弾のテーマは、noteのビジネスモデルです。
「noteは広告がないのに、どうやって稼いでいるんですか?」とか、「無料で読める記事が多いのに、売上が伸びているのはなぜ?」といったご質問をよくいただきます。そこで、noteの収益構造から今後の成長の考え方まで、ご説明していきます。


この記事のポイント

要点をクイックに掴みたい方は、ここをチェック!

  • noteの収益の柱は主にnote事業(クリエイターの売上に対する手数料)とnote pro事業(企業向けSaaS)の2本柱。売上の約8割をnote事業が占めています

  • 実はnoteに投稿されている記事の7割以上が無料コンテンツ。この無料コンテンツが広告宣伝の役割を果たすことでプラットフォームが自律的に拡大しており、有料コンテンツの売上増加につながっています

  • クリエイターの売上に対する手数料率(テイクレート)は約17%。低めに設定することでクリエイターが集まりやすくなり、プラットフォームの拡大につながっています

  • 有料コンテンツの月間購読者数は約75万人と、会員登録者数1,178万人に対してまだまだ小さいのが現状です(2026年2月末時点)。プラットフォームの拡大によって購読者数を増やし、継続的に成長させていく考えです


1. note社の収益構造は?

現在のnote社の売上は、大きく以下の2本柱で成り立っています。

① note事業 ― 有料コンテンツの売上に対する「手数料」

ひとつめは、note本体のサービスで生まれる収益です。クリエイターのみなさんが、有料記事や定期購読マガジン、メンバーシップなどを販売したときに、その売上の一部をプラットフォーム利用料や事務手数料としていただいています。

クリエイターの収益が増えれば増えるほど、noteの売上も伸びていくという事業構造になっています。

② note pro事業 ― 企業向けの「月額利用料」

もうひとつの柱が、noteの法人向け高機能プラン「note pro」の月額利用料です。企業がサブスクリプション運営やブランディング、採用広報などの目的でnoteを効果的に使えるように、機能やサポートが充実したプランを、月額8万円(税別)で提供しています。

こちらは契約社数が積み上がると収益が増えていくSaaSモデルとなっており、安定性の高いストック型の収益となっています。

この2本柱に加えて、最近ではIP・コンテンツクリエーション事業やAI関連事業にも取り組んでいますが、今回は売上の約8割を占めるnote事業について解説していきます。(note proについては改めて別の記事で詳しくお伝えする予定です)

2. なぜ、広告を入れないの?

冒頭で見たように、note事業の売上は有料コンテンツの売上に対する手数料です。

一方で、noteに投稿されている記事の7割以上は「無料」のコンテンツです。つまり無料コンテンツそのものは、直接の収益にはなっていません。

そこで株主・投資家のみなさまからは、「無料コンテンツも収益化するために広告を入れてはどうか?」「なぜ広告を入れないのか?」というご質問・ご指摘をよくいただきます。

しかしnoteでは、他のWebページでよく見るバナー広告のようなものは入れていません。

これは単なる美学やポリシーではなく、広告がないことによって、次のような好循環が生まれ、noteの独自性・競争優位性につながると考えているためです。

  • 創作に集中したい本気のクリエイターが集まる:広告のためにバズらせることを意識せず、伝えたいことに向き合える

  • 読者がコンテンツに集中でき、価値が適切に評価される:余計なものに邪魔されず、作品そのものの価値を評価しやすくなり、「良いコンテンツ・クリエイターに対価を払う」という行動が促進される

  • 企業や自治体も、安心して発信できる:意図しない広告が隣に並ぶことなく、信頼できる発信の場として参加しやすい

こうして、noteには優良なコンテンツが集まり、「個人が投稿するオンラインコンテンツでも、安心してお金を払って読みたい」という認知や文化が広がってきました。これが、noteの唯一無二のビジネスモデルを支えています。

そして無料コンテンツにはもう一つ、大切な役割があります。

直接の収益にはならないですが、検索やSNSで見つけた方がnoteに出会うきっかけとなり、新しい読者やクリエイターをnoteに連れてきてくれる、広告宣伝の役割を果たしています。

広告を入れて短期的な収益を上げるのではなく、クリエイターに選ばれ、コンテンツが集まり、読者が増え、それが結果として収益へとつながる循環(グロースモデルと呼んでいます)を大きく育てていく方が、長期的にnoteを伸ばすうえで、重要だと考えています。

なお、いわゆるバナー広告は入れない方針ですが、プラットフォームが大きくなるにつれて「noteという場所を使って発信したい」という法人のPRニーズも高まっています

企業協賛のコンテストなどの取り組みも進めていますので、こちらもまた、別の記事で詳しくご紹介する予定です。

3. 手数料はどう設定しているの?

ここからは、note事業の売上構造をもう少し詳しく見ていきます。

note事業の売上は、ざっくり次の式で表すことができます。

note事業の売上 = GMV(流通総額) × テイクレート(手数料率)

  • GMV(流通総額):noteのプラットフォーム上で有料で取引されたコンテンツの総額

  • テイクレート:そのうち、noteが手数料としていただく比率(プラットフォーム利用料と事務手数料の合計の加重平均)

つまりnote事業を伸ばすには、GMVを増やすか、テイクレートを引き上げるかの2つの方法があります。このうち、ここではテイクレートの中身と、その水準の考え方をお伝えしていきます。

noteの場合、手数料率はプラットフォーム利用料と事務手数料で構成され、有料コンテンツの種類や決済手段によって異なります。

プラットフォーム利用料は基本的に10%(定期購読マガジンのみ20%)、事務手数料は決済手段により5〜15%(当社が決済代行会社に支払う手数料が異なるため、決済手段によって幅があります)となっています。

これらをすべて合わせて平均すると、全体のテイクレートは約17%となっています。

ひとつの参考として、書籍出版の世界では、クリエイターの手元に入る印税は書籍の代金の10%程度と言われています。出版にかかるコストや流通の違いはありますが、noteの場合は売上の8割以上がクリエイターの手元に残る仕組みであり、クリエイターにとって魅力的な水準だと考えています。

ちなみに、これまでのテイクレートの推移を見ると、上記のグラフのとおりここ数年緩やかな低下傾向が続いています

これは主に、有料コンテンツ・決済手段のミックスが変化していることが要因です。具体的には、プラットフォーム利用料が高い定期購読マガジンに比べて単発コンテンツやメンバーシップの伸びが大きいこと、事務手数料が高い携帯キャリア決済に比べて相対的に手数料が低いクレジットカード決済やPayPay・AmazonPay決済などの利用が増えています。GMVを伸ばすための施策の結果であり、想定の範囲内で特に問題ないと考えています。

「noteの利用も増えてきているので、テイクレートを引き上げてはどうか?」というご質問もいただきますが、以下の2つの理由から、現状引き上げる予定はありません。

  • クリエイター・コンテンツの増加につながる:クリエイターにとって、自分の作品から得られる収入は活動の継続性に直結します。手元に残る金額が大きいほど、noteで続けたいと感じてもらいやすく、新しく参加するクリエイターを惹きつける力になります。

  • 参入障壁になる:他のサービスがnoteの真似をしようとしても、いまから「noteより低いテイクレート」を提示することは簡単ではありません。低いテイクレートで安定した事業を回していくには、プラットフォーム全体の規模と効率が必要になるためです。

テイクレートを高く設定すれば、短期的にはnoteの売上は増えます。ただ、それによってクリエイターの創作意欲が弱まれば、プラットフォームの成長自体が鈍くなり、長期的にはGMVの伸びが止まってしまいます。

現時点では、市場自体が大きく拡大していることから、テイクレートを低く保ちながら、有料コンテンツの取引を増やすことが重要だと考えています。そうすることで面を広げ、GMVを大きく伸ばしていく方針です。

4. noteの売上は今後どのように伸ばしていくの?

前のセクションで見たように、note事業の売上は「GMV × テイクレート」で決まります。前述のようにテイクレートは大きく変わらないため、note事業の売上を伸ばす鍵は、GMV(流通総額)をどう増やしていくかにあります。

GMVは、さらに分解すると次の式で表せます。

1ヶ月当たりのGMV = 月間購読者数(人) × ARPPU(円)

  • 月間購読者数:1ヶ月当たりの有料コンテンツ購入ユーザー数

  • ARPPU:1ヶ月当たりの平均購入単価

ちなみに、2026年11月期第1四半期で見ると、月間購読者数は約75万人、ARPPUは2,743円です。

これまでの推移を見ると、ARPPUは安定的に推移している一方、月間購読者数が大きく伸びており、購読者の伸びがGMVの成長を牽引していることがわかります。

これは、noteのコンテンツ・ユーザーの継続的な増加に加え、レコメンド機能の強化により「読みたい」「買いたい」と思えるコンテンツに出会いやすくなってきていることや、決済手段の拡充など購入のハードルを下げる施策などを積み重ねてきた結果と考えています。

とはいえ、noteの会員登録者数は1,178万人(2026年2月末時点)、MAUは約8,660万(※)であるのに対し、月間購読者数がいまだ約75万人と、noteのコンテンツを購入しているユーザーは、ごく一部にすぎません。今後もプラットフォームの規模と使い心地が整うほど、購読者数は自然に増えていくと考えています。

※MAU:Monthly Active Users(月間アクティブユーザー)の略であり、非会員も含め「note」に月1回以上アクセスしたアクティブブラウザの合計数。数値は2025年度下期(6-11月)平均

なお、ARPPUについては、新規の購読者が増えるフェーズでは上がりにくい構造があります。はじめて購入する方は少額の購入から入る傾向があるため、新規の購読者が増えるほど平均を押し下げてしまうためです。購読者が増えることは事業成長にプラスであるため、これ自体はポジティブな要素になります。

こちらも、これからnoteのコンテンツに親しんでいただくにつれて、より深く読みたい・クリエイターを応援したいという方が増え、徐々に上昇していくものと考えています。

テイクレートを低く保ち、クリエイターが集まるプラットフォームとしての価値を高めてきたことで、質の高いコンテンツが増え、有料コンテンツを購読する人が増え、note事業は売上・利益ともに着実に成長するフェーズに入ってきました

今後も、独自性の高いビジネスモデルと競争優位性を活かしてnote事業を伸ばしつつ、これまで築いてきたプラットフォームの資産を活かして、note pro事業や新しい収益の柱の成長にも取り組んでいきます。

* * *

おわりに

今回は「noteのビジネスモデル」について解説しました。

一見シンプルな手数料ビジネスに見えて、そこには「クリエイターを主役に置くからこそ育つプラットフォーム」という、noteらしい構造が組み込まれています。

noteのGMVはまだまだ右肩上がりで成長中。今後もプラットフォームの価値を高め、より多くの方に届けていくことで、noteの事業をさらに大きく育てていきたいと考えています。今回の記事を通じて、今後の収益成長の可能性も感じていただけていたら嬉しいです。

このIR解説シリーズでは、今後も投資家のみなさまからよく聞かれるご質問を、ひとつずつ解説していきます。

「こんな疑問に答えてほしい」「もっとここを深掘りしてほしい」といったリクエストがあれば、こちらの質問箱からお知らせください!今後の参考にさせていただきます。



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