「やってみます。」より、「やってみたい。」って思ってほしかったんです。
お店を始めた頃から、ずっと思っていたことがあります。
「美容室で全部説明しなくてもいいんじゃないかな。」
ということでした。
もちろん、髪の状態も、今日したことも、お家でのお手入れも。必要なことはお伝えしてるんですが
それとは別に、ずっと違和感があったことがあったんです。
お客様にいろんなことを説明する時間ってあるじゃないですか?例えば…
「今日はこういうトリートメントがおすすめです。」
「こういうホームケアがあります。」
「今の季節でしたらこちらがおすすめです。」
みたいやこと。
もちろん、それが悪くはないんですけど
実際、私も若かりしスタイリストなりたての頃はそうやってお話ししていました(笑)
でも、自分のお店を始めて、私の大好きな時間でもある…
今日あった出来事を話したり。
家族の話をしたり。
最近見た映画の話をしたり。
「そうそう、それ聞いてほしかってん。」
そんなふうに、自然と会話が続いていってお客様が気を遣わずに過ごせる時間がながれる
美容室にしたかったんですよね。
だから、その空気を途中で止めたくなかったんです。
「では、ここから商品の説明をします。」
そんな空気になった瞬間、お客様は聞く人になって、私は話す人になる。みたいな。
それまで一緒に笑っていた空気が、少しだけ変わる感じが、どうしても好きになれませんでした。
だからといって、何もお伝えしないのも違うし
本当は知っていただいた方がいいことは、たくさんあるのになと。
☆お家でこんなことをすると、もっと扱いやすくなること。
☆この季節だからこそ気を付けた方がいいこと。
☆今のお客様には、このメニューが合っているんじゃないかなと思うこと。
話したいことは、たくさんありました。
どうしたら、お客様は気持ちよく聞いてくださるんやろう?
どうしたら、「おすすめされたから」じゃなく、自分で「やってみたい」と思えるんやろう?
その答えを探していた頃、マーケティングの本も、お店づくりの本も読みましたし、いろんな美容室にも行きました。
それで、気づいたことが
美容室で決めなくてもいいんじゃないかな。もしかしてお客様は、その場で返事をしないといけないから迷うのかもしれない。
考えてみたら私たちが逆の立場なら同じことだなーと…
洋服を見に行って、
「今どうされますか?」
と聞かれると、
「ちょっと考えます。」
ってなることがありますよね??
家に帰って、持っている服を思い出して、
「あれに合うかも。」
と思ったら、もう一度買いに行きたくなる。!
それと同じなんじゃないかなと思いました。
だったら、美容室でも、お家でゆっくり考えてもらえるようにしたらいい。
その方が、お客様も納得して決められる。
そう思うようになりました。
そこから作り始めたのが、DMでした。
お客様が、お家でコーヒーを飲みながらでも読めるようなDM
「そうそう、最近これ気になってた。」
「これ私のことかも。」
「今度行ったら聞いてみよう。」
そんなふうに、自分のタイミングで読めるものを作りたかったんです。
美容室では、楽しく過ごす。
家では、自分のペースで読む。
分からないことがあれば、次に来た時、
「あれってさ。」
と聞いていただく。
私は、その流れを作りたかったんです。
実際にDMをお渡しするようになると、お客様との会話が少しずつ変わっていきました。
「この前の、読んだよ。」
「私、あれ当てはまってた。」
「これって私もやった方がいい?」
そんなふうに、お客様の方から話しかけてくださることが増えたんです。
私は、その瞬間が本当に嬉しかったです。
私が説明したからではないし
私が勧めたからでもないんです。
お客様がご自分で読んで、
ご自分で考えて、
ご自分で「聞いてみよう」と思ってくださった。
その違いは、とても大きいと思っています。
「ハマグチさんが言うから。」
では、きっと続かないです。
でも、
「私、やってみたい。」
と思って始めたことは、続いていくと思います。
と言うか、続いてきました!
だから私は、お客様が自分で納得して決められる時間を大切にしたかったんです。
そのためには、店内で全部を完結させる必要はなく
むしろ、店内は店内の役割があります。
笑ったり。
ほっとしたり。
髪がきれいになって気持ちが軽くなったり。
「今日も楽しかった。」
そう思って帰っていただく時間。
だから私は、その時間をできるだけ大切にしたい!
そして、お家では、お客様がご自分のタイミングでDMを見る。
急かされることもなく、
誰かに見られることもなく、
「なるほど。」
「これやってみたいな。」
そんなふうに思いながら読んでいただく。
私は、その時間も美容室の時間の続きだと思っています。
自分で納得して、自分で選ぶ。
そのお手伝いができる方法を考えていたら、私のお店は少しずつ今の形になっていきました。
だから、DMは販促ツールという感覚ではないと思ってます。
お客様と美容室で過ごした楽しい時間の続きを、お家でゆっくり思い出してもらうための、小さなお手紙のような存在に今ではなっています。
